FF14の二次創作置き場
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- 2024/11/26 旅人は魔導兵器を識りたい 新生
- 2024/11/19 "召し上がれ&quo… 新生
- 2024/11/15 溶けあうもの 紅蓮
- 2024/11/11 "11月11日&qu… 蒼天
- 2024/10/18 "嫉妬"、… 漆黒,
No.150
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"俺、絶対にお兄さんに凄い飛空艇を見せるんだ"
初めての飛空艇に揺られながらあの夜の夢を見た。20年前に交わされた約束、彼は覚えているだろうか。―――出会った場所を考えると、もしかしたら敵として会う日が来るかもしれない。現在のボクはエオルゼアの便利屋な冒険者。助けを求められてしまった時、ボクは誰の味方をすればいい? 何事もなく、エンカウントせずエオルゼアで過ごせたらいいな。
◇
まず辿り着いたのはリムサ・ロミンサ。数年ぶりに街の中に入った気がする。
メルウィブ提督にカルテノーでの出来事を聞いた。"メテオ計劃"―――結局自滅で撤退せざるを得なかったのねあちらさんは。愚かなことをしているな、あの皇帝は。まあそろそろ80超えてるだろうし朦朧としてやらかしたのだろう。
そこで"救世詩盟"という聞き慣れぬ単語を聞く。ルイゾワ、という男の名前は確かにカ・ヌエ様の記憶で聴いた。また今度調べてみよう。
リムサにも色々なギルドがあるらしいが、まずは大使としての任を果たそう。ウルダハへ向かうことにする。
ウルダハではラウバーン局長からガレマール帝国の知識を聞く。現在このエオルゼアにいる侵攻軍は第XIV軍団。ガイウス、えっと漆黒の王狼だったかが軍団長。スパイが刈られてるらしく向こうも動き出す可能性が浮上してきたようだ。
正直に言う。5年という期間、復興に手一杯だったこの三国同盟に比べ、帝国は力を溜め込むにはいい期間だっただろう。これは―――どうしたものか。
お使いは終わり。カ・ヌエ様へ報告かなと思ったらリムサの冒険者ギルドに当たる溺れた海豚亭にてマスターのバデロンが助けを求めているらしい。"サスタシャ浸食洞"への調査が目的のようだ亭
この地域はサハギン族と揉めているらしい。どこも大変だ。そしてそいつらとつるんだ海賊もいるんだとか。現地の人間を脅かす奴らは許さないよ。今から行くね。
と思ったら悲鳴が聞こえた。現在この辺りは切り裂き魔の話題で持ちきりらしい。走って行くとそこには怯えたレディと錯乱している男。事情を聞くと商売道具を奪われ発狂しているらしい。言われた通り各地のギルドを走り回る。何か発作扱いされているのが微笑ましい。集めて来たものを渡す。すると人が変わったかのように生き生きしている。なんと正体は敏腕美容師様だったらしい。怖いなこの人。
"オメーが新世界に行きたくなったら、オレを呼べ"
―――天命だった。これから出会うであろう帝国の人らに少しでも過去を悟られないよう、そしてただの怪しくない冒険者として生きていくために必要なパーツ。早速手形を渡し、髪を整えてもらう。
束ねていた髪を切り、色を染める。服もヴィエラの民族衣装から変えることにした。他の冒険者との共同訓練をこなし、装備を整える。
そうしてボクは"サスタシャ浸食洞"の調査へと向かった。
◇
まあ蓋を開けてみればサハギン族とつるむ海賊ではなく。普通に縄張りに入った莫迦海賊はサハギン族に吹っ飛ばされていた。襲い掛かって来たのでそのまま他の冒険者と共に討伐。ボクは癒し手として突入した。少しは初心者に見えたかな?
