FF14の二次創作置き場

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"名前"でカットされたシド光♀R18パート。お仕置き系で特殊…

漆黒

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【R18】本当の"名前"【個別鍵】
"名前"でカットされたシド光♀R18パート。お仕置き系で特殊性癖。
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注意漆黒以降の自機が子供化ギャグ概念をまとめたページです。漆黒以降のキャラがいる…

漆黒,ネタバレ有り

漆黒,ネタバレ有り

長編:旅人は子供になりすごす
注意
漆黒以降の自機が子供化ギャグ概念をまとめたページです。漆黒以降のキャラがいるのでネタバレ有りに入れています。キャラ崩壊がすごい。
ネロ+光♀気味のシド光♀。ネロと自機はお互い気が合う友人以上の感情は一切無し。その4だけシド光♀です。
R18パートはがっつり特殊性癖なので自己責任で。

長編
その1 // その2 // その3 // その4

フルver(R18入り、約35,000字程度。5日目からシド光♀)
1日目 // 2日目 // 3日目 // 4日目 // 5日目 // 6日目 // 【R18】7日目 // エピローグ

後日談
【R18】後日談:目覚め直後の恨みつらみ :: 自機が大人に戻った日の朝の話。シド光♀。

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注意漆黒以降の自機が子供化したギャグ概念。ここからシド光♀。その1、その2、その…

漆黒

#シド光♀ #ギャグ

漆黒

旅人は子供になりすごす-4-
注意
漆黒以降の自機が子供化したギャグ概念。ここからシド光♀。
その1その2その3から読んでね。
 
 罪人2人をレヴナンツトールに連れて帰る。勿論アンナはしっかりと抱いて、だ。ネロはガーロンド社へと連れて行かれる。シドは次の日にネロの部屋に置いてある荷物の類を回収する約束をし、宿にアンナを連れ込んだ。普段のアンナの仕草を見せているのに見下ろす形なのは新鮮だ。そう思いながら軽々と抱き上げると「子供扱いしない」と頬を膨らませている。

「普段俺にしてるじゃないか」
「私はいいの」

 薄い身体に普段より気持ち温かいが人より冷たい体温。抱きしめてやるとアンナは頭を優しく撫でた。額に頬に、そして唇に優しく口付けるとアンナは眉間にしわを寄せた。

「ヒゲくすぐったい」
「いつも通りじゃないか」
「子供の姿だからかな。刺さる、って続行しない!」

 小さくて、やわらかい。細い身体は確かに抱き心地がよかった。

「そういえばさ、シド」
「どうした?」
「―――今の私の身体、第二次性徴前」

 耳元でボソリと呟かれると顔が熱くなっていく。改めて言われると恥ずかしくなる。クスクスと笑い声がした後「お風呂入って来るから、大人しくしててね」と下ろすよう床を指さした。言われるがまま解放すると部屋着を持って浴室へ駈け込んでいった。



 暇だ、と思いそろそろ説教も終わっているであろうネロにリンクパール通信を繋ぐ。

『あ?』
「ああネロ大丈夫か?」
『妹自慢が終わった所だ。ッたく受けるンじゃなかったぜ』

 疲れ切った声が聞こえて来た。いい罰だ、優越感が勝る。

「お前の家ではアンナはどんな感じだったんだ?」
『料理は当番制で適当に本やらジャンクパーツで遊ンで寝させてただけだっつーの』
「健全だな」
『ッたりめェだろ。お前と違ってメスバブーン相手にはどうも思わねェよ』

 談笑していると扉がキィと鳴る。アンナがふとこちらを見ている。ただじっと。何か手に持っているようだがよく見えない。「アンナ、どうした?」と聞くが何も言わず奥に消えて行った。首を傾げながらネロに問う。

「風呂から出たら何かしてたか?」
『ドライヤーかけてやってただけだ。家の中濡らされたくなかったンだよ。面白ェもン見れたから苦になる作業じゃなかったぜ?』
「なるほど。じゃあ一度切るからな」

 ネロの答えを聞くより前に通信を切り、アンナの様子を伺いに立ち上がる。覗き込んでみるとドライヤーを手に持って四苦八苦しているようだ。使い方を教えずただやってあげてたのかとため息を吐きながらその機械を手に取る。

「あ」
「ほらやってやるから」

 耳を触らないように暖かい風をかけてやる。正面にある鏡でアンナの表情はよく見えた。珍しく誰の目から見ても分かる程度にはご機嫌のようで。よっぽどこれが気に入っているのかと苦笑した。もっと早く気付いていたらとネロに対し舌打ちしていると「んー」と言いながらふにゃりと耳が垂れ下がった。

「アンナ?」
「―――へ?」

 鏡で今の自分の状況を見たらしい。顔を赤くし、固まっている。耳を押さえ声が震えている。

「待って、シド、誤解。知らない」
「アンナ、髪はまだ乾いてないぞ?」

 逃がさないよう固定し、頭をガシガシと撫でてやると「やーめーろー!」と抗議の声が聞こえた。動かさないように修行していると言っているくせにふとした拍子にこう垂れ下がる姿を見せる。しかしいちいち丹念に触らなくても即見れる手段ができたのは朗報だと考えた。

「スマンドライヤーの音で何も聞こえないな」
「嘘つかない! あ、じゃあやーいばーか! おーじーさーんー!」
「俺は普段のお前より半分以下の年齢だ」
「聞こえてるじゃん! 都合のいい耳だなあ!」

 聞こえないと言われたら思ったより幼い悪口が飛び出し苦笑する。絶対に大人に戻ったらやらせないという恨み言が飛び出した。「それなら子供のうちにゆっくり堪能しないとな」と後先考えずに喋るアンナに感謝する。
 直後、可愛らしい「みぎゃー!」という叫び声が響き渡った。やりすぎたかもしれない、一瞬その手を止める。

 数十分後、少々機嫌が悪くなったアンナの機嫌取りをしようやく抱きかかえる許可がもらえた。一回り小さな頭に顎を置き、アンナが読んでいる本を眺めている。滲んだ文字が多めな東方地域のからくり装置のカタログを呼んでいるようだ。その筆跡はどこかで見たことがある気がするが思い出せない。
 とりあえず程々な時間で錬金術師ギルドで何を仕込みする気満々だったのか聞きながら眠らせる。どうやら大したことをするわけでもなくただ"今後の参考"のために錬金術の勉強をしていたらしい。「嘘をつくな。蒼天街で割った煙幕の幻影だろ」とネロやヤ・シュトラからの報告内容をぶつける。すると舌打ちしそっぽを向いて無言を貫きそのまま眠っていた。戻った後、まだ残っているであろう試作品を絶対全回収しようと決心しながら目を閉じる。



 5日目。目が覚めると子供のままのアンナは既に着替えをし、本を読んでいた。相変わらず早起きだなと欠伸をしながら体を起こすと気が付いたようだ、「おはよ」とニコリと笑顔を見せた。

「とりあえず今日は石の家に連れて行くからな。まあ溜まった仕事を終わらせて定時で迎えに行く」
「昨日も無理やり迎えに来たし皆怒ってるんじゃないの。別にゆっくり徹夜してもいいんだよ?」
「絶対に終わらせてくるからな」

 頬をギュッと引っ張った後、一緒に朝食を食べに行き石の家へ引っ張って行く。少々ばつの悪そうな顔をしながら笑顔を見せているタタルとクルルに手を引かれ、奥へと連れて行かれるところを確認した後会社へ向かう。

「会長、アンナさんは連れて来てないんですか?」

 ジェシーをはじめとする人間に何度も聞かれた。石の家にいると返しながらその後ろにある子供服を隠しとけとため息を吐く。人へ過剰に関与しないアンナからするとこれが嫌だから隠れていたんだな。そう思うと結果的にはネロに頼り隠れていたのは間違っていなかったのかもしれない。なら声くらいは聞かせろとぼやくことしかできなかった。ネロのことをパパと呼び自分のことをおじさんと呼んだのも未だムカつく所がある。しかも三度も呼んだ。ジェシーに明日大人に戻っていなかったら連れて来るという条件を持ち出し、ネロへ仕事を押し付けていく。

 夜、石の家に顔を出すと少し疲れた顔をしたアンナがいた。こちらに気が付くといつもの笑顔に戻り「おや特大なお仕事は?」と聞くので「"調整"してくれたからな」と笑顔を返すと舌打ちしている。とりあえずどういう意味だと小突いた。抱き上げアンナと談笑していたクルルに会釈をしその場を後にする。
 外で日中何があったのか聞きながら晩飯を済ませ、ネロの部屋からアンナの荷物を回収した。大きなスーツケースに纏められている。「デカいな。頑張ればアンナが入る」と呟くと足を踏まれながら「通報」と言われたし、ネロにも「口には出すな」呆れられた。流石に実行はしないと苦笑しながら宿に運び込む。
 シャワーから出て来たアンナの髪を乾かしてやり、自分も頭を冷やしがてらシャワーを浴びた。戻ると昨日とは打って変わって既に寝転びながら身体を伸ばしていた。隣に座ると少しだけジトッとした目でこちらを見る。その後何か思いついたのかのそりと起き上がり膝の上に頭を置きニィと笑った。

