FF14の二次創作置き場

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No.152

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注意・補足 紅蓮レイド後、旅人は密会する数日前の独り言。   オメガの…

紅蓮

#シド光♀

紅蓮

溶けあうもの
注意・補足
 紅蓮レイド後、旅人は密会する数日前の独り言。
 
 オメガの一件が終わり、一段落ついた頃。ボクはある疑問の解を探すため、考えを張り巡らせていた。

―――あのボクの体が温かくなる現象。理解不能。今までどんな手を使っても、死人のように冷たいままだったのに。あの白色の男と体を重ね、初めて熱を帯びたのだ。

 温泉旅行と称し、クガネで休息した日。まず数時間湯船に浸かったがやはり冷たいまま。火に直接手を当てても体の芯から熱を帯びる感覚は味わえなかった。本当に初めてで、正直言って少し怖い。

「ボクの体はどうしてしまったの?」

 胸を手を置いて考えてみても、浮かばない。そんな特殊な事例、誰も答えは分からないだろう。
 いや待て。誰もが持っている、生者を形成するために必須の要素。そういえばあの後石の家に立ち寄った際、ヤ・シュトラがボクに「おめでとう」と言ってきたじゃないか。彼女が何を視てボクにそんなことを言ってきたのか、ちゃんと分かっている。

「そうか、エーテル」

 混じり合ったエーテルを視たのだ。自分の心の中に仕舞ってと思うが―――まあ珍しいものを視たから言ってきたのだろう。そりゃそうか。
 ふと右腕にある傷に指を這わせる。ボクの二の腕には硬い何かが埋め込まれ、傷口は縫合されていた。そう、この部分はエーテル操作を行う際、ほんのりと熱を帯びる。全身でその現象が起こっている可能性も0ではない。

 当初の疑問は解決。さあ次浮かんだ謎。これ、シド相手以外でも起こるのかな。

「いやない。絶対ヤらない」

 自分の頬を叩く。何故自分からそんなことをしなければいけないんだ。そんなことヤるならまだシドと二度目の行為をする方がマシ。脳から候補を取り除く。

「いや二度目もないが!?」

 あの夜からボクの考えがおかしい。まるでボクがあの男を意識してるみたいじゃないか!
 違う。ありえない。どういう感情を持ってるか勝手にすればいいが―――ボクは無名の旅人だ。誰にも感情なんて抱かない。

「ボクは! ぜーったい! 誰も! 好きにならない!!」

 拳を正面の岩に当て、パワーを溜め込み息を吸った後放出、そして粉砕する。今日も鮮やかな岩砕きだ。

「バレないようにしないと。調子に乗られてしまう」

 結論とは言ったものの確定させるための物的証拠はない。そしてこんな妙な体質を人に悟られるのが一番嫌だ。特にシドはダメ。真っ直ぐな目をして考察、実験、検証と称して―――もうどうなるか想像したくない絶対酷い目に遭う! よし、今回の件は心の中に仕舞い込み、とりあえずドマの一件を解決しよう。話はそれからだ。

―――数日後。ボクはシドからのリンクパール通信をきっかけに"また"やらかすことになる。
 二度目はないと、決心したのに。ボクはなんて莫迦なヴィエラなんだ! しかもあの男が持ってしまった感情は一時的な勘違いじゃないという裏付けを得てしまう。頭の中はもうぐちゃぐちゃだ。

 1年後、ボクは旅に出ることできるのかな。もう何もかも、理解不能。どうすればいいんだ、助けて、フウガ。


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