FF14の二次創作置き場

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No.127

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 4日目。「ネロは疲れているのかもしれない」 社長室にてシドをはじめとした面々が…

漆黒

漆黒

旅人は子供になりすごすfull―4日目―


 4日目。

「ネロは疲れているのかもしれない」

 社長室にてシドをはじめとした面々が最近怪しいネロの奇行について話し合っていた。

「3日前に突然早退してから様子がおかしいですよね」
「子供を誘拐したんじゃないかとこっちもあらぬ疑いかけて申し訳ないことをしたと思っているが……」

 昨日朝にネロから手渡された袋を机の上に置く。

「アイツが先日俺の名義で切った領収書の金額バッチリ倍入っている」
「はい!?」
「まるでアンナみたいな準備の良さに面食らったおかげでどこで道草食ったか詳細聞きそびれてしまった」
「ストレス溜めさせすぎて一気に買い物でもしたんですか?」

 ウェッジはあっと驚いた顔をする。ビッグスがどうしたと聞くと慌てたように早口でまくし立てる。

「ネロ、彼女できたかもしれないッスよ!」
『はあ!?』
「昨日偶然休憩室通りかかったら誰かとリンクパール通信してたッス。そこで愛してるぜ子猫ちゃんって!」
「うっわベタ」
「血反吐吐きそうになるなそれ」
「本当にどうしたんだネロ不気味すぎないかそれ」

 シドはしばらく考え込み、結論を付けた。

「よし、今の案件も一段落ついたしネロに休暇をやろうと思う。ジェシー、もうネロを帰らせて明日丸1日休めるように調整頼めるか?」
「そうですね、ネロは相当疲れてるみたいですし帰らせましょう」
「イマジナリー彼女を作るほど疲れるとはな。最近休みなしだったし僕も色々頼りすぎてしまっていたようだ。反省しよう。よし反省会終わり」
「誰も本当に相手ができたと思ってないのがすごいな……」
「これが日頃の信用ってやつッスねー」

 シドとジェシー、そしてエルファーの言葉にビッグスは遠い目を見せた。
 こうしてネロは無理やり休みを取らされることになったが、彼らの目からしたら不審な動きをしているネロの真相をまだ知らない。



「あれ、ネロサンめっちゃ早い帰宅!」
「なんか気持ち悪い笑顔で肩を叩かれて帰らされたンだ。明日も休めってよ。ったくお前がガキになってからどいつもこいつもこのオレ様を哀れな目で見てくンだぜ?」

 腑に落ちないだろ? と言う姿をアンナは目を丸くして見ている。流石にこの時間に帰って来るのは予想外だったようですぐに台所へ戻って行く。ふとテーブルの上を見やると設計図が書かれた文字が滲んでいる書物と小綺麗なウサギが完成している。試しにゼンマイを巻いてみると不規則にピョンピョンと跳ねていた。

「そりゃ誰かに聞かれたっていうのは教えてくれたから知ってた。それからこうなるとはボクでも予想不可能」
「だろ? 何で真似事とはいえ俺があんなアホなセリフ吐いてンだとは思ったがラッキーってこった。―――でもなァいきなり休暇貰っても何もやることがなくて暇だぜ?」
「じゃああそこ行く?」

 どこだよ? と聞くと目を輝かせてこう言った。

「蒼天街!」

 イシュガルドにある復興区画だったか。職人や冒険者たちの手によって急速に進んでいるという噂は聞いている。

「色んな技術とかイベントが楽しい。どう?」
「軽い休日で行く場所として有りだな。ま、そろそろお前も外で遊びてェってやつか」
「そそ。ストレッチだけじゃ身体がなまっちゃう。じゃあ準備して」
「おいおい早速か?」