次はグリダニアで募集しているみたい。依頼へ行ってみてもいいが―――少しだけ他のギルドに顔を出してみよう。まずは料理だ。
料理は好きだ。フウガと修行していた時もよく色々作ってあげた。ひんがし風料理以外大したものを作れないのでバリエーションを増やしてもいいだろう。
そして釣りだ。釣りはいい。気分転換になる。島にいた頃は釣りして命を繋いでいた。
装備の修理整備のために彫金、鍛冶、採掘、裁縫も始める。それらに必要な鉱石を掘るための採掘師ギルドにも通う。あまり経営等には興味ないが尻拭いをしたり華を咲かせたり品質勝負したりと忙しい。
クラフター職の中でも鍛冶、甲冑は火に重きを置く生まれ故郷を思い出す。村の中心で燃え盛る火に、祈りを捧げる母さまや姉さまたち。しばらく炉を眺め、数少ない記憶を想起する。
兄さんは元気だろうか。お嫁さんと仲良く出来てたらいいな。
◆
汚れた水を蒸留し、その一滴は奇跡をもたらす。2つのものを掛け合わせ、毒は薬に、また薬も毒に。錬金術とはシンプルなものだ。
"ボク"は何者か、分からない。しかし錬金道具を持つと心が落ち着く。それは"ボク"がアンナ・サリスではない証拠。
何も言わず、"この子"を見守る。
◆
「もしかしてアンナかい!?髪を切ったのか」
「少しだけ、イメチェンってやつをしてみましたの。似合わなかった?」
「いやいやとっても似合ってる! さあ詳しい話をするからこっちへおいで」
ミューヌは驚いた顔でボクを歓迎した。そりゃ正反対のイメージになったんだ、吃驚するよね。後から来たリュウィンも同じように驚きながらも来てくれたことに感謝の意を示している。
依頼内容はカルト教団"最後の群民"と呼ばれる集団の残党退治。終末思想を広げる危険なやつらの対処と並行してイクサル族も何とかしないといけないのは大変そうだ。喜んで協力してやる。
あっという間に終わらせ、ミューヌの所に戻る。相変わらず人と行動する時は幻術で癒す。
そこで気になる話を聞く。最近冒険者ギルドへの依頼が急増しているらしい。なんというか最近の若い子は生き急ぎすぎているんだねぇ。コワイコワイ。
さあ次はウルダハの冒険者ギルドの依頼だ。何が出て来るのやら。
◇
ボクはどうやら冒険者ギルド界隈では今賑わせている人間らしい。こんな初心者になんて期待をしてるんだろうね。
次の依頼は"カッパーベル鉱山"で暴れる巨人"ヘカトンケイレス族"の鎮圧。300年も前に最下層に封印された浪漫溢れるモンスター。復興のための再開発中にうっかりぶち抜いて暴れてるから助けてほしいとはこれまたなんというか―――いやノーコメントとしておこう。暴れた理由もさもありなんで少し鼻につくがまあ置いておこう。
自分よりも数倍は大きな巨人。これは殴りがいがありそうだと思いながら幻術で冒険者たちを支援する。そりゃ本当は拳で語り合いたいさ。でも、少しでもこれを帝国に見られて自分が鮮血の赤兎だとバレたら……。
『じゃあさ、死んだ事にしたらいいんじゃないか?』
―――また悪魔のささやきだ。自分を死んだ事に? そんなの野垂れ死んだとか適当なことに。
『死んだと見せかけるんだよ。新たなヒトとして新生する第一歩として』
そんなことが、出来るのか? いややろうと思えば、出来ないこともないか。
少しだけ、考えておこう。今はまだ、そんな工作は出来そうもない。
◇
カッパーベル鉱山から帰り、まずは鉱山者のペインテッドさんに報告する。その時、女性の悲鳴が響いた。すかさずボクは走り出す。
そこには貧しい身なりの気弱そうな女性と、ガラの悪い商人たち。
ちゃんと買ったものだと、女性は言う。因縁付けられたのか、可哀想に。
助けを求められたのなら、応えないと力の持ち腐れでしょ。
格闘士か。風を纏わせ様子を見る。弱い、弱すぎる。呪術師に剣術士。可哀想だ。
適度になぶり、助けてやるとまた眩暈が起こる。
霊災、難民。これはまた面倒な問題がこの近郊では起こっているらしい。そして、この人はちゃんと買っている。
それを伝えてやると商人は去って行った。一件落着。
直後すかさずやって来たのはイダとパパリモ。どうやらボクが見ている"幻"について何やら知っている人がいるらしい。そして力を貸してほしいと。彼女らは秘密組織"暁の血盟"の人間なのだとか。―――そう言われるのは弱い。
モモディに報告へ戻るとエッダという女性が話しかけて来た。そういえばラノシア辺りから何度か見たような。自分のような怪しい旅人に憧れちゃダメだよ?