「もう二度とないかもしれない体験で嬉しいでしょ?」
「大人に戻ってもやればいいじゃないか」
「やだ」

 膝枕はさせる方が好きなんだよと柔らかな笑みを浮かべ膝の上でゴロゴロ転がっている。長い耳が当たってくすぐったい。

「石の家で子供っぽい動きとは何かとララフェルの方々に聞いてた。だから色々と試す」
「それは口に出さない方がよかったかもしれんな」

 顔に手を当てため息を吐く。アンナは唐突に腕を掴み、顔へと持って行かせた。首元を撫でてやると笑顔を見せている。

「そもそも子供とは何かという所から議論をした」
「哲学は専門外だから分からんな」
「言葉を舌足らずにとかキャーキャー喚いたりとか。でもそれ私が嫌い。だからやらない。ならば普段から可愛いララフェル先輩に聞くのが一番」
「まあ突然そんなことされたら呪術士の所に連れて行くかもな。マハで妖異にでも憑かれたかもしれんと」
「非科学的なものに頼りに行こうって思う程異常に見えるってことね、オーケーオーケー」

 私が普段どういう目で見られてるかよーく分かったよと言う口に反し笑みを隠さずその指をカリと甘噛みする。

「というか自分が子供の頃と同じ感じで行けるだろう。覚えてないのか?」
「ずっと素振りしてるか部屋中イタズラの仕掛けをして女の人のお尻触ってもいいなら」
「却下だ」

 忘れかけていたがアンナは当初自分が男として生まれたと思っていた。実際普段の姿で見慣れているだけで笑顔で立っていなかったら十分少年だと言われても信じる自信はある。

「とにかく子供である利点をもう少し楽しもう。これ今日のまとめ」
「それを先の4日間で気付くべきだったな」
「やだ。そんな長く好奇心の目に晒されるとか頭おかしくなる」

 普段のビックリ人間ショーみたいな英雄行為はいいのかと思うが口には出さないでおく。
 それから適当に子供とはどういうものなのかという話を交わし眠った。



 6日目。いつもより早起きしたが既にアンナも起床していた。柔軟運動をしている姿はまだ子供のままだ。少しだけ安堵している自分を叱咤しながら身体を起こす。

「もっとゆっくり眠っててもいいんだぞ?」
「ホー今日は早い。……習慣だし。どうせ寝起きの姿見たいだけでしょ?」
「そうかもしれん」

 やっぱりと言いながらこちらに近付き口付けた。今日は社に連れて行くからなと言うと一瞬笑顔が引きつっていたが即平静を装っていた。「そこまで酷いことはならんさ、多分」と言ってやると「だといいけどねえ」とアンナは苦笑した。

 子供になったアンナの姿を見るや否や飛びついて行く老若男女問わない社員たち。ヒッという声を上げながら逃げることもかなわず捕まり奥へと連れて行かれた。その中には旅人服を着たレフがいる。どさくさに紛れて何やっているんだと思いながらネロに事情を聞く。すると「そういう体でいるために昨日休暇をもぎ取ったんだぜ? ただのアホだろ」と返された。あの男は意地でもちゃんと模範的な生活を送る護人であるという所を妹にだけは見せたいらしい。偶然にしてもここにいるのはどう考えてもおかしいだろと言いたかったが多分アンナは信じるだろう。それ位兄は嘘をつかない規律的な人間だと思っているからだ。実際は護人時代から黙って抜け出して興味関心を満たしたり、既に自分勝手な理由で離婚して里とも断絶している生粋のシスコンなのだが。

「蒼天街でファットキャットのパーカー着てたっつーと滅茶苦茶目を輝かせた奴らがいてな」
「お前絶対それアンナが話して欲しくなかったやつじゃ」
「ケッ散々迷惑かけられたンだ。アレ見てちょっと清々したぜ」

 ミギャーという叫び声が聞こえる。あの声は不味い。流石に戻った後の荒みっぷりが想像できないので小走りで止めに行くことにした。

「おいおい止めに行くのか?」
「このままじゃ戻った後今回の錬金薬を量産して社内にぶちまけて大パニックにするぞ」
「アー"あっち"が絡んだらやりそうだな」

 あっちという表現はよく分からないが程々にしとけと小部屋に行く。そこには髪を赤く染め、ウィスパーファインウールを着せられたアンナがいた。

「シド! に、兄さんにまで裏切られたし、社員教育はどうなってるんだ!」
「え、あ、似合うな?」
「ちがーう! このぉ……エロオヤジ!」
「あ、それは減給がやば。ゴホン! ……よーし妹よ! 兄と彼らのお仕事の邪魔にならないようにお出かけするか! な!」
「ずるいぞ!」
「マスコットとして置きなさいよ!」
「どこぞの会長クンの顔を見てから言う! ほら妹よ行くぞー」
「んー体鈍ってるから運動したいな」
「ああ久々に組み手でもしよう」

 並ぶ姿を見ると確かに兄妹だ。なぜかパワーアップした罵倒を放ち、一瞬こっちを見やりくるりと回る姿が非常に可愛く周辺からも歓声が上がった。明らかに煽ってる姿に歯を食いしばりそのまま兄に引っ張られていく姿を見送る。覚えてろと思いながら早々に仕事を終わらせようと書類に向き合う。



 何とか仕事を終わらせレヴナンツトール中を歩き回っていた兄妹を捕まえ回収した。兄からの視線がとても痛かったが無視し連れ帰る。

「兄とはどういう話をしたんだ?」
「別に? いきなり会っても何話したらいいか分からないし……。故郷でヤることが終わってよかったって話と。ご飯食べて、街の中歩き回って色々買い物して、あとは郊外で組み手した」

 里にいた頃思い出して楽しかったと笑顔で言う姿にため息を吐き頭を撫でてやる。3日程度ほぼ室内でのんびりしていたから身体を動かせて満足しているようだ。その辺りを汲んで付き合ったのなら兄は本当に有能な人間だなと思う。どうせ言われるがまま遊んでやっただけだろうが。
 現在は汗をかいたからとシャワーを浴びに行っている。髪は赤いままで「戻ったら美容師にお願いする」とぶっきらぼうな顔で言っていた。個人的にはこれが本当のアンナの幼少時代の姿かと思うと少々興奮してしまう。そんなこと言ったらまた子供相手に云々と言われるので心の中にしまっておいた。
 カタンという音が聞こえ振り向くとこちらに顔を覗かせている姿が見えた。多分ドライヤーかけろという合図なのだろう。しかしあえて無視してやると下着一枚でこちらでやってきてヒゲを引っ張る。

「いたた」
「ド・ラ・イ・ヤー」
「分かった分かった」

 もうやらせんと言ったくせにワガママな子供である。素直に引っ張られてやり耳が垂れ下がる姿を見ながらドライヤーをかけてやった。「戻った後のためにやり方、教えて」と言われたが無視し髪をグシャグシャとかき回してやる。「ケチ!」という言葉に笑い終わった後は抱きしめてやる。再び耳を硬く立たせようとするので妨害するために優しく撫でまわし甘噛みしてやった。

「あーもー邪魔しない!」
「勿体ないからな」

 抱き上げベッドまで運ぶ。「服は着ないのか?」と聞くと「そろそろ戻りそうな予感がしてねえ」と言いながらも風邪ひくからと布団を被る。

「ほら君もシャワー浴びてきなよ。汗臭い」

 そっぽを向き手を振った。大人しく言う通りにすることにする。シャワーから出るともう既に眠っていたのでそのまま隣に倒れ抱き寄せながら眠りにつく。



 早朝、シドはふと腕がずしりと重くなり薄目を開いた。目の前には"いつものアンナ"がいた。そろそろ戻るような予感がしたという彼女の予想は当たっていたらしい。くすりと笑いが漏れてしまった。今すぐにでも抱きしめようと思ったがぐっと我慢をし、目覚めるのを待つ。
 更に1時間もしない頃、多分いつもの起床時間なのだろう、アンナが起き上がり「あ」という声が聞こえた。「よし」という声も漏れ嬉しそうだ。「起きる前に撤退しよっと」と呟きながらそろりと寝台から離れようとしたので腕を掴んでやる。

「げぇっ」
「何がげ、だ。どこに行くつもりだ?」
「いや、ほら、もう起床時間で日課をこなさなければ、ね?」
「戻った直後にいきなり大量にタスクを課すのは身体への負荷が半端ないと思うんだが?」

 ニコリと笑顔を見せ合う。こちらはここ数日の子供な言動と蛮行に我慢してきたのだ、そのまま行かせるわけにはいかない。しばらく沈黙が流れたがアンナが動き出す前に力いっぱいベッドへと引き摺り込んだ―――。



「ネロサン、迷惑をかけた」
「なンだお前戻ったのか。結局1週間位かかっちまってたな」

 夕方、ガーロンド社にフラフラと髪を黒く染め直したアンナが現れる。戻ったんですねというすれ違う人に会釈をしながらネロを見つけ手に持った袋を渡す。中を見ると菓子、迷惑料と書かれた袋、そして冊子が1冊入っていた。パラパラと捲るといくつか走り書きされた図面たち。「何だこれ?」と聞くと「さあ? どう使うかはご自由に」とニィと笑う。見たことのない魔法人形に、奇妙な小銃のようなもの、先日渡された煙幕の幻影関係のデータも入っている。