 前日入りしてゆっくり休んだ後丸1日使う方が有意義でしょ? という言葉にナルホドねェと返した。飯食ってから出立するかという話をしながら荷物をまとめる。

「イシュガルドまではとりあえず先日乗ったロボでいい? 飛空艇でもいいけど時々はぶっ飛ばすのも有りでしょ?」

 あのロボット気になってたンだよなとニィと笑う。寒いからと防寒着を着込み、保温ポットにコーヒーを淹れ片手間で摘まめる物を袋に詰めた。腹ごしらえにと作っていた料理を食べ、外に出る。
 この機械はクルーズチェイサーというらしい。「イディルシャイア周辺で出会った青の手が繰り出した機械兵器。騎乗用に改造してもらった」と呑気なことを言っている。どさくさに紛れて何しているんだこのガキと思いながら乗り込んだ。

「ナイスバケーションへ出発しんこー!」
「ヒヒッ最高だなァ!」

 ゲラゲラと笑いながら形態変化したロボットがレヴナンツトールから飛び立った。




―――一方その頃。
 シドはネロが休む分の仕事をエルファーと共に黙々と片付けていた。
 そこに暁の面々が慌てた様子でやって来る。

「シド! アンナの容体はどうなっている!?」

 アルフィノの言葉に首を傾げた。なぜ今アンナの話題が出て来たのか、心当たりがない。珍しく賢人たちがほぼ揃っているものだからぽかんとした顔を見せてしまう。しかしすぐに手元に視線を戻しながら盛大にため息を吐いた。

「アンナとは大方3週間程度会ってないし相変わらず俺にやらかすために各所ギルドで仕込んでるから連絡つかないらしいぞ」
「そうかシドもそう聞いてるんだな」
「俺、も?」

 作業の手が止まり、再び顔を上げた。グ・ラハは怒らないで聞いてくれよ? と言いながら先程石の家にやって来た人間から聞いた話をする。

「実は錬金術師ギルドで手が滑って錬金薬を浴びてしまったらしい。秘密にしてとは言われたが心配になったと使いの者が来てこっちは大騒ぎさ」
「は? いつ?」

 シドは目を点にし尋ねる。何を言っているのか、理解が追い付かない。アリゼーは軽くため息を吐きながら報告内容を話した。

「事故が起こったのは3日前。2日前にアンナは私たちへのサプライズのために引きこもってるってあなたから聞いたって話があったから怪しく思って来たの。その様子じゃあなたも何も知らされてないみたいね」
「……俺も2日前に聞いたぞ。ネロからな」
「そうか―――俺もなんだ。偶然書店で鉢合わせしたネロに言われてさっきまでワクワクしてたんだよ!」
「ねえネロはどこにいるのかしら? 詳細聞きたいんだけど。まだ工房とかにいたりする?」

 シドは眉間に深く皴を寄せ黙り込んでいる。隣にいたエルファーが代わりに口を開いた。

「最近ネロの様子が不審で。疲れてるのかと思って数時間前に帰宅済。ついでに明日1日休み付きで」

 暁の面々は驚いた顔を見せている。リンクパールに震える手を当て連絡先を指定し、呑気な『どうした?』という声が聞こえた直後力任せに叫ぶ。

「ネロ!! お前今どこにいるんだ!?」



「ア? 何か来たな」
「えーどうしたんだろ。ジェシーかな。取ってみたら?」
「はー折角休みくれたのになァもう撤回かよ。ッたくあの会社ブラックすぎて困るぜ」

 イシュガルドに向かう途中、リンクパールが鳴った。何だと思いながら取ると叫び声。

「ハーうっせェないちいち叫ぶな鼓膜破れンだろうが」
『もう一度聞く。今どこにいるんだ。家か? いやジェット音が聞こえた。何に乗ってる? 休暇貰ったから呑気に旅行か? 誰とだ』
「ハァ? 休みだし何してても関係ねェだろプライベートに介入するブラック企業かよ。あ、おぼっちゃんの所に天才のオレ様がいないと解決できない案件でも来たのかナァ?」
「シド?」