そんなことより暁の血盟とやらだ。どこにあるのか、紹介してもらう。
◇
ベスパーベイ、砂の家。そこに彼らのアジトがあるらしい。大いなる問題へ立ち向かうため、実力ある冒険者が欲しいのだとか。こんな旅人を欲しがったって何も面白くないと思うんだけどねぇ。
まあボクが"工作"出来ないと言った理由がこれだ。ずっと誰かが見張っている気配を感じていたから。自由に出来そうもないと判断し、保留していたが原因はよく分かった。とりあえず向かってみることにした。
砂の家と呼ばれる場所に訪問する。そこには可愛らしいララフェルのレディ。物騒な歌を口ずさむ中話しかけてみる。
彼女はタタルというらしい。可愛らしいお名前。そしてイダとパパリモの紹介であること、そして自分の名前を伝えると歓迎してくれた。アジトにお邪魔する。
落ち着いた雰囲気の廊下を抜け、奥の扉の前にいる女性に話しかける。
奥へ通されるとそこには数人の男女。イダとパパリモもいる。中央にいる女性が、ミンフィリア。暁の血盟の盟主。
早速この組織についての説明を聞く。
蛮神。そういえばイクサル族が色々やらかしていた辺りで色々何か言われてたような。そしてその蛮神に立ち向かうための力を、ボクは持っているらしい。
"言葉の壁"を超える力。"心の壁"を超える力。そして過去を視ることが出来る"時間の壁"を超える力。ボクが持っているのは3つ目。なるほど、少々協力すぎて扱い切れないと。
勿論世界には人種やら国家やら数々の壁があり、それを超えるための力を行使するのがこの組織。―――単刀直入に言おう。めんどくさい。
人々を助けたいと思うが救済までは考えた事がなかった。
"エオルゼアに辿り着いたら、お主の好奇心のまま、人助けをし、数々の声に耳を傾け、そして長い人生何をすればいいかよく考えるのだ。そうすれば、この強大な力を扱うための鍵を理解出来よう"
冒険者支援を貰いながら、このエオルゼア地域について知り、何が起こっているか耳を傾け、そしてこれからどう生きるか考える。協力するメリットはあるか。
まずは見返りとしてリテイナーと呼ばれる制度の紹介だ。確かにこれから腰を据えて活動をするなら資産管理が必要だろう。ここに来てから荷物も増えて来たし必要な人材だ。コネはないけど。
合言葉は"のばら"。まあ覚えておこうか。
◇
別にその男を見て何かを意識したわけではない。ただ、どこかその淀みきった瞳から星を感じた。それだけ。
"シャーレアン"に"救世詩盟"。その後進組織が暁の血盟。賢人と呼ばれるエキスパートな方々がイダやパパリモをはじめとする人たち。超える力とは便利なものだ。
自己紹介を終えた後は早速のお仕事。ウルダハと敵対しているアマルジャ族が蛮族を召喚するためにクリスタル強奪や人を誘拐している。―――許すことは出来ないね。サンクレッドと一緒にキャンプ・ドライボーンに調査へ向かう。貧民の誘拐事件を探れば何か見つかるかもしれないとのこと。弱き人を何に使ってるか分からないけどまあ探ってみましょう。
辿り着いたらまず教会への墓参り客が襲撃されたので死体を回収して来いという。初めてのアマルジャ族との邂逅だ。イセムバードから言われた通り確かにあんなデカい奴が誘拐するのは不可能だ。ふむ、悪い人間が周辺にいるということか。貧民の1人や2人金目当てに引き渡す愚か者がいてもおかしくはない。厄介な事件だ。この辺り生まれの商人がいるそうなのでちょっと調査してみよう。
―――へぇキミこの辺りに住むヒトだったんだ。貧民をこき使ってた側、ねぇ。キミのような人間が事態をややこしくしてるのね分かった分かった。貧民に話しかけても塞ぎ込んでて話にならない。教会の人間を味方につけることが出来れば何とか事態が進みそうだがはてさて。まああの男がクロ前提で話を進めときましょ。
埋葬依頼を1件持って教会へと足を運んだ。教会の前にその墓守は佇んでいる。
心を込めて埋めてこい、ねぇ。大男にしては可愛らしいことを言う。とりあえず丘の上の墓に埋めてやる。
簡単に死にたくないもんだね、絶対。
戻って詳細な話を聞こうとしても「俺は知らん」と。そうかそうか。まあ司祭オルセン様に聞いてみればいいということは分かったのでよしとしよう。「俺はどうせ役に立たん」、ねえ―――。役に立つかはボクが決めるんだよ、おばかさん。
教会に入りオルセン様に話しかける。なるほどこの人なら貧民は心を開いてくれる。そりゃ利用価値がありそうな場所だ。ついでにマルケズについて聞いてみると第七霊災でトラウマになり怯えている、ねぇ。
一度ドライボーンに戻り報告する。まあオルセン様が怪しいと言われるのは仕方がない。でも特に"反応"はしないんだよねぇ。別にいいんだけどさ。っておいサンクレッド、マルケズに見覚えあるならちゃんと思い出しときなよ。興味ないけどね。