「"ボク"の体は重役出勤したであろう人間の説教で疲れてるんでね、失礼するよ」
「……アー」

 昼の出来事を思い出す。早朝社員に突然遅刻すると連絡を寄越したシドは昼に機嫌よく出勤した。それから部屋に篭らされ書類に埋まっているが嫌そうな顔一つ見せない。ジェシーも「ねえ今日の会長怖すぎない?」と引いていた風景を半笑いで眺めた。

「戻ったのは早朝。それから説教に重なる説教でボクはダウン。でもちゃんと戻った件はなるべく早急に報告しないといけないからね。何とか"ボク"が身体を起こして錬金術師ギルドと暁に顔を出してきたのさ」
「ハァそりゃお疲れさまなこって」

 それじゃシドに会う前に帰る、と踵を返し、手を振りながら去って行った。

「"ボク"は何が起こっていたのか分からないんだけどねぇ。とりあえずは教訓だ。錬金薬の扱いは慎重に。イヒヒッ」

 空を見上げ伸びをする。なまった身体をまずは程よい運動でリハビリしよう、アンナはテレポを唱え、どこかへ飛んだ―――。

-終わり-


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#シド光♀ #ギャグ

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注意漆黒以降の自機が子供化したギャグ概念。ネロ+光♀(シド光♀前提)その1、その…

漆黒,ネタバレ有り

#ギャグ

漆黒,ネタバレ有り

旅人は子供になりすごす-3-
注意
漆黒以降の自機が子供化したギャグ概念。ネロ+光♀(シド光♀前提)
その1その2から読んでね。
 
「ア? 何か来たな」
「えーどうしたんだろ。ジェシーかな。取ってみたら?」
「はー折角休みくれたのになァもう撤回かよ。何か不具合でもあったか? ッたくブラックすぎて困るぜ」

 イシュガルドに向かう途中、リンクパールが鳴った。何だと思いながら取ると叫び声。

「うっせェないちいち叫ぶな」
『もう一度聞く。今どこにいるんだ。家か? いやジェット音が聞こえた。何に乗ってる?』
「ハァ? 休みだし何してても関係ねェだろプライベートに介入するブラック企業かよ。あ、おぼっちゃんの所に天才のオレ様がいないと解決できない案件でも来たのかナァ?」
「シド?」

 アンナは怪訝な目で通信中のネロを見ている。肩をすくめて見せると苦笑が返って来た。

『お前昨日アンナはサプライズ仕込みで引き籠ってると言ってたよな?』
「……アー。アレは本人がそう言えつったからそのまンま言ったンだぜ? もういいか?」
『あのイタズラ好きと何を企んでいる』
「さあな。数日中にでもお仲間の前に現れるンじゃね」
「あーバレたか」
『分かってる範囲で最後に会ったのはお前だから聞いてるんだ! 本当の所アンナはどうなってた』
「ゆるしてくれるだろうか」
「ンじゃ、許せすまねェな『グッドトリップ』」

 待て話は終わってないぞという声を聞き流しながら隣でボソリと言われた言葉を元に喋り切断してやる。そして耳からリンクパールを外しポケットにしまった。

「さてどうする?」
「いや普通に予定通りバケーションで。最悪なバレ方してるっぽいし。今更帰ってもガチ切れの人たちにひっ捕らえられるだけ。じゃ、ボクもちょっと連絡」

 そう言いながらアンナはリンクパールを手に取ってリンクシェルを開いた。

「あ、もしもし」



「ごめんなさいちょっと連絡が来たみたい。外に出るわね」
「おや私もサンクレッドから報告が来たようで」

 退室するヤ・シュトラとウリエンジェを尻目にシドは震えていた。

「あの、シド? ネロは何と」
「……グッドトリップ」
「え?」
「ネロを探すぞ。絶対アンナの居場所知ってるどころか何らかの共犯の可能性が高いな」
「変なネタが飛び出す地点で絶対連れてるわね……」

 シドは社員たちに叫ぶようにネロ探索を命令している。相当怒っているようだ、アルフィノはシド、落ち着こうかと宥めた。すると報告が終わったのかウリエンジェが戻って来た。

「あの皆さん、落ち着いて聞いてください。サンクレッドに錬金術師ギルドへ詳細を聞いてもらいに行きました」
「ホー早いじゃないか。ちなみに何と?」
「……錬金薬の効果は子供化。試作品ということで効果は微弱なものでしたが一瓶分たっぷり浴びているそうです。『ツテがある』と言い一度街に出て、数時間後に『パパ』と呼ばれる背の高い男と一緒に訪れ荷物を持ち去った、とのこと。帽子を被っていたので顔こそ詳しく見えませんでしたが、相当信用していた様子だったので暁の代理人かと思いそのまま送り出したそうです」

 シド、グ・ラハ、アリゼー、そしてエルファーは目を見開き固まる。

「予想はついているかもしれませんが―――特徴は背がひょろりと高い金髪の男性だそうです」
「ネ」

 4人は叫ぶ。

『ネロ!!!!!!』



「あー今めっちゃ怒った声聞こえた。うん、明日蒼天街にいる。相当ダメそうだったらさりげなく誘導してくれたら。ごめん、じゃ」

 アンナはリンクパールを耳から外す。ネロは横で「誰にかけたンだ?」と聞くと「まあ協力者に」と答えた。

「キミの名前を叫ぶ3、4人分の怒号が聞こえた。念のためにもう1人事情説明しててよかった」
「俺の所じゃなくてソイツに頼ればよかったンじゃねェの」
「ちょっと信用するには、うん。……暁経由でバレた。錬金術師ギルドから使いが来たって」

 もっとしっかり口止めしておけばよかったねえと言いながら寒い空を飛ぶ。



「あ、アンナが子供に!?」
「嘘、確かにサプライズって間違ってないわ。でもちょっとスケール違いすぎるんだけど!」
「我が妹が……ネロあの野郎……うらやましい……」

 グ・ラハとアリゼーは顔を赤くしながら慌て、エルファーはニヤけている。対してシドは顔が青い。ウリエンジェが大丈夫ですかと聞くとその場に崩れ込む。

「俺じゃなくて、ネロを頼ったのかアンナ……」

 戻って来たヤ・シュトラはそんな凄惨な風景を目の当たりにする。眉をひそめ「言いたくなかった理由が痛いほど分かったわ」と誰にも聞こえないよう呟いた。
 アンナが連絡していた相手はヤ・シュトラ。昨日昼、突然やはり暁に一切言わず隠し通すのは無理だと判断したのだと、リンクパール通信が鳴った。最初こそビックリしたものの、安全な場所にいるからしばらく籠る、5日経っても戻らなかったら石の家に顔を出すと約束させる。どうやら現れたくない原因は『グ・ラハやアリゼー、シドが怖い。ってことで時間稼ぎする』とのことなので何も言えず本日を迎えた。そんなに心配しなくても、と思っていたのだがまさかここまで面倒な人間の集まりになるとは予想外だとため息を吐く。
 シドは震えている。ジェシーは「だ、大丈夫ですか? 会長」と声をかけると勢いよく顔を上げた。

「少し、コーヒーを、飲んでくる」

 ふらふらと歩き去って行った。だいぶショックだったらしい、ヤ・シュトラは「重症ね」と再びため息を吐いた。

 自室に戻り、"発信機"を確認すると未だに光はない。推測になるが、身体が命の恩人に出会う前まで子供化したことで計測するための基準点がバグってしまったのだろう。余裕があり、毎日これを確認できていればネロの嘘に即気が付いたはずだ。多忙な所をものの見事に逆手に取られてしまった。どちらが提案したのかは分からない。ただあの"誘拐犯"と"イタズラっ子"を絶対に許すわけにはいかない、そう思いながらケトルで湯を沸かす。



 数時間後、イシュガルドにて整備を担当していた社員から連絡が来る。クルーズチェイサーから降りた見覚えのある背格好の男がヴィエラの少女を抱えて歩いていたという目撃情報だ。

「ああ蒼天街か。ここから近くて職人が集まる場所だし日帰り旅行感覚で見に行く可能性は確かにあるな」
「抱えて歩いてるとはこりゃまた優雅なものだな。完全にこっちにバレないと踏んでる」
「どうする? 早速回収しに行く?」
「まあ待て若者らよ。明日ゆっくり行けばいいじゃないか」

 エルファーは飛び出そうとする人間たちを止める。ヤ・シュトラも「私もそう思うわ」と笑った。

「逃げ足だけは速い奴らだ。じっくり捕獲装置を準備して行けばいい。イシュガルドにいるのがバレるバレないじゃない。―――2人は1日のんびり楽しみたい所だったが予定外に早く自らの状況がバレてしまった。なら開き直ってナイスバケーション続行とそのまま前日入りしたのかと思われる」
「最後の晩餐というものを楽しんでもらったらいいだろう。アンナも含めてな」