 アンナは怪訝な目で通信中のネロを見ている。肩をすくめて見せると苦笑が返って来た。怒りを溜め込んだような口調でシドの追及は続く。

『お前先日アンナはサプライズ仕込みで引き籠ってると言ってたよな?』
「……アー。ありゃ本人がそう言えつったからそのまンま言ったンだぜ? もういいか? 俺様は忙しいんだ」
『あのイタズラ好き"と"何を企んでいる』
「さあな。つーかメスバブーンと同レベルにすンじゃねェ。数日中にでもお仲間の前に現れるンだろ」
「あーバレたか」
『分かってる範囲で最後に会ったのはお前だから聞いてるんだ! 本当の所アンナはどうなって』
「ゆるしてくれるだろうか」
「ンじゃ、許せすまねェな『グッドトリップ』」

 待て話は終わってないぞという声を聞き流しながら隣でボソリと言われた言葉を元に喋り切断してやる。そして耳からリンクパールを外しポケットにしまった。

「さてどうすンだ? プランが崩れたぞ。ガチギレすぎて最早笑えるぜ?」
「いや普通に予定通りのバケーションで。何か最悪なバレ方してるっぽいし。今更帰ってもガチ切れの人たちにひっ捕らえられるだけ。シドのゲンコツ痛いよー? じゃ、ボクもちょっと連絡」

 そう言いながらアンナはリンクパールを手に取ってリンクシェルを開いた。

「あ、もしもし」



「ごめんなさいちょっと連絡が来たみたい。外に出るわね」
「おや私もサンクレッドから報告が来たようで」

 退室するヤ・シュトラとウリエンジェを尻目にシドは震えていた。

「あの、シド? ネロは何と」
「……グッドトリップ」
「え?」
「ネロを探すぞ。絶対アンナの居場所知ってるどころか何らかの共犯の可能性が高いな」
「変なネタが飛び出す地点で絶対連れてるわね……」

 シドは社員たちに叫ぶようにネロ探索を命令している。当然だが相当怒っているようだ、アルフィノはシド、一度落ち着こうかと宥めようとした。すると報告が終わったのかウリエンジェが戻って来る。

「あの皆さん、本当に落ち着いて聞いてください。サンクレッドに錬金術師ギルドへ詳細を聞いてもらいに行きました」
「ホー早い流石斥候員。ちなみに何と?」
「……錬金薬の効果は子供化。試作品ということで効果は微弱なものでした。が、一瓶分たっぷり浴びているそうです。『ツテがある』と言い一度街に出て。数時間後に『パパ』と呼ばれる男と一緒に訪れ荷物を持ち去った、とのこと。サングラスと帽子を深く被っていたので顔こそ詳しく見えませんでしたが、相当信用していた様子だったので暁の代理人かと思いそのまま送り出したそうです」

 シド、グ・ラハ、アリゼー、そしてエルファーは目を見開き固まる。

「予想はついているかもしれませんが―――特徴は背がひょろりと高い金髪の男性だそうです」
「ネ」

 4人は叫ぶ。

『ネロ!!!!!!』



「あー今めっちゃ怒った声聞こえた。うん、明日蒼天街にいる。相当ダメそうだったらさりげなく誘導してくれたら。ごめん、じゃ」

 アンナはリンクパールを耳から外す。ネロは横で「誰にかけたンだ?」と聞くと「まあ協力者に」と答えた。

「キミの名前を叫ぶ3、4人分の怒号が聞こえた。念のためにもう1人事情説明してて命拾い」
「俺の所じゃなくてソイツに頼ればよかったンじゃねェの」
「ちょっと信用するには、うん。……暁経由でバレた。錬金術師ギルドから使いが来たって。今ガーロンド社にいるみたい」

 もっとしっかり口止めしておけばよかったねえと言いながら寒い空を飛ぶ。



「あ、アンナが子供に!? 待て心の準備が」
「嘘、確かにサプライズって間違ってないわ。でもちょっとスケール違いすぎるんだけど!」
「我が妹が……ネロをパパと? あの野郎……ここ数日独占……うらやましい……吊るす……」