次の手がかりを持っていそうなゴールドバザーにいる貧民の少年の所へ向かった。話を聞こうとしたらオルセン様が戻ってこないと。急いで郊外に行くと案の定野盗に襲われていた。少年の母親の形見を取りに、ねぇ。そんないい司祭様が人身売買なんてしないと思うけど。サンクレッドも疑ったことをちょっと後悔してて笑いかけたが平静を装う。怪しいビラを手に入れ、お見舞いに行く。
司祭になりすまして、ねぇ。悪知恵働くやつのようで。なりすましならなりすまし返してやってみましょうか。
情報を集める限り貧民は主に池のほとりで集まっているらしい。そこに行けば捕まえられるだろう。
やーっぱりあの商人だった。まあ金が動機なのも予想の範疇。不滅隊の警備情報はこいつが持ってるわけないからどうせ内部犯がいるのだろう。それは流石に自分らで探してね。ボクはミンフィリアに報告へ戻るから。そして来るべきアマルジャ族との衝突に備えるとしよう。
多分そいつ、強い方の味方だろうからね。
◇
戦闘準備のために一度ウルダハへ。その時、ララフェルを拾う。名前のない怯えきった目をしたララフェルの青年。近頃貧民の話を聞いていたからか少々好奇心で話しかけると逃げてしまう。追いかけていると悲鳴が聞こえ、走って行くとその青年がモンスターに襲われていた。そのまま助けてやり、最近調理師ギルドで作ったお菓子をあげる。すると懐かれてしまったようでついて来るようになった。チョロすぎて心配になるよ。
さあ拾ったもののこの子はどうするべきか。そういえば最近リテイナー契約できるようになったんだっけと思い出す。仕方がないから"働かざるもの食うべからず"と言い放ち、契約を結んだ。資産管理は出来るのかと思ったがどうやら彼は元々資産家の息子で勉強もしていたらしい。だが、第七霊災で両親が死んでしまいそのまま彷徨っていたのだとか。
そりゃ大変だったことで。任せてもよさそうだ。とりあえずしばらくは色んな知識を与えながら倉庫番でもしててもらおう。見極めるのもご主人様の役目ってやつだろうし。
名前は―――フウガ。うん。フウガって呼ぼう。よろしくね。
◇
武器や防具への想いの力を結晶化させる技術。これは凄い。使い込んだ装備は確かに愛着湧くもんね。ちょっと違うか。
不滅隊がアマルジャ族を叩く作戦に出るみたい。行ってみるか。
―――ちり、と首元がざわつく。マシなことにならなさそうだが、弱き者を苦しませる奴らを許すわけにはいかない。その作戦に乗ってやるよ。あ、勿論幻術でね。
囲まれている。これはやられたな。いくら倒しても湧いてくる。もう少し待てばサンクレッドたちが来るかもしれないが―――まあここは何が行われているのか実際に見てみるのが一番だろう。
『覚えたからな、テメェら』
あの声が響く。ダメだ。そのまま倒れておく方が賢い。過去がバレてしまう。だから、大人しくさせて。
蛮神、イフリート。アマルジャ族が信仰する神だったか。そういえば顕現させるために準備をしているんだっけ。そうかそうか。じゃあこの"超える力"とやらでお手並み拝見といこう。
赤き焔が吹き荒れ、その蛮神は現れた。ボクはそれを見上げ、人知れず笑顔を見せる。ちり、とまた首元がざわめく。右腕に、焔が宿った。何を考えてるか知らないが、ボクは神の信仰はとっくに捨ててるんでね。神殺しなんてどうも思わない。本当は直接手を下してもいいのだが―――ここは他の冒険者に手柄を譲ろう。ボクはただの初心者癒し手。怪しくなんてないさ。
◆
―――オイオイオイ。あのエーテル反応はまさかあの時のヴィエラか。リウィアも何で分かんねェんだ。どっから見ても脅威だろ。杖持って人を癒やすふりしてずっと蛮神の首を狙っておっかねェたらありゃしない。焔が吹き荒れた時しか回復してなかったぞあいつ。
てか最近消えたと思ったが髪を切って染めてやがったのか。ざけンなよ。小細工でもない手段で一瞬見逃した俺がバカみたいじゃねェか。
とっととデータ集めて閣下に報告しねェとこっちが損害被ンぞ。
◆
本来、蛮神の光に中てられるとテンパード、信徒化されてしまうらしい。蛮神の威光で信者を増やし、強大な存在として顕現する。顕現するためにもエネルギーが必要でそれはクリスタルで賄う。なるほどそうやって2つの事件が繋がるのか。
そしてそのテンパード化を防ぐのがこの超える力による何らかの加護。それがエオルゼアを生きる人々を護るための奥の手だという。なるほどね。
気になるのはサンクレッド。ボクを危険な目に遭わせてしまったと思っているようだ。別に大丈夫なんだけどね。"急いては事を仕損じる"、あんまり慌ててもいいことないよ?