 冷静じゃないのは大人たちだった。やっぱりシドに文面だけでも送っておいた方がよかったのではとヤ・シュトラは外に出る。

「ねえアンナ、明日彼らが蒼天街に出没するみたいだからちゃんと反省文考えておくこと。特にすごくショックを受けて頭壊れてるシド相手よ?」

 と、手短にリンクパール通信を送っておく。顔を出したエルファーが声をかけた。

「我が妹に連絡したのかな?」
「あら、そうよ。何故貴方がここにいるかは聞かないけど―――伝言でも送る?」
「構わない。……朝にネロが『12歳ごろのアンナがどんな感じだったか』と聞いててな。それを思い出してから先程の若者らの反応で察したよ。あそこまでムキになる子たちはかつて集落にいなかったから恥ずかしいのかな? だからネロに頼ったかと思ったわけだ。妹からしたらあの男が一番複雑な感情が絡まない大人で厄介な会長クンを逐一監視できる相手だろう?」
「正解よ流石実の兄なだけあるわね」

 扉を閉じ、空を見上げていた。「しかし僕に一言なかったのが許せないな。もっと証拠隠滅できるよう立ち回ってやったのに。だからさっき煽ってやったのさ」とため息を吐き、腕組みをする。

「会長クンに声をかけなかったのは仕事の忙しさを加味してのことだろう? 実際昨日まで仮眠数時間で働き詰めだったしな」
「あと衛兵に連れて行かれるところを見たくないって言ってたわね」
「はっはっは。妹は優しいなあ」

 お堅い鈍感クンや若者たちには絶対に察せられない優しさだけどなと酷く落ち込むシドを思い返す。アンナもネロももっと人を信用してくれてもいいのにと顔を見合わせ笑顔を見せた。



「明日皆も蒼天街に来るって。皆で遊ぼう」
「はーコワイコワイ」

 イシュガルドの宿で髪を乾かしてやりながら引きつった笑みを見せてしまう。アンナはすっかりドライヤーを気に入ったようだ。最初こそ少々嫌がる顔をしていたがこれからは習慣付けるようになるだろう。この垂れ下がる耳を見られるのも最後だろうと思うと少し名残惜しいがそこは別に構わない。

「どういう顔して会えばいいのか。皆の反応が予想不可能。すごい態度してたら逃げそう」
「逃げてもいいンじゃねェか? 1回その素振りを見せたら反省すンだろ」

 目を丸くしてこちらの顔を見る。肩をすくめてやると笑顔を見せた。

「ちゃんとイヤなものはイヤと言わないと分かンねェだろ特にガーロンド」
「ん、そうだね。あ! そうだ」

 どうした? と聞くとアンナは満面の笑顔で"お願い"をしやがった。

「12歳って確か魔導院に入った頃だよね? シドとの出会いとかどんな喧嘩してたか教えてよ」
「思い出したくもねェ思い出なンだが?」
「じゃあ戻ってから超える力で見て拡散する。勿論シド目線も確認してからね」
「……話してやるからヤメロ。多方面に迷惑かけンな」

 それから子守歌がてら過去の話を嫌々としてやると笑顔を見せいつの間にか眠っていた。精神的に大人でも肉体は子供に引っ張られてンなと身体に触れるとひんやりと冷たい。「うわ冷てェ」とつい口に出してしまう。そういえばアパートでは冷房いらずだと思っていたがここはイシュガルドだ。薪をくべ、再び寝そべった。



 4日目。実質奇妙な同居生活最終日だ。
 目が覚めるとアンナはすでに起床し、着替えも終わっていた。珍しく少女っぽい服を着ている。ファットキャットのフードが付いたパーカーはこれから怒りに来る奴らにはよく効くだろう。

「ああネロサンおはよう」
「……おう。こりゃ馬子にも衣裳だな」
「一言余計」

 朝食を済ませ、適当に蒼天街歩き回ろうと話をする。アンナも少々気分は沈んでいるようで。そんなに会いたくないのかと聞いてやると「いやただただ面倒」と言うので笑ってしまった。仮にも仲間相手だろうに、聞いたら何人か崩れ落ちそうだと肩をすくめる。

 しかし蒼天街に入ってしまうとテンションは上がるもので。あの受付から復興用素材が採取できる島に行ける。定期的にピアノの演奏会があるんだと聞いた。素材や製作品の納品所や試しにくじ引き券の余りをもらい引いてみたりと一通りの体験を見せてもらった。
 現在は一角でアンナを抱き上げ一息ついている。タバコを咥えライターで火を点けようと思ったがポケットをまさぐっても出て来ない。ため息を吐いていると「そこでじっとしてて」と言われる。止まると「バァン」とタバコの先に指を近づけ火花が散り火が灯された。

「エーテルって便利だな」
「でしょー」
「それガーロンドにもやってンのか?」
「え? シドタバコ吸うの?」
「……アーそういやあいつ修羅場中にストレス溜まった時しか吸わねェわ。あとそもそもアレは電子タバコか」

 じゃあ一生見ることはねェなと言ってやるとへーと景色を眺めていた。相変わらず人に興味持たないなコイツと思い肩をすくめる。直後こちらへ走る気配を感じた。遂に来たか、と思いながら両手を上げる。

「タバコ終わるまでは待ってくれねェか」
「ネロ! お前……お前!!」
「休みをもらったのは俺だけだろ? お仕事はどうしたンだガーロンドォ?」

 うるせェなあと思いながら振り返ると暁のメンバーの一部とシドがいる。エルファーはいないようだ。それもそうか、アンナには公然の秘密にしているのだ、来るはずがない。

「ちょっと、アンナはどこかしら!?」
「ネロ、今ならまだ間に合う。投降するんだ」
「おいおい俺はお前らと違って何もやらないぜ? 一緒にすンなよ」

 一晩の間に彼らの中でどういう話になったのだろうか、ため息を吐き吸殻を踏みつぶす。

「おいメスバブーン」
「やだ」

 小さい声で嫌と言うが無視し首根っこを掴んで今の彼らを見せてやる。すると明るい顔をするもの、顔を赤くするもの、驚いているもの、そして泣きそうにしているシドの姿。アンナはしばらく彼らを無言で眺めるとファットキャットのフードを深く被りこう言いやがった。

「パパ、あの"お・じ・さ・ん"たち怖い」
「ア?」
「は?」
「え?」
「はいせーの」

 やりやがった、ため息を吐いた。強調までして重点的にシドを怒らせようとしている。これは交渉決裂ということだろう、2人でポケットに入れていた袋を取り出し、割った。
―――彼らの表情を確認する前に一面に煙幕がまき散らされる。「ネロサン、行こ」という声が聞こえたのでもうがむしゃらになって走り出した。一種のヤケクソになったアンナのキャハハと笑う声が響く。まあネロも笑うことしかできないのだが。大爆笑しながら逃げてやった。
 この煙幕は宿を出る前に説明を使用方法の確認の共有として聞いている。錬金術師ギルドでは煙幕のような幻影を出すものを作っていたらしい。人体に影響なし、短時間で消えるため屋内で使っても空気の入れ替えの必要もなく汚れない。そうつまり怒られないと輝く目で言っていた。やる地点で怒られるんだよなあでも面白ェと思っているので人のことは言えないが。

 多勢に無勢という言葉がよく似合う。シドが用意していた複数の捕獲装置でアンナごと捕獲された。数で追い詰めて来たガーロンド社の人間と違い、実力ありの少数精鋭な暁の血盟から逃げ去ることは流石に無理だと悟る。2、3発はネロ自身の運動神経とアンナの機転で避けられたがそれ以上は耐え切れなかった。シドの顔を見やると先程の泣きそうな表情から一転し、超怒っている。アンナはそれでいいと満足そうな顔で言っていてもうわけが分からない。代わる代わるの説教の時間かと思いきやヤ・シュトラが止める。向こうははっとした顔で一呼吸置き、口を開いた。

「ごめんなさい、アンナの気持ち考えなくて」
「お、俺もかわいいなって思って興奮してしまった。怖がらせたようで本当に申し訳ない」

 アリゼーとグ・ラハはあっさりと謝ったがシドはジトッとした目で睨み何も言わない。アンナは反省文、読むかぁと小さな声で呟く。

「ごめん、シド。5日目になっても姿が大人に戻ってなかったら皆の前に現れる予定ではあったよ」

 顔を見やると目を丸くしている。アンナはそのまま言葉を続けた。

「あまり人に心配させたくなかった。その辺り放任主義なネロサンが一番頼れるって私が判断しただけ。ネロサン悪くない。怒るなら私を怒って」
「む……」
「それにこーんなかわいい見知らぬ美少女をデレデレしながら連れ歩いて衛兵に不審者として連れて行かれるおじさんを見たくなかったし」

 耐え切れず笑いを漏らしてしまった。周りも笑いを堪えているようだ。シドは「そ、そんなことにはならん」と言っている。「ほらシド、もう逃げないから」と網の中でモゾモゾと動いている。大人しく言う通り網を切り、アンナは伸びをしながら立ち上がりシドの手を握った。一瞬目が点になった後笑顔を見せている。何も言わず手を振りほどきながら足を踏みヤ・シュトラの方へ向いた。

「あ、ヤ・シュトラありがと」
「ええ何とかなってよかったわ。やっぱり身長と声のトーン以外はそんなに変わらないわね」
「内面まで子供になれる薬は時間を戻すレベルだね。そんなの誰だって欲しがる」