 グ・ラハとアリゼーは顔を赤くしながら慌て、エルファーはニヤけている。対してシドは顔が青い。ウリエンジェが大丈夫ですかと聞くとその場に崩れ込む。

「俺じゃなくて、ネロを頼ったのかアンナ……」

 戻って来たヤ・シュトラはそんな凄惨な風景を目の当たりにする。眉をひそめ「言いたくなかった理由が痛いほど分かったわ」と誰にも聞こえないよう呟いた。
 アンナが連絡していた相手はヤ・シュトラ。昨日昼、突然やはり暁に一切言わず隠し通すのは無理だと判断したのだと、リンクパールが鳴った。最初こそビックリしたものの、詳細は言わないが安全な場所にいるからしばらく籠る、5日経っても戻らなかったら石の家に顔を出すと言っていたので絶対だと約束させる。まさかレヴナンツトール内で滞在、しかも恋人であるシドの親友ネロの元にいるとはあまりにも無神経すぎて予想もしていなかったが。どうやら現れたくない原因は心配されたくないというのは表向きで『グ・ラハやアリゼー、シドが怖い。ってことで時間稼ぎする』とのことなので何も言えず本日を迎える。そんなに警戒しなくても、と思っていたのだがまさかここまで面倒な人間の集まりになるとは予想外だとため息を吐いた。仕方がないので"ヒント"を渡そうとシドに話しかける。

「ねえ、ネロとアンナが一緒にいるのならどこに行きそうか位分からないのかしら? シド」
「……見当もつかんな。畜生、あの時連れてたとかいう子供の特徴がヴィエラだとまで分かっていれば……。ああ次の日の不審な香水の匂いは確かにアンナが付けるやつの一つだ。クソ何であの時気付かなかったんだ―――」
「子猫ちゃんとか言ってたらしいですね、ネロ。あれもアンナ相手だったのでしょうか」

 シドは震えている。ジェシーはこれは大きな失言だったと感じ取り、「ご、ごめんなさい会長」と声をかけると勢いよく顔を上げる。

「少し、コーヒーを、飲んでくる」

 ふらふらと歩き去って行った。だいぶショックだったらしい、ヤ・シュトラは「重症ね」と再びため息を吐いた。

 自室に戻り、"発信機"を確認すると未だに光はない。これは推測だが、身体が命の恩人に出会う前まで子供化したことで計測するための基準点がバグってしまったのだろう。余裕があり、毎日これを確認できていればネロの嘘に即気が付いたはずだ。香水の件も余裕があれば絶対に分かったはずで、多忙な所をものの見事に逆手に取られてしまった。どちらが提案したのかは分からない。ただあの"誘拐犯"と"イタズラっ子"を絶対に許すわけにはいかない、そう思いながらケトルで湯を沸かした。



 数時間後、イシュガルドにて整備を担当していた社員から連絡が来る。クルーズチェイサーから降りた見覚えのある背格好の男がヴィエラの少女を抱えて歩いていたという目撃情報だ。シドは眉間に皴を寄せ、コーヒーを啜りながらその報告を聞いた。

「蒼天街ですか。ここから近くて職人が集まる場所だし日帰り旅行感覚で見に行く可能性は確かにあると思われます」
「抱き歩くとはまた優雅なことしてるな。完全にこっちにバレないと踏んでる」
「どうする? 早速回収しに行く?」
「まあ待て若者らよ。明日ゆっくり行けばいいじゃないか」

 エルファーは飛び出そうとする人間たちを止める。ヤ・シュトラも「私もそう思うわ」と笑った。

「忘れたか? 2人は逃げ足"だけ"は速い奴らだ。じっくり捕獲装置再調整、明日即捕縛。ここからは想像だが、イシュガルドに行ったのがバレるバレないじゃない。―――2人は突然の休暇で1日のんびり楽しみたい所だったが予定外に早く状況がバレてしまった。なら開き直って"ナイスバケーション"続行ついでに"ナイスイタズラ"だとそのまま前日入りしたのかと思われる」
「なるほどな。最後の晩餐というものを楽しんでもらったらいいだろう。アンナも含めてな」

