FF14の二次創作置き場
更新履歴
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- 2024/11/19 "召し上がれ&quo… 新生
- 2024/11/15 溶けあうもの 紅蓮
- 2024/11/11 "11月11日&qu… 蒼天
- 2024/10/18 "嫉妬"、… 漆黒,
No.143, No.142, No.141, No.140, No.139, No.138, No.137[7件]
"ビデオレター"
注意・補足
前半は髪飾り後、後半は"旅人、猫を拾う"前後のお話。自機出番なし。
「なあエルこれってよ」
「ああ。同じモノ、だな」
シドに投げられたモノをエルファーとネロは小部屋で睨みつけた。黒色の薄いトームストーンに酷似した端末。以前リンドウの終の棲家にあったものと同じだ。蓋をずらすとメモリが出て来るのも一緒である。
「アリスが遺したものの可能性が限りなく高い」
「ケケッ難航していた修復も出来そうだな」
リンドウのモノはパーツを入れ替えても動くどころかボタンも固まってるかの如く反応しなかった。メモリ部分も取り外せず、これは何か外部的な要因を加えないとどうしようもないのではという結論を出す。そうやって放置しているとシドがアンナから同一品を"借りる"ことに成功した。
「いやあ物凄ェ形相なバーサーカーっぷりが楽しかったぜ? お前にも見せたかったな」
「ハハハ遠慮しておこう。そこまでしてでも人に渡したくないものだったんだな」
ボタンを軽く押さえてみるとリンドウのものと違い手ごたえはあるが何も反応しない。
「……これただ単に壊れてるだけだな。リンと別れた後水難事故に遭ったんだろ?」
「アー成程。―――どうすンだ?」
どうするとは、と首を傾げるエルファーにあのなと盛大にため息を吐きながらネロは指を突き付ける。
「修理は簡単だ。だが下手にオレたちが修理して先に中身見たってガーロンドにバレてみろよ。これあのメスバブーンのだろ?」
「ああそういう。うーんとりあえず任せてやろうか。直せなかったら僕がやる」
◇
「出来たぞ」
「あっさり終了、流石天才」
深夜、アンナからの説教と仕事で酷く疲れ切ったシドに声を掛ける。トームストーンを見せながら、「アー壊れてら。修理しねェとなぁ」と言うとジトリとした目でひったくられあっという間に修理が完了した。
充電台座に置き、「さーて何が飛び出すかだ」と言いながらボタンを押すと真っ黒な画面に光が灯る。そこには壮年のエレゼンと幼いヴィエラの写真が表示された。槍を背負った少年っぽい満面の笑顔を見せた赤髪の子に少しだけエルファーの面影を感じる。そしてもう片方は刀を携えたすらりと背が高そうな真っ白な髭を貯えたエレゼン。不器用な笑みを浮かべ隣に座っている。
「はーリンと妹、記念写真」
「初恋との思い出ってやつか。そりゃァ壊れてても大切に持っとくな。修理も出来ず握りしめてたって所か?」
「ささ、中身を拝見」
蓋をずらしメモリを取り出す。解析機に挿入し、起動するとパスワードを入力する画面が現れた。
「まあ総当たりすればいいか。ネロ、出来るか?」
「即やれるな。もう用済みだからガーロンドはメスバブーンの機嫌取りにでも行きゃいいだろ」
「帰・ら・ん」
不貞腐れた顔で椅子に座っている。―――お揃いと称し、借りようとすると凄く怒っていた。なので相当大切なモノだと覚悟はしていたがこちらの心をストレートに抉る代物とは予想外で。少しだけ面白がって持って来てしまったことを後悔している。
「パスワードは……『Shelley-Dearg』? 人名か?」
「……アリスの恋人で学者。あいつリンにはフルネームまでは教えず。僕しか知らないかと」
「まるでお前に渡るのを前提にしたパスワードだな」
そのまま打ち込むと画面が切り替わる。『エルファー、もしくはこのトームストーンを発見しやがった勇気ある技術者へ』と音声が流れ始めた。エルファーは「この声は」とボソリと呟く。
モニターが点滅し、段々映像が鮮明に表示された。そこには中年のミコッテが笑顔で椅子に座っている。洞窟内だろうか、機材が設置されている背景壁は明らかに自然なものだ。
『これは俺様の友人に渡す用に作ったものだ。何せパスの名前はエルしか知らねーし。まあ技術が上がってたら総当たり位出来そうだけどな。マァ魔導技術とやらで急成長中の帝国サンに拾われない限り今のままじゃ100年位かかるか? ケケッ』
エルファーは「明らかに100年も経過せず。莫迦」と苦笑している。映像の男は懐から2枚の板を取り出した。
『これ、アラグの遺跡で偶然見つけたんだが"トームストーン"って言うらしい。用途としては……記録媒体とかなんとか。まあそれは置いといて。まずは近況。俺たちの弟クンの容体、気になるだろ? ……ありゃ人としては死んだに等しい』
苦い顔をし、大袈裟に肩を落とした。シドは弟、とボソリと呟きながらエルファーを見ると小声で「リンのクソ野郎のことだ」と答える。
『だいぶ人間不信になっちまった。悪意が直接脳に叩きつけられたらそりゃああにもなるか。"無名の旅人"とか言って放浪の旅三昧だ』
シドはアンナのクセを思い出す。時々首を触りため息を吐いたり距離を取ったりする姿を何度も目撃した。そのことを指しているのだろうかと首を傾げる。
一方エルファーは「まさか」とボソリと呟いた。ネロは頬を抓り考えがドツボに陥りそうな男を現実に引き戻す。
『いくら何でもおかしいなと思って試しにクローンで試したら脳が死んじまってな。いやー何でリンは成功したんだろうな。アイツやっぱバケモンだわ、ケケッ』
語っている男は目を細め、1枚のトームストーンを見せつけた。
『一度しか言わねぇ。ここに3枚ある。1枚は出来ればテメェにあげて、もう1枚はリンに渡す。そして片方は端末自体に鍵をかける。開錠方法に関してはこれに設計図を入れた。必要なパスワードも暗号化して突っ込んでっから是非ゆっくり解け。つまんねぇズルすんじゃねえぞ? これは"宿題"だ』
聞き覚えのある表現にシドは目を丸くする。そう、あれはアンナに初めて想いを伝えた次の日の朝だ。あの時、自分の頭を撫でながら、宿題と称した言葉を吐いた。嫌な予感が過る。
『道具は全て揃ってんだろ? つーわけで今回のお話終わり。再生終了後、自動的にこの動画は消滅する。ヘヘッ、ナーイスイタズラ。じゃな』
ブツンと画面が暗転した。3人は何も言わず再び電源を入れる。暗号化されているのか解読出来ないデータ一覧が表示され、奇妙な動画の形跡は確かに消えていた。
「―――レフ、お前アンナがよく言うナイスイタズラって口癖、この男由来って知ってたな?」
「……勿論だ。初めて君経由で聞いた時耳を疑ったからな。―――うん。すまない」
シドの冷たい目からエルファーは思い切り目を逸らし答える。そもそもリンドウと旅していたことすら最近まで知らなかった。なので映像の男に似通った口癖を使うアンナには困惑を隠せていない。
「そンな責めてやンなってガーロンド。まだメスバブーンがアレと深い接点があるかは分かンねーだろ」
「端末持ってた地点でそれはないだろ!? 金髪でちっさいおっさんがお小遣いもくれたっつってたぞ」
「はあああ!? 僕でも渡したことないのに!? ざけんな!!」
「何だよその怒りポイント。小遣い位レター経由で渡せよ。あとそのくだらねェガキな言い合いやめろ頭痛ェ」
ネロはため息を吐きながら端末と睨み合う。少し複雑なことになっているが数日あれば終わるだろう。
そう、先に怒り狂うアンナによる心無いアクションを起こされる前に端末を返却したい。何とか会長であるシドを利用して2枚目のトームストーン開封作業を行おうと決心した。
◇
数日後。1枚目のトームストーンはアンナに返却した。最初こそ機嫌が悪かった。が、電源が入りその写真を見た瞬間に柔らかな笑みを見せる。しかし直後、まるで超える力が発動したかのように眩暈を起こす。不審に思ったが即元気になり、シドによる嫉妬の追及をのらりくらりと避け、その場を後にした。それ以降シドの機嫌は少々よろしくない。
中身の解析終了後、専用の装置を作る。隣ではパスワードのヒントとして書かれていた嫌がらせの領域に片足突っ込んでいる大量の計算式を仕事片手に睨み合うエルファーの姿があった。かつての友人が気になるのだろう。『どうせ見てないんだから解析装置を使えよ。意外と負けず嫌いで健気だ』とネロは肩をすくめる。
2人で見ようとしたが、気配を感じ振り返るといつの間にかジトリとした目で座るシドがいた。いつからいたんだよと呆れながらため息を吐き、パスワードを打ち込んだ。すると即画面が切り替わり、『エルへ。いやあテメェなら解いてくれるって分かってたぜ?』という音声と共に壮年の金髪ミコッテの映像が表示される。男はニィと笑い手を広げていた。順当に年老いているがその動きは相変わらず変わっていない。
『まずは近況報告だ。ある日リンの所に行ったらすっげえ子に会ったんだよ? 誰だと思う? なあなあビックリしてぶっ倒れるなよ? じゃーん。赤髪ヴィエラお嬢の"エルダスちゃん"だ。年は性別が分かって数年か。目元とかすげーそっくり。ありゃテメェの関係者だろー?』
大袈裟にため息を吐く姿にエルファーは「遂に来たか」とその映像を睨みつけている。ふとネロはシドの方も伺うと「アンナ……やっぱりか」と同じく苦い顔して見つめていた。
『で、だ。悪い知らせがある。リンがやらかしやがった。あー先に言っとくが……すまん。でも大丈夫、肉体も魂もきちんと繋がり記憶もあるからよ。ありゃエルの……従妹、いや下手すりゃ生まれたつってた実の妹か?』
「ちょっと待てコイツ何を」
『エルダスちゃん、自分の体内エーテル全部使ってシハーブを"再現"させやがった』
エルファーは目を見開きペンを握りしめ画面に向かって振りかぶろうとした。シドとネロは必死に押さえつける。
『んでな、俺様ったら"どんな手を使ってでもいいからこの子を死なせないでくれ"って泣いて縋られたんだよ。あの壊れて心を閉ざしてたリンがさ。ありゃ奇跡だ。つーか俺様がその時来なかったらどうしてたことやら』
「リン、莫迦……クソ野郎!!」
「落ち着けレフ! ただの映像だろ!」
『で、処置方法だ。まずは容体悪化を避けるため偶然持っていた集積装置で精製していたエーテルで補う。んで、制御するための魔石を右腕に埋め込んだ。これは生命エーテルの過剰放出を防ぐ所謂"リミッター"ってやつだな。あと保険がてらお前さんの故郷の髪飾りを少々改造して大気中のエーテル変換装置を取り付けてみた』
画面が切り替わり、奇妙な赤色のクリスタルのような石と確かに見覚えのある白い髪飾りに小さな装置が表示された。1分もしない内に再び画面が戻る。やれやれと肩を落としながらニィと笑っている。
『次にやったこと。リンの"情報"を刻み込んでほぼほぼ内面を同一の存在にした。要するに他人のエーテルを用いた人体改造ってやつ。―――これは人為的に"シハーブ"を使えるようにするための技術をと考えていた副産物でな。"どう足掻いても失敗するなら成功作のエーテル情報に近付けてしまえばいい"っていうのが研究の動機』
「あの傷本当に人体改造の形跡かよこれ見よがしに残してふざけんじゃねぇぞ!!」
今度はシドが取り繕わず荒れた口調で叫びながら何かを投げようとしたので、エルファーとネロは2人で止める。こいつアンナの軽口より人を怒らせる天才か、とネロは舌打ちした。
『何と罵ってくれても結構! 俺様は最善を尽くし、死なさないように処置しただけだ。あ、いや俺様だって反省位はしてるぞ? そういやからくり装置見せたらむっちゃ喜んでさ。昔のエルを思い出して笑っちまったぜ』
これが次回の教材と傍にあった小箱を取り出しゼンマイを巻くと箱が開きウサギが跳ねている。既視感がある"それ"にシドは顔を青くした。
『で、経過としてはあっという間にリンみたいに人間離れなパワーを手に入れた。メインディッシュはお嬢本人がまだこれの理屈が分かってねぇから流石に使えん。まあこっちまであっさり出来るようになったら流石に俺様無様に泣くわ。あれだけは精神的成長がねぇとどうしてもな』
この話題は終わりだと人差し指を立てる。3人は呆れて声も出なくなっていた。
