FF14の二次創作置き場
更新履歴
- 2024/11/26 旅人は魔導兵器を識りたい 新生
- 2024/11/19 "召し上がれ&quo… 新生
- 2024/11/15 溶けあうもの 紅蓮
- 2024/11/11 "11月11日&qu… 蒼天
- 2024/10/18 "嫉妬"、… 漆黒,
No.140, No.139, No.138, No.137, No.136, No.135, No.134[7件]
"食事"
補足
お互い感情を持っていなかった頃のシド光♀。
シドがアンナをクールでミステリアス→面白生物という評価になった瞬間の話。
―――俺はアンナをどう思っているのだろうか。
「水くさいじゃないか。困ったときはお互い様だろ?」
「……ええ、そうだね」
第七霊災を終結させ、光の戦士と呼ばれるようになった女性がいる。名前はアンナ・サリス。趣味は人助けのお人好し。年齢、出身、誕生日、経歴全てが不詳の謎に包まれた"旅人"。
「冒険者はエオルゼアで活動するのに都合がいいだけなの。だから旅人って呼んで欲しいですわ。ずーっとそうだったから」
ある時こんなことを言われたので俺はそう称している。周りは経歴を調べようとしているらしい。だが、一向に情報が集まらないのを見るにそもそも名前だって偽名の可能性も高そうだ。誰にも隙を見せない、完璧なヴィエラである。
だが、俺はそれでもいいと思っている。古くから冒険者という生業の人間はどんな過去でも受け入れられる職業じゃないか。それにこちらが敵意を向けない限り、決してその笑顔を崩すことはないのだから。
そんなアンナとは俺が事故で記憶を失い、心を閉ざしていた頃に出会った。その手を引っ張られ、自らの使命を思い出した後、共に祖国でもある帝国打倒のため走り回る。
英雄と呼ばれるようになったアンナと同じ戦場に立つという行為は非常に誇らしく、好奇心が満たされていった。勿論クリスタルタワーでの出来事も記憶に新しい。時には共に戦い、またある時には護られ、必要に迫られれば共犯者にだってなる。まさにかけがえのない仲間というやつだ。
―――まあ、相手はどう思っているか分からないがな。どうせ助けている内の1人って認識だろう。俺は別にそれでも構わない。アンナに付いて行くだけで面白いことが起こるのだ。口実を見つけて追いかけるに決まっているじゃないか。
旅に出るのを引き留めるため、意を決して会社に連れて行った時。好奇心に満ちた笑顔で周りを見回していた。それから荷運びや護衛は勿論、手頃な話相手になるし差し入れにと菓子も持ってくる。嬉しいが嫌な顔一つせず何でも引き受けてるのは流石に申し訳ないと思ってしまう。
「アンナ、少しくらいは断ってもいいんだぞ?」
「面白いから大丈夫だよ」
なんて綺麗なニコリとした笑顔を見せやがる。なのでアンナが社内で何かを引き受ける時は、俺もなるべく付いて行くことにした。人と会話している時も、頼まれごとを引き受けている時も。流石に護衛中は周りに怒られるので大人しくしているが。
そうしていると理由は分からないが、少しだけ周りからの頼まれ事が減り、2人で世間話をする時間が増えた。最近訪れた場所や出会った人、動物に奇妙な装置と聞ける話は何でも聞いてやる。程よく刺激を受けるので全く苦にもならない。
ついでに美味しかった食べ物を再現したと持ってきた時もあった。それが凄い美味い。餌付けされてるような気もするがそれはただの杞憂としておこう。
「ねえ、そういえばプライベートでは何してるの?」
「暇だから次の案件の設計図やら理論について考えてるな」
「ん? ……それって仕事じゃないのかしら?」
「手は動かしてないぞ? じゃあお前さんは何をやってるんだ」
「? "旅人"は仕事じゃないよ。あ、暁の血盟関係ない人助けがプライベートってやつかもしれない」
なるほど。アンナはいつ休んでるんだと思っていたが、そもそも休みの概念が存在しないのだということに気が付いた。それならばと、他人のように断られる前提で「じゃあよかったら明日休みだから飯でも行かないか? ほら1人だと仕事の延長になってしまうからな」と誘ってみる。すると「いいよ」と即答が返って来た。
言い出しっぺのくせに一瞬心臓が高鳴ってしまい、平静を装うのに精いっぱいだった。
