FF14の二次創作置き場
更新履歴
- 2024/11/26 旅人は魔導兵器を識りたい 新生
- 2024/11/19 "召し上がれ&quo… 新生
- 2024/11/15 溶けあうもの 紅蓮
- 2024/11/11 "11月11日&qu… 蒼天
- 2024/10/18 "嫉妬"、… 漆黒,
No.129
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6日目。目が覚めると子供のままのアンナは既に着替えを済ませ、本を読んでいた。相変わらず早起きだなと思いながら欠伸をし、体を起こすと気が付いたようだ、「おはよ」とニコリと笑顔を見せた。
「とりあえず今日は石の家に連れて行くからな。まあ溜まった仕事を終わらせて定時で迎えに行く」
「昨日も無理やり迎えに来たし皆怒ってるんじゃないの。別にゆっくり徹夜してもいいんだよ?」
「絶対に終わらせてくるからな」
頬をギュッと引っ張った後、一緒に朝食を食べて石の家へ引っ張って行く。少々ばつの悪そうな顔をしながら笑顔を見せたタタルとクルルに奥へと連れて行かれるところを確認した後、ラスボスが待つ会社へ向かう。
玄関では腕組み仁王立ちをしたラスボスと鉢合わせする。
「おい妹はどうした」
「石の家にいるぞ。当の本人と顔合わせたくない人間が機嫌悪い顔で見て来ても意味は一切ないからな」
「まあそれを確認したくて立っていたのが真相ではあるな」
連れて来ていたらどう誤魔化すつもりだったんだと聞きたくなる。が、妹が絡む件で刺激したら何が起こるか分からない存在なので口を噤む。
後ろには昨日は休暇だった筈がげっそりと疲れ切っているネロがコーヒー片手にため息を吐いていた。昨晩は本当に何があったんだ? と首を傾げたくなる。
「会長、アンナさんは連れて来てないんですか?」
ジェシーをはじめとする人間に聞かれ石の家にいると返しながらその後ろにある子供服を隠しとけとため息を吐いた。過剰に人と関わりたくないアンナからするとこれが嫌だから隠れていたんだな。そう思うと結果的にはネロに頼り隠れていたのは間違っていなかったのかもしれない。なら声くらいは聞かせろとぼやくことしかできなかった。ネロのことをパパと呼び自分のことをおじさんと呼んだのも未だムカつく所がある。しかも既に三度呼んだ。とりあえずジェシーに明日戻っていなかったらアンナを連れて来るという条件を持ち出しネロへ仕事を押し付けることにした。
夜、石の家に顔を出すと少し疲れた顔をしたアンナがいた。こちらに気が付くといつもの笑顔に戻り「おや特大なお仕事は?」と聞くので「調整してくれたからな」と笑顔を返すと舌打ちしていた。抱き上げアンナと談笑していたクルルに会釈をしその場を後にする。
外で日中何があったのか聞きながら晩飯を済ませ、ネロの部屋からアンナの荷物を回収した。大きなスーツケースに纏められている。「デカいな。頑張ればアンナが入る」と呟くと足を踏まれながら「通報」と言われたし、ネロにも「口には出すな」呆れられた。流石に実行はしないと苦笑しながら宿に運び込む。
シャワーから出て来たアンナの髪を乾かしてやり、自分も頭を冷やしがてらシャワーを浴びた。戻ると昨日とは打って変わって既に寝転びながら身体を伸ばしていた。隣に座ると少しだけジトッとした目でこちらを見る。その後何か思いついたのかのそりと起き上がり膝の上に頭を置きニィと笑った。
「もう二度とないかもしれない体験で嬉しいでしょ?」
「大人に戻ってもやればいいじゃないか」
「やだ」
膝枕はさせる方が好きなんだよと柔らかな笑みを浮かべ膝の上でゴロゴロ転がっている。長い耳が当たってくすぐったい。
「石の家で子供っぽい動きとは何かとララフェルの方々に聞いてた。だから色々と試す」
「それは口に出さない方がよかったかもしれんな」
顔に手を当てため息を吐く。アンナは唐突に腕を掴み、顔へと持って行かせた。首元を撫でてやると笑顔を見せた。
「そもそも子供とは何かという所から議論をした」
「哲学は専門外だから分からんな」
「言葉を舌足らずにしてみるとかもっとキャーキャー喚いてみるとか考えた。でもそれ私が嫌いだからやらない。ならば普段から可愛い動きをするララフェル先輩に聞くのが一番」
「まあ突然そんなことされたら呪術士の所に連れて行くかもな。マハで妖異にでも憑かれたかもしれんと」
「非科学的なものに頼りに行こうって思う程異常に見えるってことね、オーケーオーケー」
私が普段どういう目で見られてるかよーくわかったよと言う口に反し笑みを隠さずその指をカリと甘噛みする。
「というか自分が子供の頃と同じ感じで行けるだろう。覚えてないのか?」
「ずっと素振りしてるか部屋中イタズラの仕掛けをして女の人のお尻触ってもいいなら」
「却下だな」
忘れかけていたがアンナは当初自分が女性ではないと思っていたと言っていた。実際普段の姿で見慣れているだけで笑顔で立っていなかったら十分少年だと言われても信じる自信はある。
「とにかく子供である利点をもう少し楽しもうと思ったのが本日のまとめ」
「それを先の5日間で気付くべきだったな」
「やだ。そんな長く好奇心の目に晒されるとか頭おかしくなる」
普段のビックリ人間ショーみたいな英雄行為を見られるのはいいのかと思うが口には出さないでおく。
それから適当に子供とはどういうものなのかという話を交わし眠った。
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