『というわけで今回のトームストーンには主にアラグ関係だな。俺様が各地でこれまで集めた記録が入っている。肝心なページだけ抜き取ってるから血眼に探してる人間がいそうだよなニャハハ! んで、3枚目の件だが。―――未定だ』
「は?」
『まあでも1枚目はエルダスちゃんにあげるって決めたからな。2枚共手元にあるなら準備も完了済、なはず。次のは……まあエルの目について分かったことでも突っ込んでおこうかねえ。聖石ってやつは厄介で困るわ。じゃ、間もなくこの動画は自動削除される。グッドラック』
ブツンとモニターは真っ暗になった。呆然としながらまたスイッチを入れると1枚目と同じくデータ一覧が表示された。
「3枚目はノーヒント、ねェ」
ネロはため息を吐いた。隣を見やると行き場のない怒りを溜め続けるいい年した男2人が不貞腐れている。
「シハーブって龍殺しサマが書いてた気迫でいいンだよな? エル」
「りゅ・う・せ・い」
「へいへい。面倒すぎンだろ」
「クソッ魂で予想はしてたが改めて言われるとムカついてきた。絶対墓の前で暴れてやる」
「あの状況のアホに墓あるわけねェだろ」
シドは何も言わずデータの確認作業を行っている。エルファーが顔を覗き込むと物凄く機嫌が悪い。刺激するのはよくない、そっとしておこうと離れた。
「ありゃ中身がリンドウに等しいって言われて拗ねてンな」
「僕だってキレてるやい。魔法関係も研究してたのは知ってたけどそんな技術他で使えないだろと」
「だよなァ。ハァー思わぬトコでメスバブーンの正体分かっちまったなァ」
リンドウと同一の存在という言葉の意味は分からない。とりあえず正気で考えてはいけないものだとネロは判断した。するとエルファーがシドに聞こえないように耳元で囁く。
「アンナ、口調は僕とアリスのハイブリッドだな。仕草や戦い方は完全にリンだ。独自なクセ等はパッと見一切なし。確かに僕の知っている妹はとっくに死んでるね。ガワと記憶は残ってるから間違いなくあの子のハズなのにな」
「アー……。ガーロンド聞いたら卒倒すンだろそれ」
「俺が何だと?」
いつの間にか振り向きこちらを睨みつけている。2人は肩をすくめながら「何でもない」と答えた。「そうか」と言いながらパネルを叩き一息ついている。
「まあ半日放置したら解析自体は終わるだろ」
「出来たとしてどうする気だ?」
「アンナに連絡して色々聞き出してみてから考える」
さいですかとエルファーはため息を吐いた。
―――この後シドが連絡を試みたが一切繋がらず、発信機は一定の位置を灯し続けていた。ようやく出たのは5日後。それまでは物凄く機嫌が悪く、ジェシーらも扱いに困っていた。
次の休みに会おうと約束し、ガーロンド社に現れたのは更に3日後。ネロの所に息をひそめながら出現し、「シドに内緒。ごめん、また壊れちゃった」とトームストーンを渡された。
◇
「違う、アンナのやつじゃない」
エルファーは中身を開くと顔を青くしながらそう呟いた。
「どういう、ってオイオイ全然違うパーツじゃねェか」
ネロは眉をひそめた後、「まさか3枚目、か?」とエルファーの顔を一瞥した。
「どうなってンだ。メスバブーンの奴これまで微塵も見せなかっただろ。ガーロンド呼ぶか?」
「2枚目のビデオレターの地点であの不機嫌。嫌な予感がする。僕たちだけで」
丁度よくシドは休暇でアンナと外に出ている。黙っておけばバレないと老朽化した本体を早急に修理し、電源を入れた。
パスワード画面が表示されず、即動画が再生される。これまでと違う所は年老いた銀髪のエレゼンが表示されたことだ。東方式の寝具の上で表情一つ変えず口を開く。
『エルファー・レフ・ジルダへ』
「ン? まさかあの噂の龍殺しサマかコイツ」
「……ああ。アリスのやつ遂にリンを巻き込みやがった」
『いや本当にあの男の下に届くのか?』
『行ける行ける俺様が信用出来ないのか?』
皴枯れた男の声も聞こえた。口調を考えるにアリスだろう。趣味の悪いビデオレターだとエルファーは画面を睨みつけた。
『なら良いのだが……久しいな。元気にしておるか。お前さんと別れて―――59年。おぬしの妹が生まれた年に別れたからな、それ位であろう。季節は』
『あんまり長くすんじゃねえ。とっとと本題』
『むぅ再会の挨拶、大事だが』
ネロの「マイペースか」というぼやく。対し、エルファーは「そういうヤツだったし」と画面から目を離さず呟いた。
『……すまない、エル。フレイヤは、お主の妹だろう? あの子は私がバケモノにした挙句、"あしえん"という存在によってこの世界を滅ぼすため利用されようとしておる』
リンドウは肩を落とし、しばらく言葉に詰まった。アリスに『続き』と急かされ再び口を開いた。
『私があの子に出会わなければ、こうならなかった。しかし私と出会わなければあの場所で死んでおる。最初、ヒトだと判断出来ぬほど血と泥で汚れ、行き倒れておったよ。最寄りの村で洗ってもらえばおぬしを子供にしたような可愛らしい娘でな。―――もっと外に旅をしろとエオルゼア行の船券を渡さなければ"あしえん"に目を付けられることは……』
『お嬢が34の頃水難事故に遭って、それから一切連絡取れてねぇ。生きてるのは分かってんだけどな。その間にリンの親父さんの故郷に迷い込んだんだってよ』
『"次に会ったら忠誠を誓い、手足となる"、そう約束したと数年前現れた男は語っておった。ガレマール帝国の皇帝と名乗っておる。―――信じたくないに決まっておるだろう。しかしあの力と、本当に侵略されたドマの状況を見るに……』
『それがあったから俺様もしばらくここに近付けなかったんだよなあ。なんかめっちゃ迷子になったし。すっかりやつれちまってさ。ぶっちゃけ嫁さんいなかったら危なかっただろ。お互い生きててよかったぜ』
ニャハハと笑い声が聞こえる。リンドウは少しだけ目を逸らし肩を落とした。
「大体25年前か? 最初のドマ侵略後と考えると」
「ふむ、流石に君が生まれた後の話になったな」
『しかしアリスがそうはさせんと策を練っているらしい。だから、きっと、おぬしは再会出来るはずだ。やはり血の繋がった家族が音信不通なのは不安だろう』
『ケケッこれが届いた地点で大丈夫だぜ』
『そうか。そうだったら嬉しい』
険しい顔が少しだけ緩やかな顔になった気がする。目を細め、考え込む仕草を見せた後、口を再び開いた。
『私はあともう少しで死ぬだろう。しかし最後にこうやってエルに挨拶の準備が出来たことで少々気が楽になった。直接挨拶を交わせなかったのが心残りだが―――』
『まあ俺様に任せとけって』
『一番不安なのだが……まあよい。エル、本当にすまなかった。許して貰おうとは思っておらぬ。おぬしだけでも、幸せになってほしい。達者でな、エル』
エルファーは目を見開き手を伸ばすが、映像は即切り替わり年老いたミコッテが映し出された。
『よっ。というわけでエル、さっきのはリンの遺言。こっからは俺様の遺言みたいなもんだ。まあ"作戦前夜"って所だな』
皴だらけになった笑顔を見せ、肩をすくめている。
『あれから少しした後、リンは亡くなったよ。一番年下だったのになあ。―――色々あったさ。だから"最高傑作"を完成させる永い旅の準備を終わらせた。これから最期の"成果"を使いに行く。自分の命捧げるだけでお嬢だけでなく世界ごと救えるんだろ? 安いな』
ニィと笑いながらカメラに近付いた。
『何せ老いぼれの身体をいつまでも引きずり回すわけにもいかねぇ! シハーブで普通の老いぼれよりゃ動けるがそろそろ視界やら集中力も限界だ。あ、この3枚目のトームストーンが手に入った地点で計画が成功したか偶然ここを見つけちまってんだろ? だから世界の行く末も分かってるんだよなケケッ。嗚呼こえー。誰も知らない世界の真実を、今俺様だけが抱えてるってことがさ。だから若い頃これを作っててよかった』
カメラが動かされ周辺の風景が映し出される。数々の装置に大きなカプセル、そして散らばった書類。一瞬だけ外のような景色が見えた。真っ白な殺風景な場所。
「ザ・バーンか?」
「ぽいな。そういえば一瞬変なエーテルが視えた場所があったか」
『ここは殺風景だけど魔物以外邪魔も来ねぇ俺様のお気に入り。もし霊災が来てもここは相変わらずだろうな。設備は好きに使ってもいいぜ。使えるもんならな。……今回のトームストーンには聖石についての"中間報告"とシハーブの理論を突っ込んでおいた。共犯者として責任取って"処分"してほしい。テメェの目を何とか出来なかったのが心残りだが―――"アレ"がどうにかやるだろ。じゃ、可愛い弟エルくんや。リンと一緒に見守っててやっからな』
クリスタルのような真っ白な石を持ちながら手を振り、ブツンと画面が暗転した。再び電源を入れるとデータ一覧が表示された。ネロはエルファーを見やると「映像位残させておいてくれよ」と震え、少しだけ涙が浮かんでいた。頭をぐしゃりと撫でてやると目を閉じてからため息を吐いた。
「ガーロンドくんがいなくてよかったな」
「だな。ていうかあれメスバブーンの本名か? 俺の方が先に知ったってバレたら嫌な予感しかしねェぞ。あと絶対即青龍壁の整備だからとか言い訳して飛び出したな」
「ははっ違いない。ていうかどさくさに紛れて自分の身体で成功率低い実験してたのかよあの莫迦……」
1つのデータを選ぶ。そこには褐色肌の小さく細身な背中に大きな傷がある画像が映し出され、傍らに大量の術式が書かれている。
「おいこれメスバブーンじゃね?」
「身内のハメ撮りを発見した人間の心理今理解」
「クソみてェな例えヤメロ。マジでガーロンドいなくてよかったな」
「ああ確かに妹のエーテルを視るとひっかき傷のような光が見えた。これが2枚目で言ってた"思い出"か? それが魔紋の役割になってると。やはり趣味が悪い」
「ほら他見ンぞ」
他のデータを選ぶと人体の構築に関わるモノが羅列されている。何の実験をしていたのかと疑問を持つものもあり、胸糞悪ぃとネロはため息を吐いた。
「ンでこンなもン入れたかねえ」
「そりゃ僕向けだから。言ってただろう? 聖石関係だよ」
「ケッその愛しの目玉のことかよ。大切にされてんねェ」
「……とりあえず今の案件が一段落ついたらあの辺りに行ってみよう。アイツの遺品があるかもしれんし」
その時は君も一緒だとふわりと笑顔を見せ、ネロはしょうがねェなあと肩をすくめた。
#エルファー関連 #リンドウ関連 #ヴィエラ♂+ネロ
前半は髪飾り後、後半は"旅人、猫を拾う"前後のお話。自機出番なし。
「なあエルこれってよ」
「ああ。同じモノ、だな」
シドに投げられたモノをエルファーとネロは小部屋で睨みつけた。黒色の薄いトームストーンに酷似した端末。以前リンドウの終の棲家にあったものと同じだ。蓋をずらすとメモリが出て来るのも一緒である。
「アリスが遺したものの可能性が限りなく高い」
「ケケッ難航していた修復も出来そうだな」
リンドウのモノはパーツを入れ替えても動くどころかボタンも固まってるかの如く反応しなかった。メモリ部分も取り外せず、これは何か外部的な要因を加えないとどうしようもないのではという結論を出す。そうやって放置しているとシドがアンナから同一品を"借りる"ことに成功した。
「いやあ物凄ェ形相なバーサーカーっぷりが楽しかったぜ? お前にも見せたかったな」
「ハハハ遠慮しておこう。そこまでしてでも人に渡したくないものだったんだな」
ボタンを軽く押さえてみるとリンドウのものと違い手ごたえはあるが何も反応しない。
「……これただ単に壊れてるだけだな。リンと別れた後水難事故に遭ったんだろ?」
「アー成程。―――どうすンだ?」
どうするとは、と首を傾げるエルファーにあのなと盛大にため息を吐きながらネロは指を突き付ける。
「修理は簡単だ。だが下手にオレたちが修理して先に中身見たってガーロンドにバレてみろよ。これあのメスバブーンのだろ?」
「ああそういう。うーんとりあえず任せてやろうか。直せなかったら僕がやる」
◇
「出来たぞ」
「あっさり終了、流石天才」
深夜、アンナからの説教と仕事で酷く疲れ切ったシドに声を掛ける。トームストーンを見せながら、「アー壊れてら。修理しねェとなぁ」と言うとジトリとした目でひったくられあっという間に修理が完了した。
充電台座に置き、「さーて何が飛び出すかだ」と言いながらボタンを押すと真っ黒な画面に光が灯る。そこには壮年のエレゼンと幼いヴィエラの写真が表示された。槍を背負った少年っぽい満面の笑顔を見せた赤髪の子に少しだけエルファーの面影を感じる。そしてもう片方は刀を携えたすらりと背が高そうな真っ白な髭を貯えたエレゼン。不器用な笑みを浮かべ隣に座っている。