◇
アンナ・サリスという人はクールでミステリアスな女性だと思っていた。が、別にそうでもないかもしれないと最近気が付いた。その筆頭が食事風景である。ネロがクリスタルタワーで"珍獣"やら"野生動物"と喧嘩するごとに口にしていた。あの時は否定していたが、これを見てしまった俺もそうかもなと考え込んでしまう。
その日は突然やって来た。レヴナンツトールで合流し、飯屋で他愛ない話をしながら飯を食っていた時のこと。これまでの俺たち2人は、言うなれば仕事や作戦中隣に立っていたようなもので。こうやって完全にプライベートで会うという行為はマーチオブアルコンズ作戦直後以来であった。
最初こそは適度に楽しい食事の時間であったが、即違和感を抱くことになる。会話中は一切食事に手を付けないのは分かる。しかし少し目を離した隙にアンナ周辺から食べ物が消えているのだ。それとなく余所見するよう誘導され、振り向くと既にないのは誰でもおかしいことに気付くだろう。念のために机の下を見て落としてないことを確認してみるが綺麗だった。嫌な予感がし、勢いよく顔を上げる。すると俺は見てしまった。―――料理が口の中に"吸い込まれる"瞬間を。
俺はその場で素っ頓狂な声を上げてしまう。それから俺の休暇は、主にアンナに人間の食事方法を教えることへと費やされていった。
「何か襲撃が起こるかもしれないじゃない」
「この辺りでお前さんが出張るほど震撼するような襲撃が起きるわけないだろ!?」
「う……リンクパールで呼ばれるかもしれないじゃん」
「お前今も付けてないじゃないか!」
「あー……し、シドに食べられるかも」
「俺はそこまで食い意地張ってないぞ失礼だな!?」
子供っぽい言い訳と共に少しずつ小さくなっていくアンナに食器を押し付ける。そう、よく見ると目の前にはナイフやフォークの類がない。「箸なら知ってるんだけど」と首を傾げながら眺める姿に『こいつまさかひんがしの国にある森の中で野生動物に育てられたのか?』という予想がよぎる。その食べ方は見ているこっちの寿命が擦り切れそうだ。
「アンナ、飯代は今までウチで手伝ってくれた礼がてら俺が出す。休みの日はお前が、ちゃんと、食事が出来るようになるまで! 連れ回してやるから覚悟しろ」
「ホー……いやまあご飯美味しいなら別に構わないけど」
「というかあの食べ方で何で美味い料理を忠実に作れるんだ……」
味わえそうもない吸引に見えたのだが、体の構造はどうなってるのだろうか。俺も行儀よく食えてるかと言われると少し疑問だが、流石にこれよりかは"文明的"だ。マシだと思いたい。いやそこらの動物でも野蛮を通り越して芸術的な食べ方はしないだろう。とりあえず、今までの人生で自分にテーブルマナーについてとやかく言ってくれた家族らに感謝しようと思ってしまった。
―――後に。偶然2人で食事に行く姿を社員に目撃されてしまい、デートやら何だという噂が広がる。あいつらは実際の"戦場"を見てないからそんな戯言を言えるんだ。いや確かに冷静に考えればこれは俗にいうデートと思われる時間かもしれない。期待に沿えず残念だが、これは少しだけ刺激のある友人との食事という認識だ。
最初こそはどうしてこうなったと思っていた。が、逢瀬を繰り返し、アンナという人間をほんの少しずつ知るごとに、ミステリアスというイメージからユーモアな人間という印象に落ち着く。口調も穏やかで丁寧なものから徐々に変わっていき、当初より喋りやすくなったと思う。
そう、食べ方以外は本当に魅力的に映る人だった。いや食事風景も面白いのだが。いつの間にか教えるという行為が楽しい時間だと思うようになっている。
それが無意識下で友人以上の感情へと熟成されていたことを知るのはまだまだ先の話。
#シド光♀ #即興SS
お互い感情を持っていなかった頃のシド光♀。
シドがアンナをクールでミステリアス→面白生物という評価になった瞬間の話。
―――俺はアンナをどう思っているのだろうか。
「水くさいじゃないか。困ったときはお互い様だろ?」
「……ええ、そうだね」
第七霊災を終結させ、光の戦士と呼ばれるようになった女性がいる。名前はアンナ・サリス。趣味は人助けのお人好し。年齢、出身、誕生日、経歴全てが不詳の謎に包まれた"旅人"。