 落ち込むアリゼーとグ・ラハの所に小走りで向かい、笑顔を見せている。

「ほらもう怒ってないし怖くないから」
「アンナぁ」
「ごめんなぁ」
「アルフィノも一緒に遊ぼ」
「ああ、私も蒼天街はゆっくり見てみたかったんだ」

 これで奇妙な日々も終わりだ。こっそり引き上げようとするとシドに引き留められる。

「ア?」
「聞きたいことがあるんだが」
「なンだよ」
「何もしてないよな?」

 ガキでバブーンにゃ興味ねェお前と一緒にすンな! と一蹴してやる。シドは目を丸くしてから「俺だって子供に何かするような趣味はないぞ失礼だな!?」と口を開く。
 その時悲鳴のようなアリゼーの言葉が聞こえた。

「え! あなたネロと一緒のベッドで普通に寝てたの!?」
「床痛いし普通にスペースあるからいいじゃない」
「いやいやそれは流石にシドが怒るだろ」
「シドは優しいから怒らない。……冷房いらずで便利って。起きる時大体抱き枕状態で抜けて朝の日課こなすの大変だったけど」
「……ネロ?」

 何も言わず走り出す。シドは必死の形相で「お前他に何もやってないだろうな!?」と言いながら追いかけまわしている。そう、アンナはこちらから秘密にしておけと言わない限り絶対に全て喋るオープンな女だ。完全に油断していた。やっぱりあのバブーンなんて大嫌いだと顔をしかめ「メスバブーンテメェ覚えとけよ!?」と叫んだ。

その2へ戻る // その4へ続く。


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#ギャグ

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注意漆黒以降暗黒騎士の力を手に入れた自機と影身フレイの短編3本立て  …

漆黒

#シド光♀ #フレイ

漆黒

ウサギは影と踊る
注意
漆黒以降暗黒騎士の力を手に入れた自機と影身フレイの短編3本立て
 
"英雄"
「逃げたくないのですか? 英雄という枷から」
「フレイ」

 目を開くとひょろりと長い影がアンナを見下ろしている。どうやら自室のソファで寝落ちしていたらしい。決してその顔を覆うバルビュートを外さない彼の者フレイは主の答えを待つ。

「何度も逃げようと思ったさ。でも今が一番楽しい」
「楽しい、ですか」
「そそ。辛いこともあったし、苦しかった時もあった」

 脳裏に浮かぶのはこれまでの旅路。英雄と呼ばれるようになり数々の陰謀に巻き込まれてきた。しかし"運のいい"彼女はいつも差し伸べられた手を握りしめ走り続ける。フレイは未だにその姿が不安に思っているのだろう、安心させるかのように優しく語った。

「でも何も目的もなく嫌な目で見られながら旅をしていた頃に比べたらマシさ」
「……それはあなたが手にしてしまった力のせいですか?」

 手にしてしまった力、それは命の恩人に教えてもらった"無駄に強い"もの。そもそもそれが原因で悲惨な目に遭い、"鮮血の赤兎"と恐れられた時期もあったのだ。フレイはそれを言いたいのだろう、アンナは笑う。

「そうだよ。でもこれは人を護るために教えてもらえた唯一無二のものなんだ。誰にも否定なんてさせない」
「そう、ですか」

 フレイは洗練された動きで跪き、寝そべるアンナと同じ視線で見やる。アンナはクスリと笑いそのバルビュートの口元に手をかけるが大きな手で阻まれてしまう。ケチとボソリと呟くと金色の双眸を細めながら額を指で弾かれた。

「いけません。あなたには見せられない顔な故」
「いいじゃん減るもんじゃなし」

 唇を尖らせて不満を言う様にクスリと笑う声が漏れていた。直後アンナを抱き上げ、ベッドに優しく落とす。一瞬驚いた顔を見せたがすぐにいつもの余裕のある笑顔を見せた。

「あなたが英雄であり続ける限り、"ボク"もあなたと共に戦いましょう」
「ええ。折角闇と向き合おうって決心した成果なんだから地獄の果てまで付き合ってほしいね」

 おやすみなさい、とフレイが言うとすぐにアンナは目を閉じ、寝息を立てている。クスリと笑い声を漏らし寝台から離れ、ドレッサーの前へ立った。その眼を閉じてバルビュートを脱ぎ、その顔をじっと見つめるように開いた。

―――長い銀色の髪に青色の目。左の目元に傷があり、長い耳を揺らした男はため息を吐いた。

「おぬしの闇、ということは"私"が出て来るのも仕方のない話」

 自らと溶け込んだ"フレイ"、そして主人格である"アンナ"と同じ笑みを浮かべ、眠る赤髪の女をじっと見つめた。

「地獄の果て、か―――そこへ行くのは"私"だけでよいのだ、エルダス」

 再びバルビュートを被り、闇に溶け込むように消えた。

 
"修練"
―――影はどんな武器も扱うことが出来た。

「うーフレイ強すぎ」
「あなたがまだ未熟なだけですよ、アンナ」

 フレイは暗黒騎士の影でありながらも数々の武器を"影"で作り出し、修練に付き合ってくれた。稀にリテイナーのアリスも手伝ってくれるがやはり自分の影で殴り合える方が楽しい。と思っていた。自分の影なら実力が互角になるというのがお約束だろうにフレイの方が圧倒的に強くあっという間に転がされる。両手剣も、斧も、双剣も、刀や槍でさえ勝ることはない。息一つ乱さずその金の目で確実にクセを読まれ弾かれる。一度勝ったはずの相手なのに、自分と混じり合った影響で余計に強くなるなんて予想外だ。

「手加減しろー」
「しています」
「その武器の射程減らせー」
「本番に弱くなりますよ」

 重そうな鎧と視界が狭そうな兜を被っているくせにどうしてそんなにも軽やかに動けるんだとアンナは悔しがる。
 しかし裏返すと共に戦う時は心強い味方になるということだ。

「ほらもう今日はもう終わりにしましょう。2時間ぶっ続けは疲れましたよね?」

 そして程よいタイミングでこうやって自分を甘やかす。勝てないな、そうアンナは苦笑を浮かべた。

「今日は何を食べようかな」
「蕎麦とかどうでしょうか?」
「もーフレイ本当に蕎麦好きだね。天ぷらと食べようか。今日シド来る予定なんだよね」
「……"ボク"の分はなしと」
「フレイどの道私の前じゃ食べないじゃん。おにぎりと一緒に置いとくから夜中に食べて」
「寿司にしてください」
「はいはい」

 フレイは東方料理が気に入ったらしい。食事は特に必要ない性質らしいがやはりあると意欲が上がるようで「美味しいですよ」という言葉を聞いていて楽しい。
 兜を脱ぐからかアンナは食べている所を見たことはないが。気が付いたら空になった食器があるのが日常である。

「いつか一緒にフレイとご飯食べたいな」
「考えておきますよ」

 こう言う時は大体考えるポーズを取るだけなのは知っていた。まるで「努力しよう」と言うシドのようだと頬を膨らます。自分よりもすらりと高い影を見上げ、鎧を小突いた。

 早々に仕込みをし、デスマーチで疲れたシドを迎える。側に置いてある3つ目の皿に首を傾げる男をケラケラ笑いながら夜は更けていった。
 深夜、2人が寝静まると影は音を立てず形を作り暗闇の中食事を摘む。バルビュートの口元を外し青色の目を細めながら幸せそうに笑うアンナの顔を浮かべ、再び闇に溶け込み消えた。次の日、寝る前はあったはずの天ぷらが消え慌てる何も知らないシドに「夜食はダメ。太るよ?」とからかい笑うアンナの姿があった―――。

 
"浮気?"
「アンナが見知らぬ男と鍛錬してた?」

 シドは大きなため息を吐いた。整備帰りの社員が偶然飛空艇の上から見かけたらしい。全身甲冑を纏った長細い男と思われる人間と戦っていたのだという。見た所、喧嘩や殺し合いというわけでもなくアンナが斬りかかっては弾き飛ばされ転がされていたという話はにわかには信じがたい。あの負け知らずのアンナが、見間違いではないかと言うが間違いなく黒髪赤メッシュヴィエラ女と聞くと本人だろう。まさか今になって何も言わず他の男の所に行くとは思えないが、また変なことをしている想い人にため息しか出ない。試しにリンクパールに繋げてみる。

『もしもし』
「アンナ、今いいか?」
『何か私の力が必要になる変な仕事でも?』
「いや、最近お前さん修行でもしてるのか?」
『―――あー』

 どこか歯切れが悪い。息も少し上がっている気がする。

『してないしてない。ごめんちょっと用事思い出した。切る』
「お、おいアンナ!」

 プツリと切断される。怪しい。

「なあレフ、アンナが何か怪しいのだが」
「また喧嘩でもするのか?」
「そういえば先日飯食いに行った時も変だった」

 1人分余分に作られ、目が覚めると無くなっていた。おかしいと思わないかと言うとレフは肩をすくめネロは爆笑している。

「寝ぼけてどちらかが食ったでなければネズミでもいるんじゃないか?」
「ネズミ」
「ケッケッケッ、いやあ分かンねェぞ新たなバブーンでも拾ったンじゃね? ヒトじゃなくてガチモンの野生生物をな」
「お前たち人の不幸を面白がってるんじゃない。というかそこらの生物に天ぷらを食わすわけないだろ」