「はーリンと妹、記念写真」
「初恋との思い出ってやつか。そりゃァ壊れてても大切に持っとくな。修理も出来ず握りしめてたって所か?」
「ささ、中身を拝見」
蓋をずらしメモリを取り出す。解析機に挿入し、起動するとパスワードを入力する画面が現れた。
「まあ総当たりすればいいか。ネロ、出来るか?」
「即やれるな。もう用済みだからガーロンドはメスバブーンの機嫌取りにでも行きゃいいだろ」
「帰・ら・ん」
不貞腐れた顔で椅子に座っている。―――お揃いと称し、借りようとすると凄く怒っていた。なので相当大切なモノだと覚悟はしていたがこちらの心をストレートに抉る代物とは予想外で。少しだけ面白がって持って来てしまったことを後悔している。
「パスワードは……『Shelley-Dearg』? 人名か?」
「……アリスの恋人で学者。あいつリンにはフルネームまでは教えず。僕しか知らないかと」
「まるでお前に渡るのを前提にしたパスワードだな」
そのまま打ち込むと画面が切り替わる。『エルファー、もしくはこのトームストーンを発見しやがった勇気ある技術者へ』と音声が流れ始めた。エルファーは「この声は」とボソリと呟く。
モニターが点滅し、段々映像が鮮明に表示された。そこには中年のミコッテが笑顔で椅子に座っている。洞窟内だろうか、機材が設置されている背景壁は明らかに自然なものだ。
『これは俺様の友人に渡す用に作ったものだ。何せパスの名前はエルしか知らねーし。まあ技術が上がってたら総当たり位出来そうだけどな。マァ魔導技術とやらで急成長中の帝国サンに拾われない限り今のままじゃ100年位かかるか? ケケッ』
エルファーは「明らかに100年も経過せず。莫迦」と苦笑している。映像の男は懐から2枚の板を取り出した。
『これ、アラグの遺跡で偶然見つけたんだが"トームストーン"って言うらしい。用途としては……記録媒体とかなんとか。まあそれは置いといて。まずは近況。俺たちの弟クンの容体、気になるだろ? ……ありゃ人としては死んだに等しい』
苦い顔をし、大袈裟に肩を落とした。シドは弟、とボソリと呟きながらエルファーを見ると小声で「リンのクソ野郎のことだ」と答える。
『だいぶ人間不信になっちまった。悪意が直接脳に叩きつけられたらそりゃああにもなるか。"無名の旅人"とか言って放浪の旅三昧だ』
シドはアンナのクセを思い出す。時々首を触りため息を吐いたり距離を取ったりする姿を何度も目撃した。そのことを指しているのだろうかと首を傾げる。
一方エルファーは「まさか」とボソリと呟いた。ネロは頬を抓り考えがドツボに陥りそうな男を現実に引き戻す。
『いくら何でもおかしいなと思って試しにクローンで試したら脳が死んじまってな。いやー何でリンは成功したんだろうな。アイツやっぱバケモンだわ、ケケッ』
語っている男は目を細め、1枚のトームストーンを見せつけた。
『一度しか言わねぇ。ここに3枚ある。1枚は出来ればテメェにあげて、もう1枚はリンに渡す。そして片方は端末自体に鍵をかける。開錠方法に関してはこれに設計図を入れた。必要なパスワードも暗号化して突っ込んでっから是非ゆっくり解け。つまんねぇズルすんじゃねえぞ? これは"宿題"だ』
聞き覚えのある表現にシドは目を丸くする。そう、あれはアンナに初めて想いを伝えた次の日の朝だ。あの時、自分の頭を撫でながら、宿題と称した言葉を吐いた。嫌な予感が過る。
『道具は全て揃ってんだろ? つーわけで今回のお話終わり。再生終了後、自動的にこの動画は消滅する。ヘヘッ、ナーイスイタズラ。じゃな』
ブツンと画面が暗転した。3人は何も言わず再び電源を入れる。暗号化されているのか解読出来ないデータ一覧が表示され、奇妙な動画の形跡は確かに消えていた。
「―――レフ、お前アンナがよく言うナイスイタズラって口癖、この男由来って知ってたな?」
「……勿論だ。初めて君経由で聞いた時耳を疑ったからな。―――うん。すまない」
シドの冷たい目からエルファーは思い切り目を逸らし答える。そもそもリンドウと旅していたことすら最近まで知らなかった。なので映像の男に似通った口癖を使うアンナには困惑を隠せていない。
「そンな責めてやンなってガーロンド。まだメスバブーンがアレと深い接点があるかは分かンねーだろ」
「端末持ってた地点でそれはないだろ!? 金髪でちっさいおっさんがお小遣いもくれたっつってたぞ」
「はあああ!? 僕でも渡したことないのに!? ざけんな!!」
「何だよその怒りポイント。小遣い位レター経由で渡せよ。あとそのくだらねェガキな言い合いやめろ頭痛ェ」
ネロはため息を吐きながら端末と睨み合う。少し複雑なことになっているが数日あれば終わるだろう。
そう、先に怒り狂うアンナによる心無いアクションを起こされる前に端末を返却したい。何とか会長であるシドを利用して2枚目のトームストーン開封作業を行おうと決心した。
◇
数日後。1枚目のトームストーンはアンナに返却した。最初こそ機嫌が悪かった。が、電源が入りその写真を見た瞬間に柔らかな笑みを見せる。しかし直後、まるで超える力が発動したかのように眩暈を起こす。不審に思ったが即元気になり、シドによる嫉妬の追及をのらりくらりと避け、その場を後にした。それ以降シドの機嫌は少々よろしくない。
中身の解析終了後、専用の装置を作る。隣ではパスワードのヒントとして書かれていた嫌がらせの領域に片足突っ込んでいる大量の計算式を仕事片手に睨み合うエルファーの姿があった。かつての友人が気になるのだろう。『どうせ見てないんだから解析装置を使えよ。意外と負けず嫌いで健気だ』とネロは肩をすくめる。
2人で見ようとしたが、気配を感じ振り返るといつの間にかジトリとした目で座るシドがいた。いつからいたんだよと呆れながらため息を吐き、パスワードを打ち込んだ。すると即画面が切り替わり、『エルへ。いやあテメェなら解いてくれるって分かってたぜ?』という音声と共に壮年の金髪ミコッテの映像が表示される。男はニィと笑い手を広げていた。順当に年老いているがその動きは相変わらず変わっていない。
『まずは近況報告だ。ある日リンの所に行ったらすっげえ子に会ったんだよ? 誰だと思う? なあなあビックリしてぶっ倒れるなよ? じゃーん。赤髪ヴィエラお嬢の"エルダスちゃん"だ。年は性別が分かって数年か。目元とかすげーそっくり。ありゃテメェの関係者だろー?』
大袈裟にため息を吐く姿にエルファーは「遂に来たか」とその映像を睨みつけている。ふとネロはシドの方も伺うと「アンナ……やっぱりか」と同じく苦い顔して見つめていた。
『で、だ。悪い知らせがある。リンがやらかしやがった。あー先に言っとくが……すまん。でも大丈夫、肉体も魂もきちんと繋がり記憶もあるからよ。ありゃエルの……従妹、いや下手すりゃ生まれたつってた実の妹か?』
「ちょっと待てコイツ何を」
『エルダスちゃん、自分の体内エーテル全部使ってシハーブを"再現"させやがった』
エルファーは目を見開きペンを握りしめ画面に向かって振りかぶろうとした。シドとネロは必死に押さえつける。
『んでな、俺様ったら"どんな手を使ってでもいいからこの子を死なせないでくれ"って泣いて縋られたんだよ。あの壊れて心を閉ざしてたリンがさ。ありゃ奇跡だ。つーか俺様がその時来なかったらどうしてたことやら』
「リン、莫迦……クソ野郎!!」
「落ち着けレフ! ただの映像だろ!」
『で、処置方法だ。まずは容体悪化を避けるため偶然持っていた集積装置で精製していたエーテルで補う。んで、制御するための魔石を右腕に埋め込んだ。これは生命エーテルの過剰放出を防ぐ所謂"リミッター"ってやつだな。あと保険がてらお前さんの故郷の髪飾りを少々改造して大気中のエーテル変換装置を取り付けてみた』
画面が切り替わり、奇妙な赤色のクリスタルのような石と確かに見覚えのある白い髪飾りに小さな装置が表示された。1分もしない内に再び画面が戻る。やれやれと肩を落としながらニィと笑っている。
『次にやったこと。リンの"情報"を刻み込んでほぼほぼ内面を同一の存在にした。要するに他人のエーテルを用いた人体改造ってやつ。―――これは人為的に"シハーブ"を使えるようにするための技術をと考えていた副産物でな。"どう足掻いても失敗するなら成功作のエーテル情報に近付けてしまえばいい"っていうのが研究の動機』
「あの傷本当に人体改造の形跡かよこれ見よがしに残してふざけんじゃねぇぞ!!」
今度はシドが取り繕わず荒れた口調で叫びながら何かを投げようとしたので、エルファーとネロは2人で止める。こいつアンナの軽口より人を怒らせる天才か、とネロは舌打ちした。
『何と罵ってくれても結構! 俺様は最善を尽くし、死なさないように処置しただけだ。あ、いや俺様だって反省位はしてるぞ? そういやからくり装置見せたらむっちゃ喜んでさ。昔のエルを思い出して笑っちまったぜ』
これが次回の教材と傍にあった小箱を取り出しゼンマイを巻くと箱が開きウサギが跳ねている。既視感がある"それ"にシドは顔を青くした。
『で、経過としてはあっという間にリンみたいに人間離れなパワーを手に入れた。メインディッシュはお嬢本人がまだこれの理屈が分かってねぇから流石に使えん。まあこっちまであっさり出来るようになったら流石に俺様無様に泣くわ。あれだけは精神的成長がねぇとどうしてもな』
この話題は終わりだと人差し指を立てる。3人は呆れて声も出なくなっていた。
『というわけで今回のトームストーンには主にアラグ関係だな。俺様が各地でこれまで集めた記録が入っている。肝心なページだけ抜き取ってるから血眼に探してる人間がいそうだよなニャハハ! んで、3枚目の件だが。―――未定だ』
「は?」
『まあでも1枚目はエルダスちゃんにあげるって決めたからな。2枚共手元にあるなら準備も完了済、なはず。次のは……まあエルの目について分かったことでも突っ込んでおこうかねえ。聖石ってやつは厄介で困るわ。じゃ、間もなくこの動画は自動削除される。グッドラック』
ブツンとモニターは真っ暗になった。呆然としながらまたスイッチを入れると1枚目と同じくデータ一覧が表示された。
「3枚目はノーヒント、ねェ」
ネロはため息を吐いた。隣を見やると行き場のない怒りを溜め続けるいい年した男2人が不貞腐れている。
「シハーブって龍殺しサマが書いてた気迫でいいンだよな? エル」
「りゅ・う・せ・い」
「へいへい。面倒すぎンだろ」
「クソッ魂で予想はしてたが改めて言われるとムカついてきた。絶対墓の前で暴れてやる」
「あの状況のアホに墓あるわけねェだろ」
シドは何も言わずデータの確認作業を行っている。エルファーが顔を覗き込むと物凄く機嫌が悪い。刺激するのはよくない、そっとしておこうと離れた。
「ありゃ中身がリンドウに等しいって言われて拗ねてンな」
「僕だってキレてるやい。魔法関係も研究してたのは知ってたけどそんな技術他で使えないだろと」
「だよなァ。ハァー思わぬトコでメスバブーンの正体分かっちまったなァ」
リンドウと同一の存在という言葉の意味は分からない。とりあえず正気で考えてはいけないものだとネロは判断した。するとエルファーがシドに聞こえないように耳元で囁く。
「アンナ、口調は僕とアリスのハイブリッドだな。仕草や戦い方は完全にリンだ。独自なクセ等はパッと見一切なし。確かに僕の知っている妹はとっくに死んでるね。ガワと記憶は残ってるから間違いなくあの子のハズなのにな」
「アー……。ガーロンド聞いたら卒倒すンだろそれ」
「俺が何だと?」
いつの間にか振り向きこちらを睨みつけている。2人は肩をすくめながら「何でもない」と答えた。「そうか」と言いながらパネルを叩き一息ついている。
「まあ半日放置したら解析自体は終わるだろ」
「出来たとしてどうする気だ?」
「アンナに連絡して色々聞き出してみてから考える」
さいですかとエルファーはため息を吐いた。
―――この後シドが連絡を試みたが一切繋がらず、発信機は一定の位置を灯し続けていた。ようやく出たのは5日後。それまでは物凄く機嫌が悪く、ジェシーらも扱いに困っていた。
次の休みに会おうと約束し、ガーロンド社に現れたのは更に3日後。ネロの所に息をひそめながら出現し、「シドに内緒。ごめん、また壊れちゃった」とトームストーンを渡された。