って何か騒がしいな。グランドカンパニー? 興味ないんだけど―――しょうがないか。確かにボクみたいな強い力の人間がフラフラしてたら怪しいし面倒なことになるもんねぇ。重い腰上げてまずはボクがグリダニアの使者として回った成果の式典に行ってみましょう。
リムサ・ロミンサ。2つの蛮族と帝国によって大きな拠点も作られ更には海賊対処も大変、と。覚えておこう。これは"使える"。今は式典で警備も割かれた"最後のチャンス"だ。そういえばコボルド族は爆弾をポイポイ投げてたな。証拠隠滅には持って来いだ。よし。
ウルダハ周辺。アマルジャ族は火を用いた術が多い。これも利用価値があるかもしれない。青燐水を運ぶ体制が整っているこの辺りなら"発見"されやすいだろう。
グリダニアは―――下手に森を傷つけたら面倒なことになる。こんなにも落ち着く場所で醜い自分を見せたくない。
さあグリダニアの式典に行く前に計画の始まりだ。
◇
疲れた。この一言に尽きる。二度とこんな仕込みはしたくない。あれだけ盛大にやればあのボケたであろう爺な皇帝にも分かるだろう。―――鮮血の赤兎は死んだと。自分が喉から手が出る程欲しかった力が不慮の事故で消えたのだ。現場付近で張っていた結果、第一発見者は帝国兵だった。そしてその遺品は彼らによって回収されるのも確認。
血に塗れた荷物も全て向こうが処分してくれるので身軽になった。我ながらナイスアイデア、これで厄介な目もなくなる。念のため幻具は持ち続けるが。
勿論所属は双蛇党。もう少しだけグリダニアに滞在するさ。
そして着任早々お仕事。そこには飛空艇の乗組員らしきルガディンが帝国兵の動向を見守っていた。声を掛けると早速怪しまれる。まあ当たり前だ。軍服着てないし。双蛇党の人がすぐに誤解を解いてくれた。よかった。
あの飛空艇は新造艇、最新型らしい。そういえば飛空艇というか魔導技術は帝国由来だったか。亡命者が作った会社の製品なのだろう。ガーロンド・アイアンワークス社という会社は今肝心の会長が行方不明らしく、大変そうだ。
初めての魔導兵器相手の勝負だ。硬い装甲はぶち壊し甲斐がありそうだが、まあ今は幻具を持っているので大人しくする。人や動物とは違う手ごたえがありそうでいつか自分の手で殴る時が楽しみだ。
晴れて正式に入隊となり、和やかな空気の中歓迎された。なんだかすごく首元がくすぐったい。そそくさとミンフィリアの元へ戻る。
この人もボクの活躍が自分のことのように嬉しいのか。面倒見がいい人が本当に多い地域だなここは。
ついでに前に助けた魔導技師の2人も暁に迎え入れられた様子。確かにどの勢力も欲しそうだよね。
どこにも属さず中立企業でいるのは凄いと思う。だって頭が行方不明な地点で吸収されててもおかしくないでしょう?
次の依頼は双蛇党から。照れて逃げたのにすぐに呼び戻されたね。ふふっ。とりあえずチョコボを支給してもらうついでに話だけ聞いてこようか。あと久々にウズウズして拳を行使したくなったんだよね。後でウルダハ行って格闘士のギルドにも寄ってみよう。ついでにパンチ力の威力調整方法とか分かるかもしれないし。
なるほど。なるべく戦を起こさず対話だけで解決出来そうな種族なのかシルフ族は。モーグリもイタズラ好きだが基本的に怒って来ないのを見てるとこの黒衣森に棲んでる部族は大きな争いは好きじゃないのかもね。森の精霊が怖いから。
◇
チョコボを支給してもらう。名前はフレイム。バディとして一緒に戦闘もしてくれるらしい。よろしくね、相棒。
相棒を作ったのは簡単。久々に弓術士ギルドに顔を出して依頼を受けようと思ったからだ。
密猟者パワ・ムジューク、ねぇ。中々いい腕の持ち主だ。だけど弱き者を困らせる人間は許せないよ。でもあくまでも弓術士ギルドのシルヴェルとレイ・アリアポーに華を持たせる。難しいお仕事だ。ボクは外からやって来た旅人だ。こういう現地の問題はそこの住人が解決するべきだ。自分に足りなかったものに気が付き、それを認め合い、背中を預け合う関係を見るのは好きだ。ボクはいらないけどね。人助けさえできれば、それでいい。
目を褒めてくれた。ボクのこの目が、今回の偉業を達成したのだと。少しだけ首元がくすぐったい。そして伝説の吟遊詩人について教えてもらう。歌には全く興味はないけれど、人を鼓舞させる能力は気になる。弓握り、この先を見てみたいのだ。
カッコイイヒゲのおじさまだった。少し陰りのあるエレゼンのおじさまに少しだけフウガの面影を感じた。モーグリ族と心を通わせ、詩歌を奏でるとはいいものだね。ソウルクリスタルと呼ばれるものを受け取り、少しだけ、手に付けてみよう。
幻術士ギルドにも立ち寄る。どうやら最近森で淀みの発生が多い原因が見つかったみたい。精霊の声が聴けることが分かったシルフィーを連れ、南部森林へと向かう。