 とりあえず本日最終便でリムサ・ロミンサに行くかと拳を握る。



「フレイ、シドに察されたかも」
「言えばいいじゃないですか」
「まだ遊べる」

 アンナはリンクパールを切った後自らの影と対話する。鍛錬の合間にかかってきて平静を装うのも疲れたと座り込んだ。

「妙な勘違いされて痛い目を見るのはあなたですよ? アンナ」
「むーそうなんだけどどう説明すればいいのかも分からんね」

 闇と向き合いもう1人の自分が影身として具現化し、それと修行をしていますなんて言える? と聞くとフレイは肩をすくめた。

「"ボク"だったら呪術士の元に連れて行くかもしれませんね。マハで妖異にでも憑かれたかもしれない、助けてほしいと」
「ほらー!」
「はい休憩は終了です。続きを始めましょうか」

 フレイはアンナから欠けていた感情である。"無名の旅人"として負の感情を触らないようにし、斬り払うように奔り別の世界までも救った。
―――きっかけは護ると決めた男だった。英雄という道を作ってくれた白い星と一度次元の壁に隔たれた時のお話。"それ"が牙を剝き、蹂躙する光と共に襲い掛かって来た情景を思い出すだけで未だに身体が震えてしまう。もうそんな弱さを露呈させるわけにはいかない。だからどこか懐かしさも感じる男に、今日も刃を向け、その不安を落ち着かせるため修練を重ねる。
 溢れ出した感情に引っ張られた"力"が"また"誰かを傷つけるのではないかと手が震える。―――自分が使う"力"がまだ大切な人たちを傷つけたことがないはずなのに、不安が襲い掛かるようになった。何度も護ると決心した人間までも傷つける夢を見るようになり、目が覚めた後何度も小さな声で謝る時もあった。そんな時にエーテルで補強された長細い影のフレイが現れ、修練に付き合ってくれるようになる。そうだ、英雄であるために、また弱さと向き合うために。アンナはシドにも秘密にし、その剣を自分より頭一つ位大きな自らの影に振るう。"内なる存在"とはまた違う相棒という存在が、久々にアンナの心を滾らせた。
 ニィと笑い、腕に力を集中させる。

「ああ、私はまだやれるさ」
「ええ、あなたの全力を"ボク"に見せてください」

 空気が震え、赤黒い光を抱きしめる。怒りも、この護るという意志も全て、自分のものだと飲み込みながらその力を穿った。

「あーご主人らやってんねぇ」

 1人と1体に悟られない距離まで離れた場所。白衣を纏った金髪ミコッテの青年は、カラカラと笑いながらスコープを覗いている。アンナのリテイナーであるアリスはそのエーテルの塊である影を凝視しながら呟いた。

「イシュガルドの暗黒騎士ってやつァよく分かんねぇな。ちと調べて今後の参考にすっか」

 2人の歪んだ"家族団欒"(修行)を邪魔するわけにもいかねぇしよ、と踵を返し、掘り出し物探しへと走り去っていった。



 シドは貰った鍵を回し、扉を開いた。既に真っ暗で寝息が聞こえる。珍しくもう眠っているらしい。少し遅い時間だったが、思えば一言も連絡なしで来たのだから何も準備されていないだろう。
 連絡を交わしてから全く集中出来なかった。レフが手回ししたのか、きちんと飛空艇の最終便へ間に合うように帰らされる。明日は朝一の便で行けば大丈夫だろうと感謝しながら軽くため息を吐いた。
 椅子をアンナの前まで運び座り見つめる。そして頬に手を近づけた瞬間、「もし」と声をかけられた。アンナと自分以外誰もいないはずなのに、だ。

「レディの寝込みを襲いに来たのですか? なかなか大胆なことで」
「っ!? 誰むぐ」

 真っ黒なガントレットがシドの口を塞ぐ。見上げるとひょろりと長い全身鎧姿のヒトが口元に指を当て見下ろしていた。明らかにアンナよりも背が高く、輝く金色の目が少しだけ恐ろしく見える。

「"ボク"だってあからさまに不審な態度で連絡を切られたら、その日のうちに様子を見に来る。申し訳ございません。"我が主"はどう説明すればいいのか、悩んでいただけ」

 まあまだ遊べるとも言っていましたがとくすくす笑う男の声に眉をひそめた。

「お前は、誰だ」
「フレイとでもお呼びください。"ボク"はアンナの影、闇が具現化したもの。所謂アンナの弱さ、"負の感情"」
「何を言っている。アンナは弱くないが」
「そうとしか説明が出来ないのですよ。あぁ既に表舞台から去った存在たちとも言えますね」
「……こいつは"また"厄介なやつに絡まれているってことでいいか?」
「新たな力を使いこなすための修行中、と言ってほしいですね。兎に角あなたの敵ではないということだけ分かっていただいたら幸いです」

 のらりくらりと自分の質問を躱す姿に頭痛がし、少しだけ眉間に皴が寄って行く。

「もしあなたに危害を与えてしまうと、"我が主"が怒ってしまいますからそんな目をしないでください。殺意を持たれたら、手が出てしまいます」

 フレイと名乗った男は跪きシドの手を優しく握りしめた。先程まで怖く感じた金の双眸が細められ、じっと見つめる様にどこか懐かしさを覚え少々緊張が解けていく。

「"ボクたち"は"我が主"の心の壁を壊し、氷を融かしたあなたに感謝しています。だからどうか、これからも末永く、"この子"を頼みたい」

 返事を返す前にそれは暗闇の中に溶け込み、消えた。顔が熱い、そう思いながらコートを脱ぎ頭を冷やすためにシャワーを浴びに行く。「俺は、疲れてるんだな」というボヤキは水音でかき消された。

 シドがシャワー室へと向かい数刻後、再び影は形を作った。バルビュートを脱ぎ不器用な笑顔でその先を見つめている。

「確かにあやつの言った通りか。エルが複雑な感情をもつわけだ」

 男の目に宿っていた星のおかげで"圧倒的な力"に怯えず前へ進む"主"の髪を優しく梳き再び溶け消えた。直後、シドはブランケットで髪とヒゲを乾かしながら現れる。寝台で眠るアンナの横に座るとふと腕を掴まれる。

「し、ど?」

 半覚醒状態のアンナがとろんとした目でシドを見ている。

「ああ起こしてしまったか?」
「ん、だいじょーぶ」

 まだ寝ぼけているようだ。普段だったら「何でいるの!?」と驚くだろうに。ここにいるのが当然のような動きを見せているのが少し面白かった。

「ねえ、はやく、寝よ?」
「ああ俺もちょうど疲れてたんだ」
「ん、おやすみなさい」

 心の中で浮気ではないようでよかったと安堵する。冷たい身体を抱き寄せ、目を閉じた。



 いつもの起床時間だとアンナは目を覚ます。何だか身体が重いとその腕を掴んだ。

「……腕?」

 視界は肌色。飛び起き、隣を見ると寝る前にいなかったはずの男が眠っている。記憶を呼び寄せてもトップマストの一室に来るという連絡は受けていない。アンナは首を傾げ、まずは日付を思い出す。間違いなく休日ではない。ということは朝一の便で帰るということか。
 時計を見やり、「こっちに来る時は事前に連絡!」と言いながらゲンコツを入れるとシドは情けない声を上げながら目を開けた。

「ああすまん。お前さんがまた変なことしてるのかと思うと居ても立っても居られなくなってな」
「寝ぼけて変なこと言ってる? 軽く朝食作ってあげるから遅刻しないでね」
「ん、ああ勿論」

 言ってくれれば晩飯も置いといたのにとボヤきながらエプロンを付けキッチンへ向かう。シドは「日中用事があるって一方的に通信を切った人間の言葉じゃないな」と目をこすりながら着替えを手に取った。

「それで? アンナ、俺に『まだ遊べる』って隠していることとかないだろうな?」
「……ナイヨ?」
「いつか話すんだぞ。苦しみも全て、一緒に背負うって言っただろ」
「―――分かってるつもりさ」

 ジトリとした目で睨むシドから目を逸らし、焼いたパンをいつもより多めに押し付ける。一連の動作に子供かと思いながらコーヒーを啜るのであった。


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#シド光♀ #フレイ

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ここ数ヶ月でノートしたメモlog  アクセの話星芒祭ネタのやつで設定上…

メモ

#log

メモ

ioで呟いたアンナ概念(今後書く予定もあるしSSにしてるやつもある)2
ここ数ヶ月でノートしたメモlog
 
アクセの話
星芒祭ネタのやつで設定上はアイオライトがあしらわれた髪飾りをシドから貰って完全に1人旅の途中は付けてるよって設定になってる
メインストーリー中は落としたり壊れたら嫌だから外してる