◇
「違う、アンナのやつじゃない」
エルファーは中身を開くと顔を青くしながらそう呟いた。
「どういう、ってオイオイ全然違うパーツじゃねェか」
ネロは眉をひそめた後、「まさか3枚目、か?」とエルファーの顔を一瞥した。
「どうなってンだ。メスバブーンの奴これまで微塵も見せなかっただろ。ガーロンド呼ぶか?」
「2枚目のビデオレターの地点であの不機嫌。嫌な予感がする。僕たちだけで」
丁度よくシドは休暇でアンナと外に出ている。黙っておけばバレないと老朽化した本体を早急に修理し、電源を入れた。
パスワード画面が表示されず、即動画が再生される。これまでと違う所は年老いた銀髪のエレゼンが表示されたことだ。東方式の寝具の上で表情一つ変えず口を開く。
『エルファー・レフ・ジルダへ』
「ン? まさかあの噂の龍殺しサマかコイツ」
「……ああ。アリスのやつ遂にリンを巻き込みやがった」
『いや本当にあの男の下に届くのか?』
『行ける行ける俺様が信用出来ないのか?』
皴枯れた男の声も聞こえた。口調を考えるにアリスだろう。趣味の悪いビデオレターだとエルファーは画面を睨みつけた。
『なら良いのだが……久しいな。元気にしておるか。お前さんと別れて―――59年。おぬしの妹が生まれた年に別れたからな、それ位であろう。季節は』
『あんまり長くすんじゃねえ。とっとと本題』
『むぅ再会の挨拶、大事だが』
ネロの「マイペースか」というぼやく。対し、エルファーは「そういうヤツだったし」と画面から目を離さず呟いた。
『……すまない、エル。フレイヤは、お主の妹だろう? あの子は私がバケモノにした挙句、"あしえん"という存在によってこの世界を滅ぼすため利用されようとしておる』
リンドウは肩を落とし、しばらく言葉に詰まった。アリスに『続き』と急かされ再び口を開いた。
『私があの子に出会わなければ、こうならなかった。しかし私と出会わなければあの場所で死んでおる。最初、ヒトだと判断出来ぬほど血と泥で汚れ、行き倒れておったよ。最寄りの村で洗ってもらえばおぬしを子供にしたような可愛らしい娘でな。―――もっと外に旅をしろとエオルゼア行の船券を渡さなければ"あしえん"に目を付けられることは……』
『お嬢が34の頃水難事故に遭って、それから一切連絡取れてねぇ。生きてるのは分かってんだけどな。その間にリンの親父さんの故郷に迷い込んだんだってよ』
『"次に会ったら忠誠を誓い、手足となる"、そう約束したと数年前現れた男は語っておった。ガレマール帝国の皇帝と名乗っておる。―――信じたくないに決まっておるだろう。しかしあの力と、本当に侵略されたドマの状況を見るに……』
『それがあったから俺様もしばらくここに近付けなかったんだよなあ。なんかめっちゃ迷子になったし。すっかりやつれちまってさ。ぶっちゃけ嫁さんいなかったら危なかっただろ。お互い生きててよかったぜ』
ニャハハと笑い声が聞こえる。リンドウは少しだけ目を逸らし肩を落とした。
「大体25年前か? 最初のドマ侵略後と考えると」
「ふむ、流石に君が生まれた後の話になったな」
『しかしアリスがそうはさせんと策を練っているらしい。だから、きっと、おぬしは再会出来るはずだ。やはり血の繋がった家族が音信不通なのは不安だろう』
『ケケッこれが届いた地点で大丈夫だぜ』
『そうか。そうだったら嬉しい』
険しい顔が少しだけ緩やかな顔になった気がする。目を細め、考え込む仕草を見せた後、口を再び開いた。
『私はあともう少しで死ぬだろう。しかし最後にこうやってエルに挨拶の準備が出来たことで少々気が楽になった。直接挨拶を交わせなかったのが心残りだが―――』
『まあ俺様に任せとけって』
『一番不安なのだが……まあよい。エル、本当にすまなかった。許して貰おうとは思っておらぬ。おぬしだけでも、幸せになってほしい。達者でな、エル』
エルファーは目を見開き手を伸ばすが、映像は即切り替わり年老いたミコッテが映し出された。
『よっ。というわけでエル、さっきのはリンの遺言。こっからは俺様の遺言みたいなもんだ。まあ"作戦前夜"って所だな』
皴だらけになった笑顔を見せ、肩をすくめている。
『あれから少しした後、リンは亡くなったよ。一番年下だったのになあ。―――色々あったさ。だから"最高傑作"を完成させる永い旅の準備を終わらせた。これから最期の"成果"を使いに行く。自分の命捧げるだけでお嬢だけでなく世界ごと救えるんだろ? 安いな』
ニィと笑いながらカメラに近付いた。
『何せ老いぼれの身体をいつまでも引きずり回すわけにもいかねぇ! シハーブで普通の老いぼれよりゃ動けるがそろそろ視界やら集中力も限界だ。あ、この3枚目のトームストーンが手に入った地点で計画が成功したか偶然ここを見つけちまってんだろ? だから世界の行く末も分かってるんだよなケケッ。嗚呼こえー。誰も知らない世界の真実を、今俺様だけが抱えてるってことがさ。だから若い頃これを作っててよかった』
カメラが動かされ周辺の風景が映し出される。数々の装置に大きなカプセル、そして散らばった書類。一瞬だけ外のような景色が見えた。真っ白な殺風景な場所。
「ザ・バーンか?」
「ぽいな。そういえば一瞬変なエーテルが視えた場所があったか」
『ここは殺風景だけど魔物以外邪魔も来ねぇ俺様のお気に入り。もし霊災が来てもここは相変わらずだろうな。設備は好きに使ってもいいぜ。使えるもんならな。……今回のトームストーンには聖石についての"中間報告"とシハーブの理論を突っ込んでおいた。共犯者として責任取って"処分"してほしい。テメェの目を何とか出来なかったのが心残りだが―――"アレ"がどうにかやるだろ。じゃ、可愛い弟エルくんや。リンと一緒に見守っててやっからな』
クリスタルのような真っ白な石を持ちながら手を振り、ブツンと画面が暗転した。再び電源を入れるとデータ一覧が表示された。ネロはエルファーを見やると「映像位残させておいてくれよ」と震え、少しだけ涙が浮かんでいた。頭をぐしゃりと撫でてやると目を閉じてからため息を吐いた。
「ガーロンドくんがいなくてよかったな」
「だな。ていうかあれメスバブーンの本名か? 俺の方が先に知ったってバレたら嫌な予感しかしねェぞ。あと絶対即青龍壁の整備だからとか言い訳して飛び出したな」
「ははっ違いない。ていうかどさくさに紛れて自分の身体で成功率低い実験してたのかよあの莫迦……」
1つのデータを選ぶ。そこには褐色肌の小さく細身な背中に大きな傷がある画像が映し出され、傍らに大量の術式が書かれている。
「おいこれメスバブーンじゃね?」
「身内のハメ撮りを発見した人間の心理今理解」
「クソみてェな例えヤメロ。マジでガーロンドいなくてよかったな」
「ああ確かに妹のエーテルを視るとひっかき傷のような光が見えた。これが2枚目で言ってた"思い出"か? それが魔紋の役割になってると。やはり趣味が悪い」
「ほら他見ンぞ」
他のデータを選ぶと人体の構築に関わるモノが羅列されている。何の実験をしていたのかと疑問を持つものもあり、胸糞悪ぃとネロはため息を吐いた。
「ンでこンなもン入れたかねえ」
「そりゃ僕向けだから。言ってただろう? 聖石関係だよ」
「ケッその愛しの目玉のことかよ。大切にされてんねェ」
「……とりあえず今の案件が一段落ついたらあの辺りに行ってみよう。アイツの遺品があるかもしれんし」
その時は君も一緒だとふわりと笑顔を見せ、ネロはしょうがねェなあと肩をすくめた。
#エルファー関連 #リンドウ関連 #ヴィエラ♂+ネロ
それは本当に、"恋"なのか
「なあアンナ、覚えてるか?」
「何?」
「俺の告白を断った時の言葉」
「記憶にない」
シドは笑顔を引きつらせながらアンナの頬を抓み引っ張る。
「お前『あなたが好きなのは過去に会った旅人でそれと重ねてるだけ』って言ったことあったよな?」
「……知らないねぇ」
「とぼけるんじゃない。蓋を開いたら重なるどころか本人だったじゃないか!」
そう、あれは想いを伝えてからしばらくしてアンナが次なる冒険へと旅立つ直前の話。
◇
シドはアンナを抱きしめた。あの時言った通り確かに一切抵抗せず受け入れている。
しかしその腕はシドを抱き返すことはなかった。しかし時々頭を優しく撫で回す、その柔らかく冷たい手が心地いい。
「今日も仕事が大変だった?」
「まあ。でも最近のお前さんに比べたら全然だ」
「―――かもねぇ」
リンクシェルが鳴る。取ってみると防衛装置の調整についてのあれこれが流れていた。明日は休みの筈だが全く休める気がしない。
「休日出勤予定?」
「行かん」
小さな声に対し小突く。指示を回し切断した直後、アンナを押し倒す。
「お前さんとの数少ない時間の方が重要だからな」
「そう」
「好きな人といる時間は大切にしたいってのはおかしいことか?」
「別に私はあなたのこと好きじゃないし。嫌いでもないけど」
少しだけ傷付く言葉だ。ジトリとした目で睨みつけるとアンナはため息を吐く。
「あなたが好きなのは私じゃなくて旅人のヴィエラという記号。そうじゃなくて?」
「違う、俺はアンナが」
「違わない。あなたは昔会ったヒトと私を重ねてるだけ。それを違うってちゃんと言い切れる?」
シドは目を見開き固まってしまう。あの夜、何度も"赤色の旅人"と姿が重なりながらも抱き潰した。後日お詫びにと寸止めしまくってからじっくり頂いたりもしたが。そう、あの不思議な雰囲気とどうしても重なることが多い。が、考えないようにしていたのを見透かされていたようだ。
「ほら言えないでしょ? ヒトってそんなもん。"宿題"はそれも含めたモノ、だと思うよ? よーく考えて」
力が緩んだ隙に振り払われ、次はシドが押し倒される。アンナは跨り、額に口付けた。
「振り返ってみたら、意外と私じゃなくてもいいって分かると思うよ? 無名の旅人よりも魅力的なヒトってこの世にいーっぱいいるからさ」
それはまるで子供に言い聞かせるような優しい声。頬を撫でながら切ない笑顔を見せ、アンナは目を閉じた。
『そんな顔をされたら余計に諦めることができなくなるじゃないか』
冷たい言葉とは裏腹に優しい仕草が欲を刺激していく。本当に嫌なら他の人と同じく冷たく突き放せばいいのにどうしてそんな泣きそうな顔をするんだとシドはぼんやりと見上げた。
「それでも、今はアンナじゃないと嫌だ。分かってほしい」
身体に手を回し、その冷たい肌を味わった。
◇
「いやホントに覚えなし」
「だからとぼけるな。俺はあれ以降滅茶苦茶悩んでたんだぞ。意地悪すぎだと思わないか?」
「愛というものは障害がつきものらしい。知ってた?」
「意味が違うだろ意味が!」
アンナが世界を救いに消えていた間、シドはずっとその言葉が刺さり続けていた。そしてネロとエルファーを連れてリンドウの終の棲家へ行き、アンナの過去を知ると驚愕する。
ずっと遠回しに自分だとアピールしていたことに気付かない己の鈍感っぷりに呆れた。それと同時に『当の本人なら重なるのも当然じゃないか』と拳を握り締める。
「だって本当に分からなかったし。ボクが好きなのか、昔の"ボク"が好きだから勘違いしてるのかって」
「うぐ」
「ボクはもう過去に戻る気はないし忘れて欲しいって言ったのに。キミは覚え続けて勝手に重ねて葛藤しただけじゃん。解決できてよかったねー」
「確かにまとめて欲しいとは思っていたがな、言い方ってもんがあるだろ!」
「ふん。開き直るんじゃないよ。ボクはただ事実を言ったまで。ていうか何で気付かなかったの? 恋は盲目?」
シドは睨みつけながら押し倒す。アンナは「何」と怪訝な目を向けた。
「あークソッ、抱く」
「脈略無し。反論できないからって力で押し切るんだ。酷い人」
「うるさい。自分の過去に嫉妬するアンナが可愛いのが悪い」
してないという言葉も虚しく舌を絡み取られてしまった。アンナは心の中で『まーたボクは余計なことをしちゃったかあ』と呪う。まあ勝とうと思えば勝てるのだがこういうのにノッてあげるのも悪くはない。
せめて今日は一晩超過コースにならないようにと祈りながら笑みを浮かべ、その手を握り返すのであった―――。
#シド光♀ #即興SS
ヒカセン向けの100の質問
補足
猫被ってる時の自機に質問しましたという体です。※がある時は基本的に嘘ついてるか補足してます。
テンプレはこちら→privatter.net/p/8741440
1.名前は?