「冒険者はエオルゼアで活動するのに都合がいいだけなの。だから旅人って呼んで欲しいですわ。ずーっとそうだったから」
ある時こんなことを言われたので俺はそう称している。周りは経歴を調べようとしているらしい。だが、一向に情報が集まらないのを見るにそもそも名前だって偽名の可能性も高そうだ。誰にも隙を見せない、完璧なヴィエラである。
だが、俺はそれでもいいと思っている。古くから冒険者という生業の人間はどんな過去でも受け入れられる職業じゃないか。それにこちらが敵意を向けない限り、決してその笑顔を崩すことはないのだから。
そんなアンナとは俺が事故で記憶を失い、心を閉ざしていた頃に出会った。その手を引っ張られ、自らの使命を思い出した後、共に祖国でもある帝国打倒のため走り回る。
英雄と呼ばれるようになったアンナと同じ戦場に立つという行為は非常に誇らしく、好奇心が満たされていった。勿論クリスタルタワーでの出来事も記憶に新しい。時には共に戦い、またある時には護られ、必要に迫られれば共犯者にだってなる。まさにかけがえのない仲間というやつだ。
―――まあ、相手はどう思っているか分からないがな。どうせ助けている内の1人って認識だろう。俺は別にそれでも構わない。アンナに付いて行くだけで面白いことが起こるのだ。口実を見つけて追いかけるに決まっているじゃないか。
旅に出るのを引き留めるため、意を決して会社に連れて行った時。好奇心に満ちた笑顔で周りを見回していた。それから荷運びや護衛は勿論、手頃な話相手になるし差し入れにと菓子も持ってくる。嬉しいが嫌な顔一つせず何でも引き受けてるのは流石に申し訳ないと思ってしまう。
「アンナ、少しくらいは断ってもいいんだぞ?」
「面白いから大丈夫だよ」
なんて綺麗なニコリとした笑顔を見せやがる。なのでアンナが社内で何かを引き受ける時は、俺もなるべく付いて行くことにした。人と会話している時も、頼まれごとを引き受けている時も。流石に護衛中は周りに怒られるので大人しくしているが。
そうしていると理由は分からないが、少しだけ周りからの頼まれ事が減り、2人で世間話をする時間が増えた。最近訪れた場所や出会った人、動物に奇妙な装置と聞ける話は何でも聞いてやる。程よく刺激を受けるので全く苦にもならない。
ついでに美味しかった食べ物を再現したと持ってきた時もあった。それが凄い美味い。餌付けされてるような気もするがそれはただの杞憂としておこう。
「ねえ、そういえばプライベートでは何してるの?」
「暇だから次の案件の設計図やら理論について考えてるな」
「ん? ……それって仕事じゃないのかしら?」
「手は動かしてないぞ? じゃあお前さんは何をやってるんだ」
「? "旅人"は仕事じゃないよ。あ、暁の血盟関係ない人助けがプライベートってやつかもしれない」
なるほど。アンナはいつ休んでるんだと思っていたが、そもそも休みの概念が存在しないのだということに気が付いた。それならばと、他人のように断られる前提で「じゃあよかったら明日休みだから飯でも行かないか? ほら1人だと仕事の延長になってしまうからな」と誘ってみる。すると「いいよ」と即答が返って来た。
言い出しっぺのくせに一瞬心臓が高鳴ってしまい、平静を装うのに精いっぱいだった。
◇
アンナ・サリスという人はクールでミステリアスな女性だと思っていた。が、別にそうでもないかもしれないと最近気が付いた。その筆頭が食事風景である。ネロがクリスタルタワーで"珍獣"やら"野生動物"と喧嘩するごとに口にしていた。あの時は否定していたが、これを見てしまった俺もそうかもなと考え込んでしまう。
その日は突然やって来た。レヴナンツトールで合流し、飯屋で他愛ない話をしながら飯を食っていた時のこと。これまでの俺たち2人は、言うなれば仕事や作戦中隣に立っていたようなもので。こうやって完全にプライベートで会うという行為はマーチオブアルコンズ作戦直後以来であった。
最初こそは適度に楽しい食事の時間であったが、即違和感を抱くことになる。会話中は一切食事に手を付けないのは分かる。しかし少し目を離した隙にアンナ周辺から食べ物が消えているのだ。それとなく余所見するよう誘導され、振り向くと既にないのは誰でもおかしいことに気付くだろう。念のために机の下を見て落としてないことを確認してみるが綺麗だった。嫌な予感がし、勢いよく顔を上げる。すると俺は見てしまった。―――料理が口の中に"吸い込まれる"瞬間を。
