FF14の二次創作置き場

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No.149

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"聞いて……感じて……考えて……"グリダニアに降り立つ直前夢…

メモ,新生

#謎メモ

メモ,新生

謎のメモ(新生)

"聞いて……感じて……考えて……"

グリダニアに降り立つ直前夢を見た。ふわふわと浮かぶ星空の世界の中、フウガの口癖とよく似た言葉が響く。暗闇の中、星が私に力を与える奇妙な白昼夢。
 声を掛けられ、目が覚めると同乗者の旅商人。先程ボクが野党に襲われている所を助け、お礼としてちょうどグリダニア行のチョコボキャリッジに乗る所だったと連れて行ってくれた。

 あの夢はエーテル酔い、だったのだろうか。

 森の住人に話しかけられた。どうやら今は一緒に乗っていた双子と私にだけ見える存在らしい。奇妙な体験だなと苦笑した。どうやらそれに高じてイタズラ好きみたい。もしかしたらいつか仲良くお話しできるかも。

 この商人はブレモンダという男らしい。冒険者なのかと聞かれた。本当は違うのだが―――まあこの辺りで動き回るなら都合がいい身分なのだろう。合わせておくことにした。
 冒険者になった理由、つまり旅の発端ということだろうか。……力だ。旅をしながらこの圧倒的な力で人助けを行うのが今のボクの使命。戦いは気分が高揚するし、欲求不満の改善にもなる。

"英雄になったとしても、死んじまったら、墓石しか手に入らない"

 いい言葉だと思った。名誉は興味ないが、何でもない旅人だって英雄だって死んでしまえば手に入るものは一緒。
 言われた通りとりあえずグリダニアに着いたら冒険者登録をしよう。

『危ない!』

 どこかから聞こえた声とボクの声が重なった。ブレモンダは驚いたような顔をした直後、矢が傍を掠り刺さった。
 イクサル族。この辺りに生息するトカゲたちのようだ。グリダニアの人間と敵対しているらしい。助けに入るのも悪くはないが折角の街に入るチャンスを無下にしたくない。無事を祈り、その場をやり過ごした。

 歴史に名を残したくないが、誰かに自慢される名も無き冒険者という存在になるのは悪くないかも。



"故郷を懐かしみたいなら、エオルゼアのグリダニアへ行くがいい"

 グリダニア。綺麗な森の中にある古都。どこか懐かしい、フウガの言う通りだ。故郷はもっと小さな里だったと思うけど、澄んだ空気がヴィエラの本能を刺激されたみたい。余所者に厳しいのも故郷と一緒だ。笑みがこぼれる。
 とりあえず身分証明のために冒険者ギルドへ向かった。

 ミューヌという不思議な雰囲気の女性に話しかける。この国についてのレクチャーを受けた。
 野党やイクサル族という部族だけでなくあのガレマール帝国に悩まされているらしく、冒険者という仕事は意外と大変そうだ。

 5年前の霊災というものの後処理がまだ終わってないらしい。あの時ボクは……ああ偶然カルテノーに辿り着いて人助けしたらグリダニア越えてラノシアに送ってもらっちゃったんだっけ。懐かしい。
 あの時に見た、流れ星は未だに覚えている。世界が滅ぶ時ってこんな感じなのかもしれないな、としみじみした。それを何とかしたのが"光の戦士"たちという存在なのだろう。ボクには無縁の存在だから記憶の片隅に置いておこう。

 街の人の話に耳を傾けながら歩き回っていると巨大なクリスタルの前に辿り着いた。そういえばリムサ・ロミンサにもあったな。興味なくてそのままにしてたっけ。転送魔法があるとは知らなかった。これで迷子になった時にここに帰って来れる、かもしれない。冒険者という身分は本当に便利なモノだ。
 人助けはやはり楽しい。子供の心を開かせたり、物を運んだり魔物から剥ぎ取った素材を持って行ったりする。これからしばらくお世話になる街なのだ。信頼を稼ぐのも悪くはない。
 だから槍を封印して、少しでも怪しくないヴィエラと見せなければ。"鮮血の赤兎"の噂がここまで来てなければいいんだけど。

 弓術士ギルドに入門する。故郷やフウガの修行で人よりかは扱えるのだが、素直に人に教えを乞うという行為も戦術の一つだ。

『面倒だが初心にかえって修行も楽しもう。何かいいヒントが見つかるかも』

 どこかから声が聞こえた。その通り。弱き人らの笑顔を引き出すための、冒険者という存在に擬態するため、しばらく弓の修行をしよう。



"強き旅人として歩みたいのならどの武器も好き嫌いせず勉強せよ"