「アンナ・サリスですわ」
※森の名はフレイヤ・エルダス
2.名前は誰がつけた? 由来もあれば
「あらあらお母さまが大切に付けた名前ですわよ? 由来はだいぶ昔に教えてもらいましたが―――忘れちゃいました」
※冒険者登録時に新しい街の名をとパッと浮かんだ名前。ちなみにファミリーネームのサリスは命の恩人であるリンドウの母方の姓と同じ。無意識に浮かんだ。
3.愛称はある?
「旅人さんって呼ばれてますわ」
※子供の頃は兄のエルファーにレーと呼ばれていた。帝国や裏の世界では"鮮血の赤兎"と呼ばれていた頃がある。
4.性別・種族は?
「とりあえず肉体の性別なら女性、ラヴァ・ヴィエラ族ですわね」
5.親の種族・国籍は?
「私と同じくラヴァ・ヴィエラ族ですわよ。オサード大陸の奥地に故郷があったと思いますわ」
6.育った地域は?
「オサード大陸の森。あまり外界との関りはありませんでしたの」
7.兄弟等、家族構成は?
「お母さまと兄さんが。お父様は物心がついた頃にはいなかったので知りませんの。兄さんはお嫁さんが8人いますわ」
※母親はエルダス族の族長。父親はエルファーとの決闘に負け、"聖なる場所"へ連れて行かれた。
8.身長は?
「耳含めなかったら6フルムと少しだと思いますわよ?」
※ヴィエラ最大身長にしてます。実際はそれより少しだけ高いって設定。
9.体重は軽め? 重め?
「軽いらしいですわ」
10.顔面含む、身体の特徴は?
「あまり特徴ってものはありませんわよ?普通のヴィエラですよ」
※背中に魔物に引っかかれた傷、右腕に手術痕。死人のように冷たい。
11.守護神は?
「アーゼマ様ですわ。火を大事にする集落出身ですの」
12.誕生日は?
「さあいつでしょ? 覚えていませんわ」
※霊4月(8月) 15日
13.年齢は?
「うーん……数えたことありませんけど確か26位ですわね」
※83歳
14.メインジョブは?
「侍。命の恩人とお揃い、ですわ」
15.得意なジョブは?
「武器の扱い、エーテルの扱いは修行してきたので得意なモノというのはよく分かりませんわ」
16.苦手なジョブは?
「旅人たるもの苦手だと思うものは作ってませんので」
17.ギャザクラは得意?
「旅で色々収集したりもしてたので」
18.こだわりの装備はある?
「着れたら何でもいいですわよ?」
※背中は聞かれたら面倒だから上半身は露出無しの装備を好む。
19.好きな依頼のタイプは?(例:戦闘/宝探し/人助け/採集/製作……)
「人助けが好きですけど旅人たるもの依頼にえり好みはいたしませんよ?」
※中身の影響で人助けと宝探しは気持ちワクワクしてるように見える。
20.よく受ける依頼のタイプは?
「助けてと言われたらどんな依頼もやりますよ?」
※純粋に助けて欲しい人は助けたいと思っている。善も悪も問わない。下心やら持ったら最後だけど。
21.冒険者になったのはいつ頃? その理由は?
「グリダニアに訪れて、登録させていただきました」
22.冒険者になる前はどこで何をしていた?
「旅人をやってましたの。どこかに留まるようなことは特にしてませんでしたわ」
※旅という名の迷子になりながら人助けしてた。
23.命のやり取りで高揚するタイプ?
「いえいえそんな」
※戦闘大好き
24.野宿は得意? 外でも眠れる?
「ずっと旅をしてきたので慣れたものですわよ」
25.所属のGCは? 思い入れは強い?
「双蛇党にいますわ。グリダニアはとても縁がありますので」
26.冒険者小隊の面倒見てる?
「最近は色々任務を頑張ってもらってますの」
※メタ的には全ジョブ60にするまではつきっきりだった。それからは毎週の任務指示しかしてないです。
27.住んでいる場所は? 寝泊まりはどこ?
「特に決めてる場所はありませんわ。人助けで色々な地域に走り回ってるので基本野宿してますの」
※漆黒以降はトップマスト(ラノシア)、暁月以降はエンピレアム
28.主な活動地域は?
「特に決めてませんの。呼ばれたらそっちに行きますわよ? あ、最近はモードゥナ周辺が多いかもしれませんわね?」
29.ごはんちゃんと食べてる?
「美味しいですわよね」
※少々食べなくても生活は出来る。
30.休みの日は何してる?
「旅人は職業じゃないので。作戦関係ない時は人助けしてますよ」
※漆黒以降はシドと遊んでる。
31.普段の起床時間、就寝時間は?
「日が昇る頃に目が覚めて、寝る時間は落ち着ける場所に到着したら準備が終わり次第寝るので特に決めてませんわ。もう昔からのクセでして」
32.ストレス発散法は?
「ちょっと料理を」
※モブハン手配書片手に飛び回ってます。
33.趣味は?
「人助けですわ」
※イタズラ
34.口癖は?
「何かありましたっけ?」
※「ホー」
35.座右の銘は?
「東の国の言葉で為せば成るというものがありまして」
36.いつも持ち歩いているものは?
「旅用鞄の中にあるモノは大体大切ですわ!」
※命の恩人の肖像画、からくり装置のカタログ、香水セット、イタズラ道具
37.家事は得意な方?
「大体はこなしますよ」
38.部屋や荷物は片付いてる?
「大体分かるようにはしてますよ」
※部屋は最低限のモノしか置いてない。荷物は結構ゴチャゴチャしてる。
39.手先は器用な方?
「普通の人よりかは」
40.努力や地道な作業は得意?
「必要なモノですね」
41.字は綺麗?
「読みやすいとは言われますね」
42.絵心はある?
「旅で見たものをスケッチはしていたので」
43.物を大事にできる?
「必要な物でしたら」
※人から貰ったものは基本的に何が起こるか分からないので処分してることが多い
44.好きな街は?
「グリダニア、ですね」
45.好きな色は?
「赤色」
46.好きな動物は?
「鳥全般。自由に空へ飛び立つ姿が大好きですわ」
※大型犬が好き。
47.好きな音楽・歌は?
「何でも聴きますわよ?」
※基本的に故郷の子守歌以外雑音だって思ってるよ。
48.賭け事は好き?
「やれと言われたらやりますよ」
※運で全部勝つ。イカサマされたら完全コピーでやり返す。
49.好きな食べ物・嫌いな食べ物は?
「何でも食べます。旅人たるもの好き嫌いするなと言われたので」
※ダークマターじゃない限り大体食べます。
50.好きな果物は?
「甘かったら大体食べます」
※林檎が好きらしいよ。
51.肉派? 魚派?
「あえて言うなら魚を食べますの。勿論肉も好きですわ」
52.紅茶派? コーヒー派?
「エオルゼアに来てからはコーヒーをよく飲んでる気がしますわね」
53.甘いものは好き? 特に好きなお菓子は?
「好きですよ。よくチョコレートを食べてます」
54.酒は好き? 飲める? 好きなつまみは?
「人と飲んだら相手が先に倒れますね。私そんなに強くないですのに。おつまみはナッツ系をよく添えてますの」
※ザル。樽飲んでも酔わない。
55.人から貰って嬉しいものは?
「うふふ、何でも嬉しいですよ」
※大体捨ててるけど。
56.何をしている時が一番楽しい?
「人助けをしている時ですわよ!」
※イタズラ企んでる時です。
57.よく通うお店は?
「自給自足」
※よくジャンクパーツ屋にいる所を目撃されているぞ!
58.何にお金をかけてる?
「最近知り合いに本を勧められて」
※シドへのイタズラ
59.おしゃれにこだわりはある?
「人に会う時は最低限ちゃんとしないといけませんわよ?」
60.バディチョコボに思い入れがある?
「ウチのフレイムとっても可愛くて。いつも酷使してて申し訳ありませんの」
61.自室で一番目立つものは?
「台所でしょうか?」(漆黒以降)
62.コレクションしてるものとかある?
「香水、ですかね? 色々準備してますの」
63.よく言われる第一印象は?(例:社交的/神経質/穏和……)
「優しそうな人って言われてますわ。ふふっ」
64.察しはいい方? 悪い方?
「勿論いいですわよ!」
※察しはいいが理解してない。
65.流されやすいタイプ?
「どうでしょ?」
※主張は一貫しているものもあるが基本的に空気を読む。
66.嘘をついたり誤魔化すのは得意?
「私は嘘つかないですよ?」
※自分のことに関しては嘘しかついてない。
67.騙されやすいタイプ? 騙すタイプ?
「旅人が人を騙したりなんてするわけないじゃないですか」
※本当はだまし討ちはするのもされるのも大嫌い。空気を呼んで騙されるフリをするくらいの演技は出来る。
68.好きなタイプ(恋人)は?
「タバコが似合う正義感があり、優しいヒゲの筋肉があるお方が好きですわ」
※白くてガッチリしててヒゲの人が好き。自分が強いので当人の強さは問わない。
69.好きなタイプ(友人)は?
「秘密を守ってくれる面白い人」
※過剰に介入し合わないドライな関係が築ける人。兄が認めてる人。
70.苦手なタイプは?
「悪い人」
※下心ある人や一貫性のないイキり野郎だそうです。
71.モテる? どんな層から?
「旅人はモテないですよ」
※本来の人格を知らないと顔が良くて優しいのでモテる。
72.恋愛願望ある? 恋愛観は?
「旅人なので誰かのモノになる気はないですよ?」
※長命種なので無駄に死の悲しみを味わいたくない。同種は細くて好きじゃない。だから恋愛には興味なし。
73.結婚願望ある? 子供は欲しい?
「この私を1ヶ所に留められると思っちゃダメ」
74.友達は多い? 少ない?
「旅人なので。同じ旅人で気が合う人はいますよ」
※漆黒終了まで長命種の悩みが原因で心に壁を作ってるので友達という認識は存在しない。
75.人見知りする?
「初めて会う人とお話する時は緊張しますわよね」
※平静を装ってるように見えて結構人見知りする性格。
76.人と話したり遊ぶのは好き?
「旅の話をするのは好きですよ。大体面白いリアクションをしてくれる人がいますの」
※大嫌い。本当は最低限以外の情報は伝えたくない。
77.お祭りなど、賑やかな場は好き?
「楽しい場所は好きですよ」
※大嫌い。静かに旅をしていたい。
78.子供は好き? 子供に好かれる?
「嫌いではないですよ? 気持ち悪い大人と違って純粋だからね。護るべき対象です」
79.憧れてる/目標としてる人はいる?