俺はその場で素っ頓狂な声を上げてしまう。それから俺の休暇は、主にアンナに人間の食事方法を教えることへと費やされていった。
「何か襲撃が起こるかもしれないじゃない」
「この辺りでお前さんが出張るほど震撼するような襲撃が起きるわけないだろ!?」
「う……リンクパールで呼ばれるかもしれないじゃん」
「お前今も付けてないじゃないか!」
「あー……し、シドに食べられるかも」
「俺はそこまで食い意地張ってないぞ失礼だな!?」
子供っぽい言い訳と共に少しずつ小さくなっていくアンナに食器を押し付ける。そう、よく見ると目の前にはナイフやフォークの類がない。「箸なら知ってるんだけど」と首を傾げながら眺める姿に『こいつまさかひんがしの国にある森の中で野生動物に育てられたのか?』という予想がよぎる。その食べ方は見ているこっちの寿命が擦り切れそうだ。
「アンナ、飯代は今までウチで手伝ってくれた礼がてら俺が出す。休みの日はお前が、ちゃんと、食事が出来るようになるまで! 連れ回してやるから覚悟しろ」
「ホー……いやまあご飯美味しいなら別に構わないけど」
「というかあの食べ方で何で美味い料理を忠実に作れるんだ……」
味わえそうもない吸引に見えたのだが、体の構造はどうなってるのだろうか。俺も行儀よく食えてるかと言われると少し疑問だが、流石にこれよりかは"文明的"だ。マシだと思いたい。いやそこらの動物でも野蛮を通り越して芸術的な食べ方はしないだろう。とりあえず、今までの人生で自分にテーブルマナーについてとやかく言ってくれた家族らに感謝しようと思ってしまった。
―――後に。偶然2人で食事に行く姿を社員に目撃されてしまい、デートやら何だという噂が広がる。あいつらは実際の"戦場"を見てないからそんな戯言を言えるんだ。いや確かに冷静に考えればこれは俗にいうデートと思われる時間かもしれない。期待に沿えず残念だが、これは少しだけ刺激のある友人との食事という認識だ。
最初こそはどうしてこうなったと思っていた。が、逢瀬を繰り返し、アンナという人間をほんの少しずつ知るごとに、ミステリアスというイメージからユーモアな人間という印象に落ち着く。口調も穏やかで丁寧なものから徐々に変わっていき、当初より喋りやすくなったと思う。
そう、食べ方以外は本当に魅力的に映る人だった。いや食事風景も面白いのだが。いつの間にか教えるという行為が楽しい時間だと思うようになっている。
それが無意識下で友人以上の感情へと熟成されていたことを知るのはまだまだ先の話。
#シド光♀ #即興SS
"スキンシップ"
補足
蒼天.5終了以降紅蓮.0のどこかで起こったシドとアリゼーの会話。シドと自機がまだ感情に自覚してない頃です。
「ねえシドあなた」
「アリゼーか。どうした?」
「アンナのスキンシップに慣れすぎてない?」
偶然休憩中に佇んでいたシドは急にアリゼーに話しかけられ首を傾げる。しばらく考え込んだ後、「ああ」と手をポンと叩く。
「だいぶ前に諦めたし周りも当然のようにスルーだから異常というのも忘れてたな」
「あなたの会社どうなってるの!?」
アリゼーは先程あったことを語る。それとなく「アンナとシドって距離感バグってないかしら? そういう関係なの?」とアルフィノに聞いてみると「アンナとシドはああ見えて交際していないよ」と苦笑した。なので自分も試しに「アンナ!」と呼びながら横に立つ。そして不敵な笑みで腰に手を回してみると急に笑顔で「どうしたの?」とお姫様抱っこをされたという。公衆の面前で堂々とやるものだから嬉しかったけど流石に恥ずかしかったと振り返った。
「ああ成程。俺にもそんな頃があったな」
「そんな懐かしむほどなの?」
「いや俺も平気で抱き上げられるからもうプライドはボロボロなんだ。……って何だその哀れな目は。悪かったな」
アンナは細長い見た目に反して怪力である。どんな重い物も涼しい顔で持ち上げていた。手伝って欲しいと言うとシドごと運ぶこともザラにある。シドは最初こそ異常事態じゃないかと思っていたがもう当然のように受け入れている。それはどちらかというと諦めなのだが。