原因はアコーマンという妖異だった。自然の力を受け入れたシルフィーと一緒に元を絶った。道士として一つの成長を果たした彼女が少し眩しく感じる。きっと立派な子になるよ。
その後、カ・ヌエ様の妹弟が護衛を付けずに儀式へ出立してしまったのでその手助けを頼まれた。エ・スミ様からのお願いなら仕方が無いね、とエバーシェイドへと向かった。
案の定長老の木周辺の魔物に手を焼いていた。手助けをしてやる。すると彼らのご先祖様に後継者として認められたらしい。白魔法という新たな癒術を習うことになる。弟クンには認められなかったけどまあそれはこれから様子を見ればいいだけ。柔らかな笑みを浮かべる。
精霊の怒りを鎮める儀式の協力か。そんな経験まで出来るとは旅をしてみるもんだ。
◇
一通りの頼まれごとを解決したのでシルフ族の件を片付けに行く。近隣に住む住人によれば悪意はないが価値観は人間とだいぶ異なるイタズラ好きらしい。仲良くなれそうだ。
警戒心が高まっているのか長ちゃまとやらに会わせてもらえない。とりあえず機嫌取りにシルフ助けをする。可愛らしい子達。ぼやかしているが会わせることが出来ないというよりかは行方不明みたいだ。どうやら帝国兵が変なことしているのではないかと予想されているようで。本当ならそれは大変だ。二者の仲を深く繋ぐ英雄とまで言われるとは思わなかったが、人助けは別に苦にもならない。
長ちゃまとやらは南部森林に行ったまま帰った来ないらしい。向かってみよう。
バスカロンによるとグリダニアの衛士の中に帝国兵を手引きしている存在がいるらしい。気軽に潜んでたしそうとも言えるか。金払いが良くなった鬼哭隊の男ローレンティス。彼を追いかける。
犯行動機は金のため。ていうか滅茶苦茶バスカロンブラザーズの近くで取引準備をするなって。バカだなあ。そんな奴に負けるわけないし今回のような件のためにバスカロンは人の心を掴んでるんだよ、おばかさん。本当に気付いたならいいけど……まあ今後の彼次第だ。
弱き人間1人の力では何も起こせないのは当たり前。ボクは必要ないけどね。何も持たない旅人なんだから。
情報は集まった。どうやらトトラクに逃げ込んだまま戻ってこないらしい。立ち入り許可を貰い、突入することに。
その奥にはアシエンが待ち受けていた。アシエン・ラハブレアという存在らしい。蜘蛛を凶暴化させ、襲わせてきた。
あっという間に討伐し、一息つくと繭の中からシルフ族が飛び出してくる。どうやらこの人が"長ちゃま"らしい。また、超える力が発動し、記憶が再生される。
捕まったシルフ族は拷問により殺された。そして偉そうな赤鎧は、誰だ? 機工師、らしい。シドという男と因縁があるのか。あの野望だけバリバリありそうな鎧の名前はネロ。覚えておこう。煽って舐めた戦いしてじわじわと追い詰めてバカにしてやるからな。
無事フリクシオ長ちゃまの救出が終わり、シルフの仮宿に戻った。そこでラムウについての話を聞く。自分たちの領地に入らなければ何もしない、と。それだけ祈りの力が強いということだろう。なら今の所は触らなければ大丈夫と。書簡を貰い、グリダニアに戻る。
その後ミンフィリアに報告しに行く。あ、ビッグスとウェッジが出したってことはシドはあちら関係か。噂の行方不明の会長サマと。技術を仕込まれてとのことだからやはり相当腕が立つのだろう。
そして暁の仲間としてシルフのノラクシアがやって来た。賑やかになったね。
◇
仮面の男の痕跡を辿るとアラミゴ人と取引がある可能性が高いことが分かった。東ザナラーンのリトルアラミゴにて手がかりを探そうとしたが、排他的な彼らから一向に話が出来そうにない。
仕方がないので人助けだ。格闘士の基本的な型を教えてもらいながら東奔西走する。ボクは少しだけ手加減が苦手なのでどうしても弓に頼ってしまう身。最近街の側に設置してあった木人を吹っ飛ばしてしまった。型を用いた戦い方はとても新鮮。
森の掟は厄介だ。苦しんだ人を助けることが出来ないのは窮屈ではないだろうか。しかしそれで成り立つ国ならば仕方のない事なのだろう。少しでも楽にできるよう薬の調達を手伝う。お礼として紹介状を書いてもらった。これで進展したらいいが―――。
どうやらリトルアラミゴの若者たちとその仮面の男が接触しているらしい。何を企んでるか分からないけど―――若いねえ。
若者クンの1人、ウィルレッドに呼ばれたので話を聞きに行く。何か襲い掛かって来たので毒矢と風でなぶる。どうやらよほど帝国を倒したいらしい。短絡的なガキは嫌いだよ。