「かつて私を助けてくれた命の恩人はとてもすごい人でしたの。あの人のようにどんな人も助け、名乗らず去る流浪の旅人が目標ですわ」
※ちなみにこれ漆黒後どこかのシドに聞かれたら"お仕置き"されます。NGワード。
80.具体的に苦手な相手はいる?
「特にいませんよ? 特定の相手を好きやら嫌いやらラベルを付ける行為はしないようにしてます」
81.嫌味/悪口などを言われたら言い返す?
「無名の旅人は嫌味や悪口を言わない主義です」
82.秘密はある?
「旅人には秘密がつきものですよ?」
※自分の過去は知られたくないって思ってるよ。
83.トラウマはある?
「あえて言うと……真っ暗闇でしょうか?」
84.夢はある?
「誰も私の助けを借りずに幸せになって欲しいですわ」
※孤独で乾いた自分の心を救ってくれる人が欲しい(漆黒以前)
85.自分の人生に満足してる?
「ええとっても」
※心のどこかが欠けたままで気持ち悪く思ってるよ。
86.身体的精神的問わず、コンプレックスはある?
「無駄に育ってしまってるので……小さくて可愛い子が羨ましいって思ってしまったことはありますわね?」
87.最も嫌うことは?(例:嘘/裏切り/過干渉……) その理由は?
「いえいえ特にそんな」
※下心を持って近付かれること
88.自分を善人だと思ってる? 悪を許さない心がある?
「私は私。風が吹くまま気の向くまま」
※助けを求められたら善悪関係なく助けろと教えられてきたため。悪の中にもその人間の正義があることを理解しているので純粋に悪を許さない心というものが分からない。
89.直感か理論、どちらを信じる?
「知識が全てですよ」
※バリバリの直感で動く
90.前世や運命を信じる?
「特に信じていませんわ」
91.占いの運勢とか気にする?
「そういえば気にしたこと、ありませんわね」
92.笑いの沸点は高い方? 低い方?
「さあどうでしょう?」
※素面に見せかけて笑いは堪えるタイプ
93.怒りの沸点は高い方? 低い方?
「そんなに怒りませんよ」
※滅茶苦茶低い。少しでも悪意や殺意を向けたら刀に手を添えている。
94.どんな時に怒る?
「食べ物を粗末にされた時でしょうか」
※シドの信念を侮辱する奴がいても怒るかも
95.どんな時に照れる?
「お礼を言われた時、ですね」
※気になる人に直球で口説かれた時
96.どんな時に緊張する?
「やっぱり強敵と戦う直前は緊張しますね。負けたらおしまいですし」
※シドにイタズラをする瞬間
97.どんなものを恐れる?
「信じていた人が道を踏み外してしまうことでしょう」
※シドに嫌われる時
98.信仰心はある? どの神を、何を信じている?
「神は信じないようにしてますわ」
99.ガレマール帝国や他国・他種族等に恨みはある?
「特にこれと言った恨みはありませんよ?」
100.ヒカセンでなくても、超える力がある?
「どうでしょうねえ。自分の力が全てですわ」
猫被ってる時の自機に質問しましたという体です。※がある時は基本的に嘘ついてるか補足してます。
テンプレはこちら→privatter.net/p/8741440
1.名前は?
「アンナ・サリスですわ」
※森の名はフレイヤ・エルダス
2.名前は誰がつけた? 由来もあれば
「あらあらお母さまが大切に付けた名前ですわよ? 由来はだいぶ昔に教えてもらいましたが―――忘れちゃいました」
※冒険者登録時に新しい街の名をとパッと浮かんだ名前。ちなみにファミリーネームのサリスは命の恩人であるリンドウの母方の姓と同じ。無意識に浮かんだ。
3.愛称はある?
「旅人さんって呼ばれてますわ」
※子供の頃は兄のエルファーにレーと呼ばれていた。帝国や裏の世界では"鮮血の赤兎"と呼ばれていた頃がある。
4.性別・種族は?
「とりあえず肉体の性別なら女性、ラヴァ・ヴィエラ族ですわね」
5.親の種族・国籍は?
「私と同じくラヴァ・ヴィエラ族ですわよ。オサード大陸の奥地に故郷があったと思いますわ」
6.育った地域は?
「オサード大陸の森。あまり外界との関りはありませんでしたの」
7.兄弟等、家族構成は?
「お母さまと兄さんが。お父様は物心がついた頃にはいなかったので知りませんの。兄さんはお嫁さんが8人いますわ」
※母親はエルダス族の族長。父親はエルファーとの決闘に負け、"聖なる場所"へ連れて行かれた。
8.身長は?
「耳含めなかったら6フルムと少しだと思いますわよ?」
※ヴィエラ最大身長にしてます。実際はそれより少しだけ高いって設定。
9.体重は軽め? 重め?
「軽いらしいですわ」
10.顔面含む、身体の特徴は?
「あまり特徴ってものはありませんわよ?普通のヴィエラですよ」
※背中に魔物に引っかかれた傷、右腕に手術痕。死人のように冷たい。
11.守護神は?
「アーゼマ様ですわ。火を大事にする集落出身ですの」
12.誕生日は?
「さあいつでしょ? 覚えていませんわ」
※霊4月(8月) 15日
13.年齢は?
「うーん……数えたことありませんけど確か26位ですわね」
※83歳
14.メインジョブは?
「侍。命の恩人とお揃い、ですわ」
15.得意なジョブは?
「武器の扱い、エーテルの扱いは修行してきたので得意なモノというのはよく分かりませんわ」
16.苦手なジョブは?
「旅人たるもの苦手だと思うものは作ってませんので」
17.ギャザクラは得意?
「旅で色々収集したりもしてたので」
18.こだわりの装備はある?
「着れたら何でもいいですわよ?」
※背中は聞かれたら面倒だから上半身は露出無しの装備を好む。
19.好きな依頼のタイプは?(例:戦闘/宝探し/人助け/採集/製作……)
「人助けが好きですけど旅人たるもの依頼にえり好みはいたしませんよ?」
※中身の影響で人助けと宝探しは気持ちワクワクしてるように見える。
20.よく受ける依頼のタイプは?
「助けてと言われたらどんな依頼もやりますよ?」
※純粋に助けて欲しい人は助けたいと思っている。善も悪も問わない。下心やら持ったら最後だけど。
21.冒険者になったのはいつ頃? その理由は?
「グリダニアに訪れて、登録させていただきました」
22.冒険者になる前はどこで何をしていた?
「旅人をやってましたの。どこかに留まるようなことは特にしてませんでしたわ」
※旅という名の迷子になりながら人助けしてた。
23.命のやり取りで高揚するタイプ?
「いえいえそんな」
※戦闘大好き
24.野宿は得意? 外でも眠れる?
「ずっと旅をしてきたので慣れたものですわよ」
25.所属のGCは? 思い入れは強い?
「双蛇党にいますわ。グリダニアはとても縁がありますので」
26.冒険者小隊の面倒見てる?
「最近は色々任務を頑張ってもらってますの」
※メタ的には全ジョブ60にするまではつきっきりだった。それからは毎週の任務指示しかしてないです。
27.住んでいる場所は? 寝泊まりはどこ?
「特に決めてる場所はありませんわ。人助けで色々な地域に走り回ってるので基本野宿してますの」
※漆黒以降はトップマスト(ラノシア)、暁月以降はエンピレアム
28.主な活動地域は?
「特に決めてませんの。呼ばれたらそっちに行きますわよ? あ、最近はモードゥナ周辺が多いかもしれませんわね?」
29.ごはんちゃんと食べてる?
「美味しいですわよね」
※少々食べなくても生活は出来る。
30.休みの日は何してる?
「旅人は職業じゃないので。作戦関係ない時は人助けしてますよ」
※漆黒以降はシドと遊んでる。
31.普段の起床時間、就寝時間は?
「日が昇る頃に目が覚めて、寝る時間は落ち着ける場所に到着したら準備が終わり次第寝るので特に決めてませんわ。もう昔からのクセでして」
32.ストレス発散法は?
「ちょっと料理を」
※モブハン手配書片手に飛び回ってます。
33.趣味は?
「人助けですわ」
※イタズラ
34.口癖は?
「何かありましたっけ?」
※「ホー」
35.座右の銘は?
「東の国の言葉で為せば成るというものがありまして」
36.いつも持ち歩いているものは?
「旅用鞄の中にあるモノは大体大切ですわ!」
※命の恩人の肖像画、からくり装置のカタログ、香水セット、イタズラ道具
37.家事は得意な方?
「大体はこなしますよ」
38.部屋や荷物は片付いてる?
「大体分かるようにはしてますよ」
※部屋は最低限のモノしか置いてない。荷物は結構ゴチャゴチャしてる。
39.手先は器用な方?
「普通の人よりかは」
40.努力や地道な作業は得意?
「必要なモノですね」
41.字は綺麗?
「読みやすいとは言われますね」
42.絵心はある?
「旅で見たものをスケッチはしていたので」
43.物を大事にできる?
「必要な物でしたら」
※人から貰ったものは基本的に何が起こるか分からないので処分してることが多い
44.好きな街は?
「グリダニア、ですね」
45.好きな色は?
「赤色」
46.好きな動物は?
「鳥全般。自由に空へ飛び立つ姿が大好きですわ」
※大型犬が好き。
47.好きな音楽・歌は?
「何でも聴きますわよ?」
※基本的に故郷の子守歌以外雑音だって思ってるよ。
48.賭け事は好き?
「やれと言われたらやりますよ」
※運で全部勝つ。イカサマされたら完全コピーでやり返す。
49.好きな食べ物・嫌いな食べ物は?
「何でも食べます。旅人たるもの好き嫌いするなと言われたので」
※ダークマターじゃない限り大体食べます。
50.好きな果物は?
「甘かったら大体食べます」
※林檎が好きらしいよ。
51.肉派? 魚派?
「あえて言うなら魚を食べますの。勿論肉も好きですわ」
52.紅茶派? コーヒー派?
「エオルゼアに来てからはコーヒーをよく飲んでる気がしますわね」
53.甘いものは好き? 特に好きなお菓子は?
「好きですよ。よくチョコレートを食べてます」
54.酒は好き? 飲める? 好きなつまみは?
「人と飲んだら相手が先に倒れますね。私そんなに強くないですのに。おつまみはナッツ系をよく添えてますの」
※ザル。樽飲んでも酔わない。
55.人から貰って嬉しいものは?
「うふふ、何でも嬉しいですよ」
※大体捨ててるけど。
56.何をしている時が一番楽しい?
「人助けをしている時ですわよ!」
※イタズラ企んでる時です。
57.よく通うお店は?
「自給自足」
※よくジャンクパーツ屋にいる所を目撃されているぞ!
58.何にお金をかけてる?
「最近知り合いに本を勧められて」
※シドへのイタズラ
59.おしゃれにこだわりはある?
「人に会う時は最低限ちゃんとしないといけませんわよ?」
60.バディチョコボに思い入れがある?
「ウチのフレイムとっても可愛くて。いつも酷使してて申し訳ありませんの」
61.自室で一番目立つものは?
「台所でしょうか?」(漆黒以降)
62.コレクションしてるものとかある?
「香水、ですかね? 色々準備してますの」
63.よく言われる第一印象は?(例:社交的/神経質/穏和……)
「優しそうな人って言われてますわ。ふふっ」
64.察しはいい方? 悪い方?
「勿論いいですわよ!」
※察しはいいが理解してない。
65.流されやすいタイプ?
「どうでしょ?」
※主張は一貫しているものもあるが基本的に空気を読む。
66.嘘をついたり誤魔化すのは得意?
「私は嘘つかないですよ?」
※自分のことに関しては嘘しかついてない。
67.騙されやすいタイプ? 騙すタイプ?
「旅人が人を騙したりなんてするわけないじゃないですか」
※本当はだまし討ちはするのもされるのも大嫌い。空気を呼んで騙されるフリをするくらいの演技は出来る。
68.好きなタイプ(恋人)は?
「タバコが似合う正義感があり、優しいヒゲの筋肉があるお方が好きですわ」
※白くてガッチリしててヒゲの人が好き。自分が強いので当人の強さは問わない。
69.好きなタイプ(友人)は?
「秘密を守ってくれる面白い人」
※過剰に介入し合わないドライな関係が築ける人。兄が認めてる人。
70.苦手なタイプは?
「悪い人」
※下心ある人や一貫性のないイキり野郎だそうです。
71.モテる? どんな層から?