アイオライトの石言葉が「道しるべ」「誠実」って感じで
お話上ではその辺り考えずにあげたけど自機は即気付いて嬉しいって思ってるよって感じ
 
SかMか
普段の行動やら戦闘方法やら見てるとそういう枠組みが存在しないかSと思われがちだけど実際はMですねえ
アンナも自覚は無いけど相手からは把握されてる感じ
 
絵心(ピクトマンサー話題の時に)
そんなに嗜んでこなかったから多少旅の記録として発見した珍しいものや構造物をスケッチする程度
地図書く腕はありません
 
ギャザクラ
何でも出来るよって感じに上げてますね
料理が一番得意
1人で生きていけるからってアピール
50年以上迷子でサバイバルしてたんだから料理とギャザラー要素とあと木工革細工くらいはできるに決まってるよなあって感じで
そのスキルは現在イタズラ装置を作るのに役立ててます
 
守る守られる
お互い守ってもらってるなあって思ってるよ
そりゃ人やシドから見たら圧倒的パワーで自機が守ってるって感じだけど自機は「彼の作った道に守られて進んでるだけだよボクはね」って笑顔で言うよ
 
ジョブの話
まず、自機の後付けで付けた森の名は『フレイヤ・エルダス』で
エルダス(Eldur)とはアイスランド語で火という意味なので生まれ故郷は森の中にいながらも火を重んじている部族なんですよ
だからそういう魔術への理解も早いんですね
だから魔術系ジョブはヨシとしています

竜騎士というか槍術士が育成遅れたのは、「『鮮血の赤兎』時代が槍持ってたのですぐに高揚して殺意漏れるから過去バレしちゃうと怖がっていた」という後付け設定を作ったんですね
暗黒は、前にノートしたけど迷子になるから闇が嫌いという事で理解が出来なかったけど、漆黒終わってから「ずっと明るくても迷子にはなる」と少しだけ向き合うようになったんです
そういう意味ではリーパーも一緒

逆に侍がメインジョブなのは、何も考えずに森を飛び出して行き倒れていた所助けてくれたのが侍なヒゲのおじ様だったからですね
憧れの命の恩人みたいに刀を振るい人助けしたいと思い手に取ったわけです
殺意溢れる気迫はこのおじ様から受け継いでいます
ゴウセツ氏はその侍のおじ様を知っており、時々溢れる気迫が似てると指摘されます
ウサギは照れてますっていう設定

要するに、紅蓮辺りまでは槍以外はどの武器も慣れてないからその辺りの冒険者と変わらないよーっていう無害アピール
つまりメインでボロ負けするのは一種の舐めプという後付け設定
 
自機の脳みそ(Y談ビームから派生)
そもそもY談内容は自分と一切結びついていない脳筋野生生物なのでへーこういうのがあるんだってねーすごいね人体って思ってるよ
だからああいう物語になっちゃうんですね

自機の影響された環境が
リンドウ(20年旅してた)>アリス(15年程度会ってた)>里(14年過ごした)>>>>エルファー(合計1年も一緒にいない)
なのでお兄ちゃん可哀想
 
内なるやつ関連
内なるやつとフレイくん的なポジションになるやつは違うヤツです
先に言っておきます内なるやつはまじでお前なんなんだよ!ってなりますなりました
 
戦い方教えて!
アンナ「右腕に戦うぞパワーを溜めてそれを刀に込めて力にしズバッといけば一撃必殺」
リンドウ「全身に戦うための力を溜めそれを刀に込めて振りかぶれば一撃必殺だ」
ア・リス「こうやるぞ!って腕にズバーンってやってドン!っとやればいいんだよ!こんなもんフィーリングだ!」

エルファー「(こめかみに指を当て震えている)」

リンドウ「では今から出て来たモンスターを使って解説しよう。まず貴様が持っている武器の間合いからだが(くどくど)」
ア・リス「んなもん考えなくても俺様の秘密兵器を使えばな!」
エルファー「吊るして燃やせばいいだろ」

リンドウ(アンナの命の恩人で師匠)は努力で強くなって更に大ドーピングした人間なので各モンスターやら人の特性を理解した上で理詰めも出来る感じ
アンナはそれをそのままそっくり暗記してるから無意識にやるから脳筋解答になる

エルファーは吊るして燃やせばいいって思ってるしア・リスは色々荒らした"成果"でモノを作ってるからそれ使おうぜーお代はお前の命なーって冗談混じりで言う
 
アンナはメスバブーンとか野生生物かって言われたら実はちょっと違うんだよね
武器の特性とかも含めて全部理解させられた上で事故で死にかけたアンナの命を救うため仕方なくリンドウと同じ大ドーピングされたからただの人間兵器なんだよね。

#log

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注意漆黒以降の自機が子供化したギャグ概念。ネロ+光♀(シド光♀前提)その1から読…

漆黒,ネタバレ有り

#ギャグ

漆黒,ネタバレ有り

旅人は子供になりすごす-2-
注意
漆黒以降の自機が子供化したギャグ概念。ネロ+光♀(シド光♀前提)
その1から読んでね。
 
「というわけでシドにアレを言うのと、昼に報告よろしく」

 と、この小さくなったバブーンに見送られた。
 2日目、目が覚めるとすでに朝飯が作られていた。早起きなンだなと欠伸をすると「脳内アラームによって毎日同じ時間に起床する」と淹れたコーヒーを渡される。よく分からないので脳の隅に追いやった。そしてどこぞのおぼっちゃんと違って気が利いて旨いと思いながらフルーツを摘まむやつを観察した。

 ガーロンド社に到着すると裏で起こっていることを片鱗すら気付いていないシドと傍から見たら軟禁状態なアンナの兄エルファーが腕組みして待っていた。「サボリと犯罪はよくないぞ」と肩を叩くエルファーと「違うと信じたいが今日はちゃんと働けよ」と不味そうなコーヒーを啜るシドに「保護者か」と言いながら通り過ぎる。
 と、忘れていた。準備に時間をかけるガキに渡された原稿を読み上げる。

「ガーロンド、そういや昨日抜け出した時にメスバブーンがいたンだわ」
「は? お前アンナに会ったのか。どこで」
「モードゥナ近くでな。1週間程度各所で引き籠ってサプライズの仕込みすっから連絡も出来ねェってよ。スキップしながら去ってったな」
「まーた妹は変な企んでる。すっかり平和だな」

 片や勘弁してくれとため息を吐き、片や鼻を高くしている。両極端の反応にそうはならンだろと思いながら「ンじゃあな」と手を上げ去ろうとする。しかしシドの一言で足を止め、顔をしかめてしまった。

「ネロお前香水でも変えたのか?」

―――数時間後。

『こわー。前に小説で見た。浮気に敏感な面倒な彼女みたいなやつじゃん』
「ちッたァ冷や汗かいた俺の身になンねェのか?」
『コートに匂い付いちゃってたんだねえかわいそうに。色んなトコに寄ったし混じってボクと繋がらなかったのは奇跡かな。というかそこまで気付いたのに……。致命的ミスしたねぇシド』

 片隅でコーヒーを啜りながらアンナへリンクパールで声を潜め報告すると滅茶苦茶笑われた。『多分ボクがいつも色んな香水付けるからムダに嗅覚がよくなってる』と何かを弄る物音と共に聞こえる。心臓が止まりかけたンだぞと言うと『万が一バレてもそこまで怒らないって』と警戒心無しに答えた。そんなわけがない。この女は知らないだけで今の状況を把握されたら十二分にキレる。ついでに兄にも吊るし上げられる未来が見えた。
 しかし今日は一層周囲の視線が痛い。昨日手紙で煽られるがまま抜けたのは流石にマズかったか? と思ったがどうやらそうではないらしい。午後、ジェシーの言葉で再び突っ伏す羽目になる。

「昨夜あなたが小さい子を連れて歩いてた目撃情報あったけど遂に子供を使った人体実験でも始めたの?」
「ンなわけねェだろ!? まさかそれで変な目で見るヤツが多いのか? 急用終わらせて帰る途中に迷子のガキを見つけたからロウェナ記念会館に連れてったンだよ」

 アンナが準備していた『誘拐疑惑とか湧いてたらこれで大体誤魔化せる』という原稿を読み上げる。役に立ってよかったがまさか子供という実験生物を捕まえた疑惑まで出て来ていたとは予想外だ。さすがにエルの友人だった男と違いそこまで倫理観は死んでいない。―――傍から見るとそう誤解されてもおかしくない状況かもしれないのだが。あらそうだったのごめんなさいというジェシーに「とンだ酷い疑惑だな。てか誰だよ拡散したヤツ。社内の誤解解いとけ」と吐き捨ててその場を後にしながら『まさか朝2人が待ち構えてた理由はこれか?』という悪寒を捨てる。



 ラストスパートだと書類に押しつぶされたシドを眺めつつ定時退社を決める。こんな状態じゃ絶対ガキになった女の面倒は見られなかっただろうなと鼻で笑いラスボス(エルファー)に捕まる前に帰途についた。
 欲しい物はあるかと連絡を入れると『暇をつぶす本があればいい』と返って来た。適当に書店を物色していると赤髪のミコッテとばったり会ってしまう。

「ネロじゃないか」
「元気か?」
「ああ。アンタも元気そうでよかった」

 適当に会話を交わしながら小説を選んでいるとふと思い付く。暁にも言っておく方がいいな、と。

「なあ、ガーロンドから聞いたんだがメスバブーンがな―――」
「メスバブーン……? ああアンナのことか! そういえば日中連絡しても出なかったから気になってたんだ。アンナは何をしているのだろうか?」
「……ガーロンド含めてお前らにサプライズを準備すっから1週間位連絡すンなってよ」
「それは本当か!? アンナはイタズラが大好きで俺たちにもやってみたかったって書いてたんだ。とても楽しみだよ!」