 本職の方々によるとやはりボクの弓の扱いは隙が多いらしい。まあわざと初心者っぽく見せてるんだけど。何もかも完璧だと怪しまれてしまう。あくまでも新人の、人助けが趣味な冒険者として。

 少しだけ未熟な冒険者の演技に慣れ始め、住人に頼られ始めた頃。バノック練兵所からの依頼で乱れたエーテルの先、切り株に刺された剣を見下していると女性に話しかけられた。
 天真爛漫な女性は格闘士のようだ。その隣にはララフェルの呪術士だろうか、杖を背負い奇妙な装置を顔に付けた青年がいる。一瞬ボクの犯行かと疑われたが、一緒にやってきていた森の住人に誤解を解いてもらえた。その直後この森の怒りを見に受けることになる。
 硬い樹木はこの森の精霊なのだろう。怒り狂って闇雲に襲い掛かるのは賢くない。いやあまり悪口はよろしくないだろう。
 流石に精霊の急所は分からない。何とか矢を撃ち、2人と共にその怒りを鎮めた。
 キョロキョロと見渡すと奇妙な石を見つけた。それに手を伸ばそうと瞬間、眩暈を覚え倒れてしまった。

"聞いて……感じて……考えて……"

 奇妙な夢の声の主はハイデリンというらしい。星の意思、らしいがよく分からない。ボクには世界を救う力があるらしいが―――興味はない。ただ旅を続けるだけ。

 後で教えてもらったが彼らはイダ、そしてパパリモというらしい。ボクの次に怪しそうな漫才師に見えたがどうやらえらく信用されているらしい。どこかでまた会えるかもしれないし、どちらかが欠けてしまうかもしれない。



"森には精霊がいる。お主の故郷もそうだっただろう? そうか、知らぬか。……精霊へ感謝の意を示す儀式というものは重要な意味をはらんでいる。絶対に邪魔をしてはならぬ"

 監獄跡にて。儀式に失敗してしまったらしい道士たちを助けるためにインプを払いのけ奥へと進む。そこにいたのは巨大なゴーレム。あっさりと倒し何やら気配を感じたが既にいなくなっていた。一瞬だけ仮面を被った魔道士が見えた。あれがゴーレムを召喚したのか。胸のざわめきがどこか既視感を覚える。
 そこで再びイダとパパリモに出会う。博物学者、らしい。そこで眩暈が襲い掛かった。

―――記憶、だろうか。私が知る由もないはずの風景が、目に映った。

 パパリモが何やら変なことを言っていたが、別に興味は湧いてこなかった。とりあえずボクが出来ることをやっていこう。
 例えば―――弓の他のギルドに顔を出してみるとかね。この一件で道士という彼らの営みに興味を持った。
 そうして人を癒やす力を持つ幻術士ギルドへボクは向かうことになる。

『やれることを増やして人助けの種類を増やすのも有りかもしれないねぇ。少しだけ耳を傾けようか』

 ほら声もそう言っている。ふふっ、旅の知識を生かしてクラフターも有りかもね。

◇◆◇

―――何だあのエーテルは。ありえない。何故光の加護を受けた冒険者の魂に"あの男"のエーテルが纏わりついている。ありえない、絶対に許されない。
 あのヴィエラだけは、存在してはならぬ!


◇◆◇

"自然は我らの味方。必ず大切にしなさい。円滑に旅を行うためにも、自然との対話は欠かしてはならぬ"

 幻術士ギルドにて"土"と"風"についての教義を受けた。自然の力を借りて、それを癒やしの力とする。いい話だ。そしてシルフィーという少女の力の使い方は―――過去の自分を思い出す。力の行使に必要な自然エネルギーの力を借りず癒すということは。代わりに使っているのは己のエーテル。こればかりは痛い目を見ないと分からないだろう。だってボクがそうだったのだから。

 もっと自然との対話というものについて知りたい。というわけで次は園芸師ギルドだ。何か異変があったらすぐに怒る森から資源を貰ってくるということは、道士と同じように自然に近しい存在なのだろう。
 樹木の扱いに関しては全く分からないわけではない。しかしハチェットを担ぎこうやって森の中を走り回った経験はなかったので新鮮な体験だった。そして成果物は姉弟子シセリーの言う通り、裁縫に木工、調理にも生かされる。とりあえず木工師ギルドに顔を出してみよう。新しい弓を作り、調整できるようになりたいしね。
 マスターのベアティヌはとても怪しいけれど、悪い人間ではない。楽しく学ばせていただこう。