「旅人はモテないですよ」
※本来の人格を知らないと顔が良くて優しいのでモテる。
72.恋愛願望ある? 恋愛観は?
「旅人なので誰かのモノになる気はないですよ?」
※長命種なので無駄に死の悲しみを味わいたくない。同種は細くて好きじゃない。だから恋愛には興味なし。
73.結婚願望ある? 子供は欲しい?
「この私を1ヶ所に留められると思っちゃダメ」
74.友達は多い? 少ない?
「旅人なので。同じ旅人で気が合う人はいますよ」
※漆黒終了まで長命種の悩みが原因で心に壁を作ってるので友達という認識は存在しない。
75.人見知りする?
「初めて会う人とお話する時は緊張しますわよね」
※平静を装ってるように見えて結構人見知りする性格。
76.人と話したり遊ぶのは好き?
「旅の話をするのは好きですよ。大体面白いリアクションをしてくれる人がいますの」
※大嫌い。本当は最低限以外の情報は伝えたくない。
77.お祭りなど、賑やかな場は好き?
「楽しい場所は好きですよ」
※大嫌い。静かに旅をしていたい。
78.子供は好き? 子供に好かれる?
「嫌いではないですよ? 気持ち悪い大人と違って純粋だからね。護るべき対象です」
79.憧れてる/目標としてる人はいる?
「かつて私を助けてくれた命の恩人はとてもすごい人でしたの。あの人のようにどんな人も助け、名乗らず去る流浪の旅人が目標ですわ」
※ちなみにこれ漆黒後どこかのシドに聞かれたら"お仕置き"されます。NGワード。
80.具体的に苦手な相手はいる?
「特にいませんよ? 特定の相手を好きやら嫌いやらラベルを付ける行為はしないようにしてます」
81.嫌味/悪口などを言われたら言い返す?
「無名の旅人は嫌味や悪口を言わない主義です」
82.秘密はある?
「旅人には秘密がつきものですよ?」
※自分の過去は知られたくないって思ってるよ。
83.トラウマはある?
「あえて言うと……真っ暗闇でしょうか?」
84.夢はある?
「誰も私の助けを借りずに幸せになって欲しいですわ」
※孤独で乾いた自分の心を救ってくれる人が欲しい(漆黒以前)
85.自分の人生に満足してる?
「ええとっても」
※心のどこかが欠けたままで気持ち悪く思ってるよ。
86.身体的精神的問わず、コンプレックスはある?
「無駄に育ってしまってるので……小さくて可愛い子が羨ましいって思ってしまったことはありますわね?」
87.最も嫌うことは?(例:嘘/裏切り/過干渉……) その理由は?
「いえいえ特にそんな」
※下心を持って近付かれること
88.自分を善人だと思ってる? 悪を許さない心がある?
「私は私。風が吹くまま気の向くまま」
※助けを求められたら善悪関係なく助けろと教えられてきたため。悪の中にもその人間の正義があることを理解しているので純粋に悪を許さない心というものが分からない。
89.直感か理論、どちらを信じる?
「知識が全てですよ」
※バリバリの直感で動く
90.前世や運命を信じる?
「特に信じていませんわ」
91.占いの運勢とか気にする?
「そういえば気にしたこと、ありませんわね」
92.笑いの沸点は高い方? 低い方?
「さあどうでしょう?」
※素面に見せかけて笑いは堪えるタイプ
93.怒りの沸点は高い方? 低い方?
「そんなに怒りませんよ」
※滅茶苦茶低い。少しでも悪意や殺意を向けたら刀に手を添えている。
94.どんな時に怒る?
「食べ物を粗末にされた時でしょうか」
※シドの信念を侮辱する奴がいても怒るかも
95.どんな時に照れる?
「お礼を言われた時、ですね」
※気になる人に直球で口説かれた時
96.どんな時に緊張する?
「やっぱり強敵と戦う直前は緊張しますね。負けたらおしまいですし」
※シドにイタズラをする瞬間
97.どんなものを恐れる?
「信じていた人が道を踏み外してしまうことでしょう」
※シドに嫌われる時
98.信仰心はある? どの神を、何を信じている?
「神は信じないようにしてますわ」
99.ガレマール帝国や他国・他種族等に恨みはある?
「特にこれと言った恨みはありませんよ?」
100.ヒカセンでなくても、超える力がある?
「どうでしょうねえ。自分の力が全てですわ」
"食事"
補足
お互い感情を持っていなかった頃のシド光♀。
シドがアンナをクールでミステリアス→面白生物という評価になった瞬間の話。
―――俺はアンナをどう思っているのだろうか。
「水くさいじゃないか。困ったときはお互い様だろ?」
「……ええ、そうだね」
第七霊災を終結させ、光の戦士と呼ばれるようになった女性がいる。名前はアンナ・サリス。趣味は人助けのお人好し。年齢、出身、誕生日、経歴全てが不詳の謎に包まれた"旅人"。
「冒険者はエオルゼアで活動するのに都合がいいだけなの。だから旅人って呼んで欲しいですわ。ずーっとそうだったから」
ある時こんなことを言われたので俺はそう称している。周りは経歴を調べようとしているらしい。だが、一向に情報が集まらないのを見るにそもそも名前だって偽名の可能性も高そうだ。誰にも隙を見せない、完璧なヴィエラである。
だが、俺はそれでもいいと思っている。古くから冒険者という生業の人間はどんな過去でも受け入れられる職業じゃないか。それにこちらが敵意を向けない限り、決してその笑顔を崩すことはないのだから。
そんなアンナとは俺が事故で記憶を失い、心を閉ざしていた頃に出会った。その手を引っ張られ、自らの使命を思い出した後、共に祖国でもある帝国打倒のため走り回る。
英雄と呼ばれるようになったアンナと同じ戦場に立つという行為は非常に誇らしく、好奇心が満たされていった。勿論クリスタルタワーでの出来事も記憶に新しい。時には共に戦い、またある時には護られ、必要に迫られれば共犯者にだってなる。まさにかけがえのない仲間というやつだ。
―――まあ、相手はどう思っているか分からないがな。どうせ助けている内の1人って認識だろう。俺は別にそれでも構わない。アンナに付いて行くだけで面白いことが起こるのだ。口実を見つけて追いかけるに決まっているじゃないか。
旅に出るのを引き留めるため、意を決して会社に連れて行った時。好奇心に満ちた笑顔で周りを見回していた。それから荷運びや護衛は勿論、手頃な話相手になるし差し入れにと菓子も持ってくる。嬉しいが嫌な顔一つせず何でも引き受けてるのは流石に申し訳ないと思ってしまう。
「アンナ、少しくらいは断ってもいいんだぞ?」
「面白いから大丈夫だよ」
なんて綺麗なニコリとした笑顔を見せやがる。なのでアンナが社内で何かを引き受ける時は、俺もなるべく付いて行くことにした。人と会話している時も、頼まれごとを引き受けている時も。流石に護衛中は周りに怒られるので大人しくしているが。
そうしていると理由は分からないが、少しだけ周りからの頼まれ事が減り、2人で世間話をする時間が増えた。最近訪れた場所や出会った人、動物に奇妙な装置と聞ける話は何でも聞いてやる。程よく刺激を受けるので全く苦にもならない。
ついでに美味しかった食べ物を再現したと持ってきた時もあった。それが凄い美味い。餌付けされてるような気もするがそれはただの杞憂としておこう。
「ねえ、そういえばプライベートでは何してるの?」
「暇だから次の案件の設計図やら理論について考えてるな」
「ん? ……それって仕事じゃないのかしら?」
「手は動かしてないぞ? じゃあお前さんは何をやってるんだ」
「? "旅人"は仕事じゃないよ。あ、暁の血盟関係ない人助けがプライベートってやつかもしれない」
なるほど。アンナはいつ休んでるんだと思っていたが、そもそも休みの概念が存在しないのだということに気が付いた。それならばと、他人のように断られる前提で「じゃあよかったら明日休みだから飯でも行かないか? ほら1人だと仕事の延長になってしまうからな」と誘ってみる。すると「いいよ」と即答が返って来た。
言い出しっぺのくせに一瞬心臓が高鳴ってしまい、平静を装うのに精いっぱいだった。
◇
アンナ・サリスという人はクールでミステリアスな女性だと思っていた。が、別にそうでもないかもしれないと最近気が付いた。その筆頭が食事風景である。ネロがクリスタルタワーで"珍獣"やら"野生動物"と喧嘩するごとに口にしていた。あの時は否定していたが、これを見てしまった俺もそうかもなと考え込んでしまう。
その日は突然やって来た。レヴナンツトールで合流し、飯屋で他愛ない話をしながら飯を食っていた時のこと。これまでの俺たち2人は、言うなれば仕事や作戦中隣に立っていたようなもので。こうやって完全にプライベートで会うという行為はマーチオブアルコンズ作戦直後以来であった。
最初こそは適度に楽しい食事の時間であったが、即違和感を抱くことになる。会話中は一切食事に手を付けないのは分かる。しかし少し目を離した隙にアンナ周辺から食べ物が消えているのだ。それとなく余所見するよう誘導され、振り向くと既にないのは誰でもおかしいことに気付くだろう。念のために机の下を見て落としてないことを確認してみるが綺麗だった。嫌な予感がし、勢いよく顔を上げる。すると俺は見てしまった。―――料理が口の中に"吸い込まれる"瞬間を。
俺はその場で素っ頓狂な声を上げてしまう。それから俺の休暇は、主にアンナに人間の食事方法を教えることへと費やされていった。
「何か襲撃が起こるかもしれないじゃない」
「この辺りでお前さんが出張るほど震撼するような襲撃が起きるわけないだろ!?」
「う……リンクパールで呼ばれるかもしれないじゃん」
「お前今も付けてないじゃないか!」
「あー……し、シドに食べられるかも」
「俺はそこまで食い意地張ってないぞ失礼だな!?」
子供っぽい言い訳と共に少しずつ小さくなっていくアンナに食器を押し付ける。そう、よく見ると目の前にはナイフやフォークの類がない。「箸なら知ってるんだけど」と首を傾げながら眺める姿に『こいつまさかひんがしの国にある森の中で野生動物に育てられたのか?』という予想がよぎる。その食べ方は見ているこっちの寿命が擦り切れそうだ。
「アンナ、飯代は今までウチで手伝ってくれた礼がてら俺が出す。休みの日はお前が、ちゃんと、食事が出来るようになるまで! 連れ回してやるから覚悟しろ」
「ホー……いやまあご飯美味しいなら別に構わないけど」
「というかあの食べ方で何で美味い料理を忠実に作れるんだ……」
味わえそうもない吸引に見えたのだが、体の構造はどうなってるのだろうか。俺も行儀よく食えてるかと言われると少し疑問だが、流石にこれよりかは"文明的"だ。マシだと思いたい。いやそこらの動物でも野蛮を通り越して芸術的な食べ方はしないだろう。とりあえず、今までの人生で自分にテーブルマナーについてとやかく言ってくれた家族らに感謝しようと思ってしまった。
―――後に。偶然2人で食事に行く姿を社員に目撃されてしまい、デートやら何だという噂が広がる。あいつらは実際の"戦場"を見てないからそんな戯言を言えるんだ。いや確かに冷静に考えればこれは俗にいうデートと思われる時間かもしれない。期待に沿えず残念だが、これは少しだけ刺激のある友人との食事という認識だ。
最初こそはどうしてこうなったと思っていた。が、逢瀬を繰り返し、アンナという人間をほんの少しずつ知るごとに、ミステリアスというイメージからユーモアな人間という印象に落ち着く。口調も穏やかで丁寧なものから徐々に変わっていき、当初より喋りやすくなったと思う。
そう、食べ方以外は本当に魅力的に映る人だった。いや食事風景も面白いのだが。いつの間にか教えるという行為が楽しい時間だと思うようになっている。
それが無意識下で友人以上の感情へと熟成されていたことを知るのはまだまだ先の話。
#シド光♀ #即興SS
お互い感情を持っていなかった頃のシド光♀。
シドがアンナをクールでミステリアス→面白生物という評価になった瞬間の話。
―――俺はアンナをどう思っているのだろうか。
「水くさいじゃないか。困ったときはお互い様だろ?」
「……ええ、そうだね」
第七霊災を終結させ、光の戦士と呼ばれるようになった女性がいる。名前はアンナ・サリス。趣味は人助けのお人好し。年齢、出身、誕生日、経歴全てが不詳の謎に包まれた"旅人"。