 グ・ラハ・ティアという男は時折何言ってるか分からない時がある。どうやらこちらが把握していないアンナの秘密を知っているようだ。
 ありがとうと明るい声で去って行くのを見送り、シド名義で領収書を切ってから帰宅する。

 扉の前に立つといい匂いがした。すでに料理の準備をし、ほぼ終わっているようだ。よう飯作ってンのか、と覗き込むと「おかえり、味が合うか分からないけど」と笑顔を見せている。ふと背が低いからか、無理やり椅子の上で料理していることに気付いた。明日は踏み台でも持って帰るかと思いながらコートを脱ぎ捨てる。

「そういやグ・ラハに会った」
「へー」
「お前に用事あったみたいだぞ。ガーロンドとほぼ同じこと言っといたぜ」
「さんきゅ。そっかあマジで準備しておいてよかった」

 飯はそりゃ美味かった。森育ちのバブーンのことだ、質素な肉食事でも出されるだろう。―――と思ったら味付けもしっかりしているし魚の焼き加減もバッチリだ。普段狩りも多いが人生の4分の1程度は東方地域で旅していたので東方料理が得意なのだという。複数の社員共が餌付けされている気持ちは分からなくもない。
 この後ドライヤーで耳が垂れ下がる風景を眺め、昼にカチャカチャ言わせていたものの正体を見せてもらう。ゼンマイで動く機械仕掛けのウサギだと語った。まだ完成はしていないらしい。

「最終的に跳ねる。でも今やったら多分壊れる」
「昨日のパーツはこれか」
「そそ」

 量産射出と不穏なことを言っているがスルーしておく。このガキはどこまでシドをキレさせたら気が済むのだろうか。「俺までそのクソみたいな野望の巻き添えにすンじゃねェぞ」とだけ言い寝かしつけた。



 シドは伸びをし倒れ込む。最近は忙しくて仮眠室で眠っていたが一段落ついたということで久々に自室の寝台で寝そべった。
 アンナは元気だろうか、軽くため息を吐きながらろくでもない仕込みをしている姿を想像した。きっと相当ウキウキしている。ふと近くにあった"発信機"に手を取った。これは命の恩人(リンドウ)の子孫から譲り受けた"アンナを指し示す装置"だ。仕掛けは不明だが近付くほど光が強まり遠くなるほど小さくなる。気になった時はこれでどのギルドに籠ってるか推測し、イタズラのジャンルを絞り込むのが習慣と化していた。そうでもしないと心の準備が出来ない。

「……第一世界にいるのか?」

 意外なことに発信機は真っ暗である。光がないということは死んだか別世界にいるということだ。ギルドに籠って作業していると聞いている。これは相当怪しい。何かがおかしいが確かめる術はない。きっとそのイタズラ材料の仕込みをあっちでしているのだろう、ということにして目を閉じた。



 3日目。

「ネロは疲れているのかもしれない」

 会長室にて数人集まりここ数日で起こっているネロの奇行について話し合っていた。シドは一晩中考えた結果、ネロが見たアンナは幻覚かもしれないと判断している。意外なことに集まった人間たちも納得した様子で相槌を打った。

「一昨日突然早退してから様子がおかしいですよね」
「子供を誘拐したんじゃないかとこっちもあらぬ疑いかけて申し訳ないことをしたと思っているが……」
「さっき工房に籠って放置されていた台を調整してたッス!」
「確か『部屋の模様替えで届かねェ場所があンだよ』と言ってたな」

 シドはしばらく考え込み、結論を付けた。

「よし、今の案件も一段落ついたしネロに休暇をやろうと思う。ジェシーもうあいつを帰らせて明日丸1日休めるように調整頼めるか?」
「そうですね、ネロは相当疲れてるみたいですし早退させましょう」
「ふむ、何かさっき妹の子供時代の話を聞いてきたな。―――最近休みなしだったし僕も色々頼りすぎてしまっていたようだ。反省しよう。よし反省会終わり」

 こうしてネロは無理やり休みを取らされることになった。だが、彼らの目からしたら不審な動きをしている男の真相をまだ知らない。



 部屋の前に立つと案の定我慢出来なくなったのか罠が仕掛けられていた。ため息を吐き懐からツールを取り出す。慎重に罠解除し、扉を開けてやると「あー!」と悔しがるアンナがいた。「残念だったなァ。俺はガーロンドと違って素直に引っかからねンだよ。次やったら会社に引き摺ってくかンな」と笑いながら持ち帰った踏み台を見せると一転して明るい表情を見せている。

「ていうかネロサンめっちゃ帰って来るの早い!」
「なンか気持ち悪い笑顔で肩を叩かれて帰らされたンだ。疲れてるんだな、明日も休めってよ。ったくお前がガキになってからどいつもこいつもオレ様を哀れな目で見てくるンだ。ってオイ、今日の料理当番は俺だろうが」

 腑に落ちないだろ? と言う姿をアンナは目を丸くして見ている。しかしよっぽど嬉しかったのか早速渡した台に乗り料理の続きへと戻った。流石にこの時間に帰って来るのは予想外だったようで。ふとテーブルの上を見やると設計図が書かれた文字が滲んでいる書物と小綺麗なウサギが完成している。試しにゼンマイを巻いてみると不規則にピョンピョンと跳ねていた。

「どういう考え方をすれば早退して休めってなるか理解が出来ないねえ」
「だろ? でもなァいきなり休暇貰っても何もやることがなくて暇だぜ?」
「じゃああそこ行く?」

 どこだよ? と聞くと目を輝かせてこう言った。

「蒼天街!」

 イシュガルドにある復興区画だったか。職人や冒険者たちの手によって急速に進んでいるという噂は聞いている。

「色んな技術とかイベントが楽しい。どう?」
「軽い休日の日帰りで行く場所としてありだな。ま、そろそろお前も外で遊びてェってやつか」
「そそ。ストレッチだけじゃ身体がなまっちゃう。じゃあ準備して」
「おいおい早速か?」

 前日入りしてゆっくり休んだ後丸1日使う方が有意義でしょ? という言葉にナルホドねェと返した。飯食ってから出立するかという話をしながら荷物をまとめる。

「イシュガルドまではとりあえず先日乗ったロボでいい?」

 あのロボット気になってたンだよなとニィと笑う。寒いからと防寒着を着込み、保温ポットにコーヒーを淹れ片手間で摘まめる物を袋に詰めた。腹ごしらえに作っていた料理を食べ、外に出る。
 この機械はクルーズチェイサーというらしい。「イディルシャイア周辺で出会った青の手が繰り出した機械兵器を騎乗用に改造してもらった」と呑気なことを言っている。どさくさに紛れて何しているんだこのガキと思いながら乗り込んだ。

「ナイスバケーションへ出発しんこー!」
「ヒヒッ最高だなァ!」

 ゲラゲラと笑いながら形態変化したロボットがレヴナンツトールから飛び立った。



―――一方その頃。シドはネロが休む分の仕事をエルファーと共に黙々と片付けていた。
 そこに暁の面々が慌てた様子でやって来る。

「シド! アンナの容体はどうなっている!?」

 アルフィノの言葉に首を傾げた。なぜ今アンナの話題が出て来たのか、心当たりがない。珍しく賢人たちが揃っているものだからぽかんとした顔を見せてしまう。しかしすぐに手元に視線を戻しながらため息を吐いた。

「アンナは相変わらず俺にやらかすために各所ギルドで仕込んでるから連絡ついてないらしいぞ」
「そうかシドもそう聞いてるんだな」
「俺、も?」

 作業の手が止まり、再び顔を上げた。グ・ラハは怒らないで聞いてくれよ? と言いながら先程やって来た人間から聞いた話をする。

「実は錬金術師ギルドで手が滑って錬金薬を浴びてしまったらしい。秘密にしてとは言われたが心配になったと使いの者が来てこっちは大騒ぎさ」
「は? いつ?」

 シドは目を点にし尋ねる。何を言っているのか、理解が追い付かない。アリゼーは軽くため息を吐きながら報告内容を話した。

「事故が起こったのは2日前よ。昨日アンナは私たちへのサプライズのために引き籠ってるってあなたから聞いたって話があったから来たの。その様子じゃあなたも何も知らないみたいね」
「……俺も昨日聞いたぞ。ネロからな」
「そうか―――俺もなんだ。偶然書店で鉢合わせしたネロに言われてさっきまでワクワクしてた!」
「ねえネロはどこにいるのかしら? まだ工房とかにいたりする?」

 シドは眉間に深く皴を寄せ黙り込んでいる。隣にいたエルファーは代わりに口を開いた。

「最近ネロの様子が不審で。疲れてるのかと思って数時間前に帰らせた。ついでに明日1日休み付き」

 暁の面々は驚いた顔を見せている。リンクパールに震える手を当て連絡先を指定し、呑気な『どうした?』という声が聞こえた直後叫ぶ。

「ネロ!! お前今どこにいるんだ!?」

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