 そして自然というものに関して忘れてはいけないのは命への感謝だろう。革細工師ギルドに顔を出してみる。弓と同じく装備も自分の動きやすいものに調節したい。革細工はまあまあ出来る。昔狩猟した皮で衣服を見繕っていた頃がある。"あの男"に物凄く怒鳴られて以降は最低限の加工以外はやっていなかったが。エオルゼア一の革細工ブランドも持つギルドで教えを乞うことも悪くはない体験だ。
 マスターのゲヴァは口は悪いが、腕は確かだ。褒める所は褒めてもらえるし修行には丁度いい。

 自然への理解を深めるうちにやはり幻術士シルフィーは魔法が使えなくなった。原因は当然、自らの生命力切れ。才能があるからこそ起こった壁。同じことをやらかした先輩として何かアドバイスしようとも思ったが、こういうのは本人が気付いて反省してこその成長だ。数歩後ろで、見守ることにする。



"我らが手に入れた力は誰かにとっては厄介なモノだろう。その言葉に怯えず、勇気を見せてやりなさい。"

 チョコボの卵盗難事件の解決を手伝った。なんとモーグリが守ってくれていた。ただ気まぐれにふわふわしてる子達かと思いきやお人好しな所もあっていい子なんだね。ますます気に入った。
 イクサル族の気になる動きを街の方に伝えるように頼まれる。そんな重要なこと旅人に任せちゃって大丈夫なの? 少し穏やかにするだけでこうやって仲間だと任命されるとはちょろいもんだ。
 まさかそれがとある組織とのコネに繋がるとは誰も予想できなかっただろう。

 イクサル族がグリダニアの民にとって重要な"長老の木"を狙った事件だ。どうやらこの聖地でクリスタルを精製し、侵略の足掛かりにするらしい。怪しげな術を使い、妖異を召喚し襲い掛かる。
 ボクは人を癒やす幻術士として手助けをした。協力は勿論するけど―――現地の人間が頑張らないとね。ケアルで癒してやりながらボクは戦闘をこなした。
 大きな妖異を倒し、神勇隊の人らを見送る。その時だった。背後から気配を察知する。振り向くとそこにはあの時の黒衣の男が佇んでいた。

 エーテルの歪み。先程よりも圧倒的に力を感じられる妖異。ボクのことが邪魔らしい。―――舐められたもんだ。土と風の力を借り、立ち向かってやる。
 毒だって? エスナで治療すればいい。風を纏わせ土塊をぶつける。大方妖異を吹っ飛ばし終わる頃、イダとパパリモが助太刀にやって来た。流石に幻術だけであの黒衣をぶちのめせるとは思っていなかったから丁度よかった。
 彼らは天使い、アシエンというらしい。倒した筈だが手応えは感じられなかった。
 不完全燃焼だったがグリダニアの住人には感謝された。なんと長のカ・ヌエ様にまで。大御霊祭りという精霊と人を繋ぐ儀式の主役になって欲しいらしい。あまり目立ちたくはないのだが……時々は悪くないかもしれない。
 仮面を被り、そこで近頃聞いたハイデリンとやらに関わるもの、そして拾ったクリスタルのことを聞かされる。
ボクの許可も得ず"超える力"と呼ばれるものを抱えさせられたことを知った。嗚呼眩暈が、また何か妙なものを、見せられる。

―――赤い、星。ダラガブ、に黒き龍。一方的な殺戮。そういえばあの日もこの風景を見た。赤色の服の人たちを、助けたっけ。抱えて走って、いっぱいお礼を言われて。そしてエオルゼアにやってきた。
 そうか私は過去を視ているんだ。これは、カ・ヌエ様の記憶を通した風景。ノイズも以前より減っている。慣れて来たのだろうか。いやそんな慣れは必要ない。

 目が覚めると宿。案の定ぶっ倒れてしまったらしい。祭りの途中に申し訳ないことをした。
 お詫びに行くとなんと国の代表として同盟国へ親書を持って行ってほしいのだという。―――ボクでいいのかい?

『それだけ"ボクたち"が求められているのさ。悪い話ではないだろう?』

 あの声は別に嫌ではないらしい。ミューヌも自分のように喜んでくれた。
 ……まあ"約束"よりも先に飛空艇に乗ってしまうが、それも別に悪いものではないだろう。冒険者という身分としてもっと広い世界を見て回れるのが楽しみで仕方がない。

 ねえ、キミは今どんな空を見ているのかな。大空へ運んでくれる白い少年クン?

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