「冒険者はエオルゼアで活動するのに都合がいいだけなの。だから旅人って呼んで欲しいですわ。ずーっとそうだったから」
ある時こんなことを言われたので俺はそう称している。周りは経歴を調べようとしているらしい。だが、一向に情報が集まらないのを見るにそもそも名前だって偽名の可能性も高そうだ。誰にも隙を見せない、完璧なヴィエラである。
だが、俺はそれでもいいと思っている。古くから冒険者という生業の人間はどんな過去でも受け入れられる職業じゃないか。それにこちらが敵意を向けない限り、決してその笑顔を崩すことはないのだから。
そんなアンナとは俺が事故で記憶を失い、心を閉ざしていた頃に出会った。その手を引っ張られ、自らの使命を思い出した後、共に祖国でもある帝国打倒のため走り回る。
英雄と呼ばれるようになったアンナと同じ戦場に立つという行為は非常に誇らしく、好奇心が満たされていった。勿論クリスタルタワーでの出来事も記憶に新しい。時には共に戦い、またある時には護られ、必要に迫られれば共犯者にだってなる。まさにかけがえのない仲間というやつだ。
―――まあ、相手はどう思っているか分からないがな。どうせ助けている内の1人って認識だろう。俺は別にそれでも構わない。アンナに付いて行くだけで面白いことが起こるのだ。口実を見つけて追いかけるに決まっているじゃないか。
旅に出るのを引き留めるため、意を決して会社に連れて行った時。好奇心に満ちた笑顔で周りを見回していた。それから荷運びや護衛は勿論、手頃な話相手になるし差し入れにと菓子も持ってくる。嬉しいが嫌な顔一つせず何でも引き受けてるのは流石に申し訳ないと思ってしまう。
「アンナ、少しくらいは断ってもいいんだぞ?」
「面白いから大丈夫だよ」
なんて綺麗なニコリとした笑顔を見せやがる。なのでアンナが社内で何かを引き受ける時は、俺もなるべく付いて行くことにした。人と会話している時も、頼まれごとを引き受けている時も。流石に護衛中は周りに怒られるので大人しくしているが。
そうしていると理由は分からないが、少しだけ周りからの頼まれ事が減り、2人で世間話をする時間が増えた。最近訪れた場所や出会った人、動物に奇妙な装置と聞ける話は何でも聞いてやる。程よく刺激を受けるので全く苦にもならない。
ついでに美味しかった食べ物を再現したと持ってきた時もあった。それが凄い美味い。餌付けされてるような気もするがそれはただの杞憂としておこう。
「ねえ、そういえばプライベートでは何してるの?」
「暇だから次の案件の設計図やら理論について考えてるな」
「ん? ……それって仕事じゃないのかしら?」
「手は動かしてないぞ? じゃあお前さんは何をやってるんだ」
「? "旅人"は仕事じゃないよ。あ、暁の血盟関係ない人助けがプライベートってやつかもしれない」
なるほど。アンナはいつ休んでるんだと思っていたが、そもそも休みの概念が存在しないのだということに気が付いた。それならばと、他人のように断られる前提で「じゃあよかったら明日休みだから飯でも行かないか? ほら1人だと仕事の延長になってしまうからな」と誘ってみる。すると「いいよ」と即答が返って来た。
言い出しっぺのくせに一瞬心臓が高鳴ってしまい、平静を装うのに精いっぱいだった。
◇
アンナ・サリスという人はクールでミステリアスな女性だと思っていた。が、別にそうでもないかもしれないと最近気が付いた。その筆頭が食事風景である。ネロがクリスタルタワーで"珍獣"やら"野生動物"と喧嘩するごとに口にしていた。あの時は否定していたが、これを見てしまった俺もそうかもなと考え込んでしまう。
その日は突然やって来た。レヴナンツトールで合流し、飯屋で他愛ない話をしながら飯を食っていた時のこと。これまでの俺たち2人は、言うなれば仕事や作戦中隣に立っていたようなもので。こうやって完全にプライベートで会うという行為はマーチオブアルコンズ作戦直後以来であった。
最初こそは適度に楽しい食事の時間であったが、即違和感を抱くことになる。会話中は一切食事に手を付けないのは分かる。しかし少し目を離した隙にアンナ周辺から食べ物が消えているのだ。それとなく余所見するよう誘導され、振り向くと既にないのは誰でもおかしいことに気付くだろう。念のために机の下を見て落としてないことを確認してみるが綺麗だった。嫌な予感がし、勢いよく顔を上げる。すると俺は見てしまった。―――料理が口の中に"吸い込まれる"瞬間を。
俺はその場で素っ頓狂な声を上げてしまう。それから俺の休暇は、主にアンナに人間の食事方法を教えることへと費やされていった。
「何か襲撃が起こるかもしれないじゃない」
「この辺りでお前さんが出張るほど震撼するような襲撃が起きるわけないだろ!?」
「う……リンクパールで呼ばれるかもしれないじゃん」
「お前今も付けてないじゃないか!」
「あー……し、シドに食べられるかも」
「俺はそこまで食い意地張ってないぞ失礼だな!?」
子供っぽい言い訳と共に少しずつ小さくなっていくアンナに食器を押し付ける。そう、よく見ると目の前にはナイフやフォークの類がない。「箸なら知ってるんだけど」と首を傾げながら眺める姿に『こいつまさかひんがしの国にある森の中で野生動物に育てられたのか?』という予想がよぎる。その食べ方は見ているこっちの寿命が擦り切れそうだ。
「アンナ、飯代は今までウチで手伝ってくれた礼がてら俺が出す。休みの日はお前が、ちゃんと、食事が出来るようになるまで! 連れ回してやるから覚悟しろ」
「ホー……いやまあご飯美味しいなら別に構わないけど」
「というかあの食べ方で何で美味い料理を忠実に作れるんだ……」
味わえそうもない吸引に見えたのだが、体の構造はどうなってるのだろうか。俺も行儀よく食えてるかと言われると少し疑問だが、流石にこれよりかは"文明的"だ。マシだと思いたい。いやそこらの動物でも野蛮を通り越して芸術的な食べ方はしないだろう。とりあえず、今までの人生で自分にテーブルマナーについてとやかく言ってくれた家族らに感謝しようと思ってしまった。
―――後に。偶然2人で食事に行く姿を社員に目撃されてしまい、デートやら何だという噂が広がる。あいつらは実際の"戦場"を見てないからそんな戯言を言えるんだ。いや確かに冷静に考えればこれは俗にいうデートと思われる時間かもしれない。期待に沿えず残念だが、これは少しだけ刺激のある友人との食事という認識だ。
最初こそはどうしてこうなったと思っていた。が、逢瀬を繰り返し、アンナという人間をほんの少しずつ知るごとに、ミステリアスというイメージからユーモアな人間という印象に落ち着く。口調も穏やかで丁寧なものから徐々に変わっていき、当初より喋りやすくなったと思う。
そう、食べ方以外は本当に魅力的に映る人だった。いや食事風景も面白いのだが。いつの間にか教えるという行為が楽しい時間だと思うようになっている。
それが無意識下で友人以上の感情へと熟成されていたことを知るのはまだまだ先の話。
#シド光♀ #即興SS
アルファ、オメガとビッグスが怪しげなミコッテに出会う話。
クエックエッと鼻歌を歌いながら黄色い鳥は黒色の塊とレヴナンツトールを走る。
しかし少しだけ余所見をしている間にドンと何かにぶつかってしまう。
「なーんだ、この黄色いの。チョコボか?」
どうやらぶつかったのは人間の足だったようだ。彼はクエ……と謝るそぶりを見せた。
◇
ガーロンド・アイアンワークス社で働くビッグスは休みということでレヴナンツトールの屋台で飯を食おうと1人歩いていた。その時視界にあの黄色いチョコボが映る。
「アルファじゃないか!」
男は手を挙げると気が付いたアルファと呼ばれたチョコボは駆け寄って来て泣きそうな顔をしながら裾を引っ張っている。
「どうしたんだ」
「クエェ……クエ! クエクエ!」
その時「痛ぇ!」という声と硬いものがぶつかる音が響いた。慌てて音の主へと駆け寄ると黒い小さなミニオンが金髪ミコッテの脛に延々と体当たりをしかけていた。
「何だよこいつ! 俺様"は"何もしてないっての! 見間違えてんじゃねぇこのポンコツ!」
パッと見た感じ半泣きで避けようとする足をオメガは器用に動きを解析し、ぶつかっているように見えた。また「いでぇ!」という声が響き渡る。
「クエェ……」
「オメガどうした!」
ビッグスはその黒いボディを掴み抱える。ビービーと音を鳴らしながら足を動かしていた。強く押さえないとそのまま次は顔にでも飛んで行きそうだ。
「あー痛かった。すまんな、兄ちゃん」
白衣を纏った青年はニィと笑う。年齢はシドらと同じか少し上だろうか。採掘道具を背負っている所から採掘師のようだ。
「おたくの会社が作ったミニオンだろ? よーく見て修理しとけよこのポ・ン・コ・ツがよ」
オメガを指さし威嚇するように耳がピンと立ち尻尾をブンブンと振っている。ビッグスは「すんません」と頭を下げるがすぐに疑問を抱く。
「あれ、何で分かったんですか?」
「ア? こんな繊細な機械物体を作れる会社はその制服のトコ位だろ? 腕、中々いいと思うぜ。繊細で、小型ながら御伽噺のオメガそっくりだ。ムカつくぜ」
「は、はは……ありがとうございます」
この男なりの誉め言葉だと受け取っておく。やれやれと肩をすくめていたが、やがてリンクパールの着信音が聞こえた。
「ア! しまったこんな所で道草食ってる場合じゃねえ。お嬢に呼ばれてんだった。んじゃーなアルファとオメガにビッグスさんや」
そのまま男は駆け出していく。「ま、待ってくれ!」とビッグスは止めようとするがやがてテレポを唱えながらどこかへ消えてしまった。ため息を吐きながら「アルファ、オメガのメンテナンスするから会社来るか?」と聞くとアルファは元気にクエッと返事をした。
しばらく歩いた後ふと最後の男の言葉をに引っかかる。
「―――あれ? 俺名乗ったっけ? まあいいか」
◇
「ンア? ビッグス、お前休みじゃなかったのか?」
「アルファ久しぶりじゃないか!」
「実はオメガが変な挙動をしてたから確認してるんです」
整備スペースにてアルファに適当な食べ物を与えオメガのメンテナンスをしているとネロが顔を覗かせた。後ろにはエルファーとシドもいる。
「変な挙動とは? ただのミニオンだろう?」
「それがレヴナンツトールで人の脛に延々とぶつかってたんです。苦情を言われたから仕方なく見てるんですが」
「確かに変だな。んで、異常個所があったのか?」
「それが全然。その方がいた時は確かに少しブザーのような音を鳴らしてたんですが今は静かですし」
「そいつが蹴ったンじゃね?」
ネロの呆れたような声にビッグスは「それはないと思う」と否定する。
「どうやらオメガの文献についても知ってたみたいですし。一瞬だけ機械油の匂いもしたのでその手の仕事も理解ある人かと」
「また野生の技師がいるのか。レフみたいなのはもう勘弁してくれ」
「おうおう会長くん"また"とは何だ"また"とは」
「特徴は?」
ビッグスはその男の容姿を振り返る。
「ミコッテの男性で、低身長。金髪に赤と銀目のオッドアイで白衣を着てる推定リテイナー契約されてる人かと。採掘道具とお嬢とやらを待たせてるようでしたし」
エルファーは目を見開く。
「口は悪かったが結構アグレッシブな印象で―――ってレフ?」
「いや、何でもない。そうかそんな奴が現代にもいるんだな」
と言いながら踵を返す。ネロが「おい」と声を掛けると「タバコ」と言いながら去って行った。
「―――旧友でも思い出したんじゃないか? 片方金髪ミコッテだっただろ確か」
「アー確かに」
「レフの友人、ですか」
「ミコッテで遺跡荒らしが趣味の技術者がいたらしいんだ。こちらの道に進む動機になったみたいでな」
「相当口悪ィがまあ今も生きてたらアレと同じく120超えだとよ」
「それは凄い偶然で……あ、さっきその男の容姿のスケッチを描きました。何か妙な予感がしたんで」
ビッグスは傍に置いてあった紙をシドに手渡す。ネロも覗き込むが2人は口をあんぐりと開き塞がらない。
「どうしました?」
その容姿はまさしく、エルファーが大切にしている友人らとの肖像画に描かれたあのミコッテの男と瓜二つだったのだから。
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