 冷静じゃないのは大の大人たちだった。やっぱりシドに文面だけでも送っておいた方がよかったのではとヤ・シュトラは外に出る。

「ねえアンナ、明日彼らが蒼天街に出没するみたいだからちゃんと反省文考えておくこと。特にすごくショックを受けて頭壊れてるシド相手よ?」

 と、手短にリンクパール通信を送っておく。顔を出したエルファーが声をかけた。ヤ・シュトラは人差し指を口元に持って行くと苦笑しながら扉を閉めた。

「我が妹に連絡したのかな?」
「あら、そうよ。何故貴方がここにいるかは聞かないけど―――伝言でも送る?」
「いやお構いなく。……そういえばネロが『12歳ごろのアンナがどんな感じだったか』と聞いててな。それを思い出してから先程の若者らの反応で察したよ。あそこまでムキになる子たちはかつて集落にいなかったから恥ずかしいのかな? だから基本冷静なネロに頼ったかと思ったわけだ。妹からしたらあの男が一番複雑な感情が絡まない大人で"厄介"な会長クンを逐一監視できる相手」
「正解よ流石実の兄なだけあるわね」

 扉を閉じ、空を見上げていた。「しかし僕に一言なかったのが許せないな。もっと証拠隠滅できるよう立ち回ってやったのに。だからさっき煽ってやったのさ。明日じっくり説教」とため息を吐き、腕組みをする。

「まあ会長クンに声をかけなかったのは仕事の忙しさを加味してのことだろう? 実際昨日まで仮眠数時間で働き詰めだったしな」
「あと衛兵に連れて行かれるところを見たくないって言ってたわね」
「はっはっは。妹は優しいなあ」

 お堅い鈍感クンや若者たちには絶対に察せられない優しさだけどなと酷く落ち込むシドを中心とした人間たちを思い返す。アンナもネロももっと人を信用してくれてもいいのにと顔を見合わせ笑顔を見せた。



「明日皆も蒼天街に来るって。新手のレクリエーション。皆で遊ぼう」
「はーコワイコワイぜってェあの捕獲装置持って来ンだろ」
「肌寒い街で鬼ごっこ楽しそうって思わないと頭おかしくなるよ?」
「お前が引き起こした嵐の責任を何故か俺が取らされそうなンだがなァ!?」

 イシュガルドの宿で髪を乾かしてやりながら引きつった笑みを見せてしまう。アンナはすっかりドライヤーを気に入ったようだ。最初こそ少々嫌がる顔をしていたがこれからは習慣付けるようになるだろう。この垂れ下がる耳を見られるのも最後だろうと思うと少し名残惜しいがそこは別に構わない。

「どういう顔して会えばいいのか。皆の反応が予想不可能。すごい態度してたら逃げそう」
「逃げてもいいンじゃねェか? 1回その素振りを見せたら反省すンだろ」

 目を丸くしてこちらの顔を見る。肩をすくめてやると笑顔を見せた。

「ちゃんとイヤなものはイヤと言わないと分かンねェだろ特にガーロンド」
「ん、そだね。あ! そうだ」

 どうした? と聞くとアンナは満面の笑顔で"お願い"をしやがった。

「12歳って確か魔導院に入った頃だよね? シドとの出会いとかどんな喧嘩してたか教えてよ」
「思い出したくもねェ複雑な感情が混じった思い出なンだが?」
「じゃあ―――戻ってから超える力で見て拡散を決心。勿論シド目線も確認してからね。えへへ、腕が鳴るぜ」
「……話してやるからヤメロ。多方面に迷惑かけンな」

 それから子守歌がてら過去の話を嫌々としてやると笑顔を見せいつの間にか眠っていた。精神的に大人でも肉体は子供に引っ張られてンなと身体に触れるとひんやりと冷たい。「うわ冷てェ」とつい口に出してしまう。そういえばアパートでは冷房いらずだと思っていたがここは肌寒いイシュガルドだ。薪をくべ、再び寝そべった。


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