「だが俺以外にもそういうスキンシップ出来るとは思わなかったな。大体の人間相手は避けるぞ? あいつ」
「そうなの?」
「サンクレッド辺りに聞いてみたらいい。アンナはああ見えて人とコミュニケーションを取りたくないし記憶に残されたくない"無名の旅人"という生き物だからな」
「誰相手にも優しいからてっきり普通なのかと思ってたわ……」
言われてみれば大体アンナは誰かと会話している時は温和な態度を取っているが一定の距離感を保っていた。
「前にどうしてそう人をからかうんだと聞いたら護りたい相手には優しくしたいからって言ってたぞ。そういうもんだと受け入れて日常に収めてしまえば楽しいと思うぜ」
そろそろ戻らないといけないとシドはその場を後にする。アリゼーは目を丸くし、しばらく佇んでいた。が、徐々にどういうことか飲み込み始めると顔が赤くなっていった。
自分が、アンナに、護るべき存在と認識されている。口に手を当て悶えるような声を上げた。
#即興SS
蒼天.5終了以降紅蓮.0のどこかで起こったシドとアリゼーの会話。シドと自機がまだ感情に自覚してない頃です。
「ねえシドあなた」
「アリゼーか。どうした?」
「アンナのスキンシップに慣れすぎてない?」
偶然休憩中に佇んでいたシドは急にアリゼーに話しかけられ首を傾げる。しばらく考え込んだ後、「ああ」と手をポンと叩く。
「だいぶ前に諦めたし周りも当然のようにスルーだから異常というのも忘れてたな」
「あなたの会社どうなってるの!?」
アリゼーは先程あったことを語る。それとなく「アンナとシドって距離感バグってないかしら? そういう関係なの?」とアルフィノに聞いてみると「アンナとシドはああ見えて交際していないよ」と苦笑した。なので自分も試しに「アンナ!」と呼びながら横に立つ。そして不敵な笑みで腰に手を回してみると急に笑顔で「どうしたの?」とお姫様抱っこをされたという。公衆の面前で堂々とやるものだから嬉しかったけど流石に恥ずかしかったと振り返った。
「ああ成程。俺にもそんな頃があったな」
「そんな懐かしむほどなの?」
「いや俺も平気で抱き上げられるからもうプライドはボロボロなんだ。……って何だその哀れな目は。悪かったな」
アンナは細長い見た目に反して怪力である。どんな重い物も涼しい顔で持ち上げていた。手伝って欲しいと言うとシドごと運ぶこともザラにある。シドは最初こそ異常事態じゃないかと思っていたがもう当然のように受け入れている。それはどちらかというと諦めなのだが。
「だが俺以外にもそういうスキンシップ出来るとは思わなかったな。大体の人間相手は避けるぞ? あいつ」
「そうなの?」
「サンクレッド辺りに聞いてみたらいい。アンナはああ見えて人とコミュニケーションを取りたくないし記憶に残されたくない"無名の旅人"という生き物だからな」
「誰相手にも優しいからてっきり普通なのかと思ってたわ……」
言われてみれば大体アンナは誰かと会話している時は温和な態度を取っているが一定の距離感を保っていた。
「前にどうしてそう人をからかうんだと聞いたら護りたい相手には優しくしたいからって言ってたぞ。そういうもんだと受け入れて日常に収めてしまえば楽しいと思うぜ」
そろそろ戻らないといけないとシドはその場を後にする。アリゼーは目を丸くし、しばらく佇んでいた。が、徐々にどういうことか飲み込み始めると顔が赤くなっていった。
自分が、アンナに、護るべき存在と認識されている。口に手を当て悶えるような声を上げた。
#即興SS
猫被ってる時の自機に質問しましたという体です。※がある時は基本的に嘘ついてるか補足してます。
テンプレはこちら→privatter.net/p/8741440
1.名前は?
「アンナ・サリスですわ」
※森の名はフレイヤ・エルダス
2.名前は誰がつけた? 由来もあれば
「あらあらお母さまが大切に付けた名前ですわよ? 由来はだいぶ昔に教えてもらいましたが―――忘れちゃいました」
※冒険者登録時に新しい街の名をとパッと浮かんだ名前。ちなみにファミリーネームのサリスは命の恩人であるリンドウの母方の姓と同じ。無意識に浮かんだ。
3.愛称はある?