どうやらアマルジャ族からクリスタルを強奪してラールガーを呼び降ろす儀式の手立てを教えてもらっていたらしい。莫迦だ。キレたアマルジャ族も追いかけてきた。莫迦な若者だけど、祖国を救うために真っ直ぐな莫迦は無下には出来ない。護ってやろうじゃないか。
蹴散らして詳細を聞いたが結局騙されただけで何か手がかりを持っていたわけではなかった。仕方がないので砂の家に戻ろう。
戻る前に格闘士ギルドのお爺ちゃんを鍛える。いやおかしい。教えてもらいに来たはずなのに教えてる。でも全盛期のキレを見れたからいいかな。闘技場には興味ないけど悪くはない人だった。
あと―――今まで一撃重視だったけど連続攻撃も悪くないかもね。戦術としてストックしておこ。
特殊な武術、ねぇ。肉体に宿るエネルギーを制御し、それを力として放出するのは得意分野だ。古戦場を巡り、チャクラと呼ばれるものを開き、修行と。モンクの導き。うん、何か楽しくなってきた。
ミンフィリアにリトルアラミゴにあったことを報告する。第七霊災以降の騒乱が全てアシエンとやらのせいが浮上してきた。どこまでそうなんだろうねぇ。
次は黒衣森にアシエンの目撃情報が。見てこよう。
仮面の男が引きつれた奇妙な目玉の化け物が若い女性の死体を運んでる、ねぇ。共通点は白百合紋のボタン、と。グリダニア内で聞き込みをする。かなり精巧でいいつくりをしていたのでいいお家のものだろうと。
辿った結果、ダルタンクール家という名門の証らしい。それを知る男ウルサンデルに詳細を聞く。
かつて美しかった当主が第七霊災で傷を負い、それを治療する儀式を行ったのが仮面の男"たち"。変わり果てたお嬢様はメイドたちを拷問の末に殺していき、死体は外へ運ばれた、と。うーん気持ち悪い。弱き立場の人間を苦しめて殺す人間は嫌いだよ。
ハウケタ御用邸。確かに先に戦った目玉の化け物が飛んでいる。幻具を手に持ち、その扉を開いた。
妖異と化した哀れな当主様を吹っ飛ばした後、アシエン2体がやって来た。何人いるんだ、コイツら。
深淵の司祭とは大きく出たなラハブレアとやら。この世界の真の姿とやらは何か分からないが―――闇なんていらない。
元使用人のお爺ちゃんも喜んでくれたしこれで調査は終わりだ。砂の家に戻る。
一通り報告が終わったら次はまた蛮神調査。人使いが荒い。次は―――激戦になりそうだと。まあこちらは幻具を持ってフォローするだけだ。何も苦ではない。そろそろ何か別のギルドに行ってみようかな。次は何にしようか。
少しだけ暁の血盟の子たちから話を聞く。ノラクシアは人に化けるようになり、アレンヴァルドくんが護衛することになったらしい。微笑ましいね。あと"落ちるダラガブに飛空艇で体当たりをしそうな性格"の親方さまはどんな人間なのかしらね。
◇
斧術士ギルドに顔を出してみる。船を造るための丸太を手に入れる道具から、圧倒させるための武器へ。攻めるため、護るため戦場に長く残り斧を振り回し敵を砕く。目立ちたくないがスタイルとしては合っている。少しだけ斧を振り回すことにした。
力ない人々の味方になるため、海賊のように斧を振り回すのは変な感じだ。リムサ・ロミンサの人助けを通じて彼らの生活や主張を聞いて回る。各々彼らなりに正義があることが分かり、嫌いじゃないと思った。
親を"クジャタ"と呼ばれる魔物に殺された少年を助けた。弱き人を助けるのは、ボクの役目だ。
「姉ちゃんみたいな斧術士になりたい!」
ふわり、首元が温かな風で撫でられたようにくすぐったい。―――それはキミの頑張り次第。なりたいのなら、修行はサボっちゃダメだよ?
◇
「はい! がんばって行ってきます!」
「いってらっしゃい、フウガ」
リテイナーのフウガに一通りの植物に関する知識を吸収させた。あとは実践だということでで収集任務をお願いする。スクリップとクッキーを渡し、走って行く姿が可愛らしい。ゆっくりで構わないよと手を振りながら見送った。
さて、まずはタイタンについてメルウィブ提督から直々に話を聞きに行った。うーむ元々協定を結んでいたが、国の安定のためにという名目で人間の方から破ってしまい防衛のため召喚、と。ウルダハ程じゃないが自分勝手な言い分でこちらに助けを求めてきている。―――まあ政争には興味はない。このまま放置していては被害が広がる一方だ。とりあえずタイタンがいた所に行く術も分からないというのなら、解散した以前タイタンを撃退したという"海雄旅団"のメンバーを探しに行こう。話はそこからだ。
どうやら"グレイフリート風車群"に元海雄旅団員だと自称する人間がいるらしい。向かってみる。
―――おかしい。覇気が見えない。一番の実力者にしてはちょっと不安になる。案の定偽物だったが、どうやら本物さんはコスタ・デル・ソルにいるらしい。そういえば初めて行く場所だ。本当にいるよね? 嘘ついてない? 大丈夫?
