FF14の二次創作置き場

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No.151

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補足蒼天以降のまだお互い感情を自覚してない頃のシド光♀。エオルゼアにポッキーが存…

蒼天

#シド光♀ #即興SS

蒼天

"11月11日"
補足
蒼天以降のまだお互い感情を自覚してない頃のシド光♀。エオルゼアにポッキーが存在する概念です。
 
「シド」
「アンナか。どうした?」

 ガーロンド・アイアンワークス社。シドは休憩にと伸びをしていると後ろから旅人のヴィエラアンナに話しかけられる。
 人助けが趣味のお人好し。いつも助けてもらっているし、手伝ってほしいと言われたら全てを放り出し飛んで行った。クールでミステリアスな雰囲気で、何を考えているのか分からないそんな女性だったが最近分かったことがある。
 ―――その顔は完全に仮面であり、本来の彼女はイタズラが好きな人間だった。何かあるごとに色々な手段で驚かされ、心臓が何個あっても足りない。だが無かったら無かったで物足りない。
 きっかけは星芒祭でのプレゼント交換。以降、どこか距離感が変わった気がする。やっと少しだけ心を開いてくれたのかとシドは肩をすくめていた。

「見て。ポッキー」
「そうだな。既製品を持って来るなんて珍しいじゃないか」

 差し出されたのは長細いチョコレート菓子。その内の1本をそのまま貰う。

「さっき街で"ぽっきぃげぇむ"というものを聞いた。知ってる?」
「聞いたことないな。というか何だそのイントネーションは」
「ふふっ予想通り。あなた流行に疎いもんね」
「なっ。失礼だな。……そ、それ位知ってるぞ」

 シドはジトリとした目でアンナを睨むとニコリと笑顔を浮かべた。

「どんなの?」
「先に折れたら負けだろ」
「うーん合ってるか違うか微妙なライン」
「じゃあそれで正解じゃないか。ほらもう1本出せ」
「うんうん違ったね。それじゃほら口に咥えて」

 チョコレートの部分を口に向け「ほら」と含まされる。首を傾げているとスナック側からアンナはカリカリと食べ始めた。逃がさないかのように、後頭部を押さえつけられる。

「っ!?」
「折った方が負け」

 シドの顔は瞬時に赤くなるがアンナはいつもの笑顔を浮かべ少しずつ食べていく。このままでは唇に触れてしまう、そうか所謂カップル層向けのゲームだったのかと脳内で慌てていた。そしてもう数イルムで触れてしまう直前で、ポキリと折れた。

「ナイスイタズラ」

 アンナは額をゴーグルにこつりと当てた後、耳元で囁いた。

「アンナ、おま、お前、お前!?」
「残りのポッキーあげるから。じゃ」

 踵を返し、走り去って行く。その場には耳まで真っ赤に高揚しきったシドのみが残される。手で顔を覆い、ため息を吐いた。



 次の日。アンナはレヴナンツトールにて食材調達のため歩き回っていた。そこに「アンナ!」と聞き覚えのある声が呼び止める。

「シド」
「よかったまだレヴナンツトールにいたんだな」
「旅の準備」

 いつものように小走りでやって来た白色の男にアンナはニコリと笑顔を見せた。

「何かあった?」
「いや昨日の礼を言いたいなと」
「礼? 何かあったっけ?」

 シドも同じように笑顔を浮かべる。

「いや昨日ポッキー置いてっただろ。まあ全部仕事の合間に食べた。ありがとな」
「なんだそんなこと。別に気にもしてないよ」
「一粒で二度おいしいというのはそういうことを言うんだなと学びもあったからな。旅は程々にしてまたこっちの手助け頼むぞ」
「? うん。何か手伝ってほしいことあるなら引き受けるよ」
「じゃあな」

 そのまま走り去って行く。アンナは何が起こったか分からず首を傾げていた―――。


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