「旅人さんって呼ばれてますわ」
※子供の頃は兄のエルファーにレーと呼ばれていた。帝国や裏の世界では"鮮血の赤兎"と呼ばれていた頃がある。
4.性別・種族は?
「とりあえず肉体の性別なら女性、ラヴァ・ヴィエラ族ですわね」
5.親の種族・国籍は?
「私と同じくラヴァ・ヴィエラ族ですわよ。オサード大陸の奥地に故郷があったと思いますわ」
6.育った地域は?
「オサード大陸の森。あまり外界との関りはありませんでしたの」
7.兄弟等、家族構成は?
「お母さまと兄さんが。お父様は物心がついた頃にはいなかったので知りませんの。兄さんはお嫁さんが8人いますわ」
※母親はエルダス族の族長。父親はエルファーとの決闘に負け、"聖なる場所"へ連れて行かれた。
8.身長は?
「耳含めなかったら6フルムと少しだと思いますわよ?」
※ヴィエラ最大身長にしてます。実際はそれより少しだけ高いって設定。
9.体重は軽め? 重め?
「軽いらしいですわ」
10.顔面含む、身体の特徴は?
「あまり特徴ってものはありませんわよ?普通のヴィエラですよ」
※背中に魔物に引っかかれた傷、右腕に手術痕。死人のように冷たい。
11.守護神は?
「アーゼマ様ですわ。火を大事にする集落出身ですの」
12.誕生日は?
「さあいつでしょ? 覚えていませんわ」
※霊4月(8月) 15日
13.年齢は?
「うーん……数えたことありませんけど確か26位ですわね」
※83歳
14.メインジョブは?
「侍。命の恩人とお揃い、ですわ」
15.得意なジョブは?
「武器の扱い、エーテルの扱いは修行してきたので得意なモノというのはよく分かりませんわ」
16.苦手なジョブは?
「旅人たるもの苦手だと思うものは作ってませんので」
17.ギャザクラは得意?
「旅で色々収集したりもしてたので」
18.こだわりの装備はある?
「着れたら何でもいいですわよ?」
※背中は聞かれたら面倒だから上半身は露出無しの装備を好む。
19.好きな依頼のタイプは?(例:戦闘/宝探し/人助け/採集/製作……)
「人助けが好きですけど旅人たるもの依頼にえり好みはいたしませんよ?」
※中身の影響で人助けと宝探しは気持ちワクワクしてるように見える。
20.よく受ける依頼のタイプは?
「助けてと言われたらどんな依頼もやりますよ?」
※純粋に助けて欲しい人は助けたいと思っている。善も悪も問わない。下心やら持ったら最後だけど。
21.冒険者になったのはいつ頃? その理由は?
「グリダニアに訪れて、登録させていただきました」
22.冒険者になる前はどこで何をしていた?
「旅人をやってましたの。どこかに留まるようなことは特にしてませんでしたわ」
※旅という名の迷子になりながら人助けしてた。
23.命のやり取りで高揚するタイプ?
「いえいえそんな」
※戦闘大好き
24.野宿は得意? 外でも眠れる?
「ずっと旅をしてきたので慣れたものですわよ」
25.所属のGCは? 思い入れは強い?
「双蛇党にいますわ。グリダニアはとても縁がありますので」
26.冒険者小隊の面倒見てる?
「最近は色々任務を頑張ってもらってますの」
※メタ的には全ジョブ60にするまではつきっきりだった。それからは毎週の任務指示しかしてないです。
27.住んでいる場所は? 寝泊まりはどこ?
「特に決めてる場所はありませんわ。人助けで色々な地域に走り回ってるので基本野宿してますの」
※漆黒以降はトップマスト(ラノシア)、暁月以降はエンピレアム
28.主な活動地域は?
「特に決めてませんの。呼ばれたらそっちに行きますわよ? あ、最近はモードゥナ周辺が多いかもしれませんわね?」
29.ごはんちゃんと食べてる?
「美味しいですわよね」
※少々食べなくても生活は出来る。
30.休みの日は何してる?
「旅人は職業じゃないので。作戦関係ない時は人助けしてますよ」
※漆黒以降はシドと遊んでる。
31.普段の起床時間、就寝時間は?
「日が昇る頃に目が覚めて、寝る時間は落ち着ける場所に到着したら準備が終わり次第寝るので特に決めてませんわ。もう昔からのクセでして」
32.ストレス発散法は?
「ちょっと料理を」
※モブハン手配書片手に飛び回ってます。
33.趣味は?