◇
斧術士ギルドでコスタ・デル・ソルで"魔人"が現れたので調査してほしいという依頼も受けたのでついでに見に行ってみることにした。
コスタ・デル・ソル。富豪ゲゲルジュが買い取った集落。青い空、白い海―――バカンスに持って来いだろうね。ボクは興味ないけど。
斧を持った赤く輝いた目で吼えるヒト。見るからに暴走している。斧術士とは違うらしい。集まって来た魔物を吹っ飛ばしていると去って行ったはずの魔人とやらが戻って来た。しかし澄んだ目を見せている。協力して斧を振るった。
この男はどうやら大昔に途絶えたと言われていた"戦士"の技を広めるために修練の旅をしているらしい。実際彼ではないと思われるが海雄旅団員にもいたらしく、それはそれは期待できる技術だ。
"原初の魂"と呼ばれる己の中に眠る力を呼び覚まし戦う存在、それが戦士らしい。歴代戦士の魂が宿ったクリスタルを受け取り、少しだけ修練を積んでみることにした。
見つけた。元海雄旅団の副団長ヴェイスケート。タイタンを倒したいと言ってもまともに取り合わず珍味を集めてこい、と。意外とリムサ・ロミンサは余裕あると思っているんだね。まあどうせ他の海雄旅団メンバーと会わせて実力確認がてら酒盛りの準備をしたいのだろう。海賊らしい回りくどさだ。勝手にすればいい。
黒衣森に行き"アダマンタスの卵"を、ザナラーンに行き"ラントンウォームの肉"を手に入れ、またラノシアに戻る。エオルゼアの珍味なんて呼ばれる食材を自力調達していった。
その合間に幻術士ギルドに立ち寄るとどうやら見知らぬ手負いの獣が北部森林で目撃されたらしい。治療しに行くとそこにはとても美しい角が生えた白い馬。噂で聞いたことがあるユニコーンみたいだ。傷を癒すと懐かれたのでギルドに戻ると予想通りユニコーンじゃないかと言われる。人に懐かないと聞いていたがそんなあっさりボクのような旅人を信用したらダメだよ? まあ旅は道連れ世は情け。ついて来たければ勝手においで。
2種類の珍味を集めた後、コスタ・デル・ソルに戻る。どうやら最後の珍味の事を知る"ブレイフクロス"と呼ばれるゴブリンの元で何か面倒な事件が起こったらしい。向かってみると野営地にデカイ何かが襲来したらしく助けてほしいんだって。杖を持って奥地まで行くと毒を吐くドラゴンがいるじゃないか。倒してやると感謝の印として最後の珍味である"ゴブリンチーズ"を貰う。これでいいだろう。
持って行ってやったら何と言われたと思う? 晩餐に合う最高のワインを持って来いだって。そうかそうか最後の晩餐がお望みか。
◇
「私の光となって、少々手助けしてくれませんか?」
シャマニという男に会いに行く。元海雄旅団の新人醸造師らしい。究極のワインと言われる、"バッカスの酒"を復活させるため協力してほしいと。第七霊災で"バッカスグレープ"が全滅してしまったみたい。手段を模索する合間にかつて命を助けられたというドレストという男の元へ向かう。
元帝国兵。成程属州民の人間か。理不尽なもので。故郷へ帰れる日が来たらいいね。
シャマニが醸造したワインのお礼として回収したココナッツワイン。栓に使われていた葉がどうやら"バッカスグレープ"だったらしい。急いで彼の元へ戻る。
結果を言うと、グゥーブーの頭に残されていた。枝は手に入った。これで失われたモノを取り戻せるのだろう。こういう人助けは好きだ。人の温かな光を見ることが出来る。バッカスの酒はビルギレントのコレクションから貰った。これで最高のワインも集まったのでいよいよタイタンだ。気を引き締めていこう。
かつての海雄旅団が蛮神討伐を共にする仲間を見定めるために行う試練。それが3種の珍味と最高のワインを集めさせる。―――いやまあ何も文句は無いよ?
集めてきた素材で作られた料理はおいしかった。これは―――同じ食材がないと再現は難しいかも。あと美食家ゲゲルジュが集めた料理人が作った最高の料理だ。そんな簡単なモノじゃないよね。
それじゃあ彼らの英雄譚を、受け取ろうじゃない。
場所はブロンズレイク。タイタンの元へ。
蛮風エーテライトというものがあるらしい。成程。コボルド族が住んでる場所は山の穴倉暮らし。1つずつ歩いて調べるなんて日が暮れちゃう。きっとタイタンがいる所へ直接飛ぶエーテライトがあるに違いない、と。
青色のクリスタルを見つける。これがコボルド族が使っていたエーテライト。ヤ・シュトラがエーテル送り続けることで機能させ、タイタンの元へ送り込んでくれるらしい。
タイタンはどんな刺激をくれるのかしら。すぐにへばるんじゃないよ?
◇
『盟約をたがえなければ、山を下りることはなかった』
『聖域を踏みにじるヒトの子』
一方から英雄と言われる存在は、また一方では悪魔と呼ばれることになるとは言うけど―――ふふっあの大義名分じゃあどっちが敵か分からないね。でも自分たちの首を絞めるような蛮神召喚はよくないよ。蛮神召喚でエーテルを侵食、喰らいつくすことで自分達が住めるところがなくなっちゃう。彼らもまた助けなければならない存在なのだろう。まあ助けろとは言われてないので介入する気はないんだけど。
そうして大きな岩のような存在タイタンを討伐する。どこかひりつくような悪意を首元で感じつつ、その場を後にした。まだ調べものがあるというヤ・シュトラと別れ、リムサ・ロミンサへと報告しに帰ろう。
―――この時のボクは完全に油断し切っていた。過去なんて捨てることは出来ない。どうすればいい、頭の中がグチャグチャになりながら、走ることしか出来なかった。
その2へ]
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