「人助けですわ」
※イタズラ
34.口癖は?
「何かありましたっけ?」
※「ホー」
35.座右の銘は?
「東の国の言葉で為せば成るというものがありまして」
36.いつも持ち歩いているものは?
「旅用鞄の中にあるモノは大体大切ですわ!」
※命の恩人の肖像画、からくり装置のカタログ、香水セット、イタズラ道具
37.家事は得意な方?
「大体はこなしますよ」
38.部屋や荷物は片付いてる?
「大体分かるようにはしてますよ」
※部屋は最低限のモノしか置いてない。荷物は結構ゴチャゴチャしてる。
39.手先は器用な方?
「普通の人よりかは」
40.努力や地道な作業は得意?
「必要なモノですね」
41.字は綺麗?
「読みやすいとは言われますね」
42.絵心はある?
「旅で見たものをスケッチはしていたので」
43.物を大事にできる?
「必要な物でしたら」
※人から貰ったものは基本的に何が起こるか分からないので処分してることが多い
44.好きな街は?
「グリダニア、ですね」
45.好きな色は?
「赤色」
46.好きな動物は?
「鳥全般。自由に空へ飛び立つ姿が大好きですわ」
※大型犬が好き。
47.好きな音楽・歌は?
「何でも聴きますわよ?」
※基本的に故郷の子守歌以外雑音だって思ってるよ。
48.賭け事は好き?
「やれと言われたらやりますよ」
※運で全部勝つ。イカサマされたら完全コピーでやり返す。
49.好きな食べ物・嫌いな食べ物は?
「何でも食べます。旅人たるもの好き嫌いするなと言われたので」
※ダークマターじゃない限り大体食べます。
50.好きな果物は?
「甘かったら大体食べます」
※林檎が好きらしいよ。
51.肉派? 魚派?
「あえて言うなら魚を食べますの。勿論肉も好きですわ」
52.紅茶派? コーヒー派?
「エオルゼアに来てからはコーヒーをよく飲んでる気がしますわね」
53.甘いものは好き? 特に好きなお菓子は?
「好きですよ。よくチョコレートを食べてます」
54.酒は好き? 飲める? 好きなつまみは?
「人と飲んだら相手が先に倒れますね。私そんなに強くないですのに。おつまみはナッツ系をよく添えてますの」
※ザル。樽飲んでも酔わない。
55.人から貰って嬉しいものは?
「うふふ、何でも嬉しいですよ」
※大体捨ててるけど。
56.何をしている時が一番楽しい?
「人助けをしている時ですわよ!」
※イタズラ企んでる時です。
57.よく通うお店は?
「自給自足」
※よくジャンクパーツ屋にいる所を目撃されているぞ!
58.何にお金をかけてる?
「最近知り合いに本を勧められて」
※シドへのイタズラ
59.おしゃれにこだわりはある?
「人に会う時は最低限ちゃんとしないといけませんわよ?」
60.バディチョコボに思い入れがある?
「ウチのフレイムとっても可愛くて。いつも酷使してて申し訳ありませんの」
61.自室で一番目立つものは?
「台所でしょうか?」(漆黒以降)
62.コレクションしてるものとかある?
「香水、ですかね? 色々準備してますの」
63.よく言われる第一印象は?(例:社交的/神経質/穏和……)
「優しそうな人って言われてますわ。ふふっ」
64.察しはいい方? 悪い方?
「勿論いいですわよ!」
※察しはいいが理解してない。
65.流されやすいタイプ?
「どうでしょ?」
※主張は一貫しているものもあるが基本的に空気を読む。
66.嘘をついたり誤魔化すのは得意?
「私は嘘つかないですよ?」
※自分のことに関しては嘘しかついてない。
67.騙されやすいタイプ? 騙すタイプ?
「旅人が人を騙したりなんてするわけないじゃないですか」
※本当はだまし討ちはするのもされるのも大嫌い。空気を呼んで騙されるフリをするくらいの演技は出来る。
68.好きなタイプ(恋人)は?
「タバコが似合う正義感があり、優しいヒゲの筋肉があるお方が好きですわ」
※白くてガッチリしててヒゲの人が好き。自分が強いので当人の強さは問わない。
69.好きなタイプ(友人)は?
「秘密を守ってくれる面白い人」
※過剰に介入し合わないドライな関係が築ける人。兄が認めてる人。
70.苦手なタイプは?
「悪い人」
※下心ある人や一貫性のないイキり野郎だそうです。
71.モテる? どんな層から?
「旅人はモテないですよ」
※本来の人格を知らないと顔が良くて優しいのでモテる。
72.恋愛願望ある? 恋愛観は?
「旅人なので誰かのモノになる気はないですよ?」
※長命種なので無駄に死の悲しみを味わいたくない。同種は細くて好きじゃない。だから恋愛には興味なし。
73.結婚願望ある? 子供は欲しい?
「この私を1ヶ所に留められると思っちゃダメ」
74.友達は多い? 少ない?
「旅人なので。同じ旅人で気が合う人はいますよ」
※漆黒終了まで長命種の悩みが原因で心に壁を作ってるので友達という認識は存在しない。
75.人見知りする?
「初めて会う人とお話する時は緊張しますわよね」
※平静を装ってるように見えて結構人見知りする性格。
76.人と話したり遊ぶのは好き?
「旅の話をするのは好きですよ。大体面白いリアクションをしてくれる人がいますの」
※大嫌い。本当は最低限以外の情報は伝えたくない。
77.お祭りなど、賑やかな場は好き?
「楽しい場所は好きですよ」
※大嫌い。静かに旅をしていたい。
78.子供は好き? 子供に好かれる?
「嫌いではないですよ? 気持ち悪い大人と違って純粋だからね。護るべき対象です」
79.憧れてる/目標としてる人はいる?
「かつて私を助けてくれた命の恩人はとてもすごい人でしたの。あの人のようにどんな人も助け、名乗らず去る流浪の旅人が目標ですわ」
※ちなみにこれ漆黒後どこかのシドに聞かれたら"お仕置き"されます。NGワード。
80.具体的に苦手な相手はいる?
「特にいませんよ? 特定の相手を好きやら嫌いやらラベルを付ける行為はしないようにしてます」
81.嫌味/悪口などを言われたら言い返す?
「無名の旅人は嫌味や悪口を言わない主義です」
82.秘密はある?
「旅人には秘密がつきものですよ?」
※自分の過去は知られたくないって思ってるよ。
83.トラウマはある?
「あえて言うと……真っ暗闇でしょうか?」
84.夢はある?
「誰も私の助けを借りずに幸せになって欲しいですわ」
※孤独で乾いた自分の心を救ってくれる人が欲しい(漆黒以前)
85.自分の人生に満足してる?
「ええとっても」
※心のどこかが欠けたままで気持ち悪く思ってるよ。
86.身体的精神的問わず、コンプレックスはある?
「無駄に育ってしまってるので……小さくて可愛い子が羨ましいって思ってしまったことはありますわね?」
87.最も嫌うことは?(例:嘘/裏切り/過干渉……) その理由は?
「いえいえ特にそんな」
※下心を持って近付かれること
88.自分を善人だと思ってる? 悪を許さない心がある?
「私は私。風が吹くまま気の向くまま」
※助けを求められたら善悪関係なく助けろと教えられてきたため。悪の中にもその人間の正義があることを理解しているので純粋に悪を許さない心というものが分からない。
89.直感か理論、どちらを信じる?
「知識が全てですよ」
※バリバリの直感で動く
90.前世や運命を信じる?
「特に信じていませんわ」
91.占いの運勢とか気にする?
「そういえば気にしたこと、ありませんわね」
92.笑いの沸点は高い方? 低い方?
「さあどうでしょう?」
※素面に見せかけて笑いは堪えるタイプ
93.怒りの沸点は高い方? 低い方?
「そんなに怒りませんよ」
※滅茶苦茶低い。少しでも悪意や殺意を向けたら刀に手を添えている。
94.どんな時に怒る?
「食べ物を粗末にされた時でしょうか」
※シドの信念を侮辱する奴がいても怒るかも
95.どんな時に照れる?
「お礼を言われた時、ですね」
※気になる人に直球で口説かれた時
96.どんな時に緊張する?
「やっぱり強敵と戦う直前は緊張しますね。負けたらおしまいですし」
※シドにイタズラをする瞬間
97.どんなものを恐れる?
「信じていた人が道を踏み外してしまうことでしょう」
※シドに嫌われる時
98.信仰心はある? どの神を、何を信じている?
「神は信じないようにしてますわ」
99.ガレマール帝国や他国・他種族等に恨みはある?
「特にこれと言った恨みはありませんよ?」
100.ヒカセンでなくても、超える力がある?
「どうでしょうねえ。自分の力が全てですわ」