FF14の二次創作置き場

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No.49

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 前半蒼天終了辺り、後半漆黒付き合った後のお話。メインストーリーには特に触れない…

蒼天

#シド光♀ #即興SS

蒼天

"冷たい肌"
 前半蒼天終了辺り、後半漆黒付き合った後のお話。メインストーリーには特に触れないです。
 
「アンナっていつも思うがお前冷たいよな」
「悪口?」
「体温の話だ」

 アンナの怪訝な目に対してシドはため息を吐く。イシュガルドの騒動以降さりげなく手を触れる機会が増えたが、いつもひんやりと冷たい。

「冷え性、かも?」
「俺に聞かれても分からん」
「故郷の儀式で火には強いの。冷たさの原因は不明だけど」
「初めて聞いたんだが?」
「聞かれたことないから」

 アンナは目を細め「バァン」と言いながら指から一瞬だけ火花らしき輝きを出す。シドは目を丸くしてそれを見つめた。一瞬別の感情が湧き出そうになるのをグッと我慢する。

「故郷は火を大切にしてる部族でね。火の操作に関してはまあまあ人より上手なの」
「着火剤いらずで便利じゃないか」
「旅のお役立ちでしょ?」
「それでも指熱くならないのは凄いな」

 火を出していた指に軽く触れるとやはり冷たいままだ。アンナはニコリと笑い「不思議ね」と言う。
 褐色の細くて長い指をシドはぼんやりと絡めながら眺めている。

「シドの手、大きくて温かい。嫌いじゃない」
「そうか? まあ言われて悪い感じはしないが」
「褒めてるし」
「そうだな」

 2人は笑い合う。手袋とかした方がいい、夏だったら冷房いらずだな、ちゃんと寝る時は温かくしろと言うシドをアンナはニコニコと相槌を打っている。
 ここはガーロンド社休憩スペース、居合わせた社員たちはポカンとした顔でその掛け合いを見つめていた。



「昔お前が冷たい話したこと覚えてるか?」
「悪口の話?」
「体温の話だ」

 同じような会話したぞちゃんと覚えてるなと軽く小突く。
 最初こそは全身が冷たいものだった。しかし思考を溶かし、体を重ねると徐々に熱が灯され蕩けさせると人並みの体温を感じられる。自分の体温と混じり合う感覚が他では味わえない未知のもので。それはもうクセになる。
 胸元に口付けを落とすと頭に手刀をお見舞いされた。痛いと言うと呆れた声でアンナは「今日はもう終わり」と返した。

「叩かなくてもいいだろ」
「キミは久方振りなボクとの休日を"また"一日中寝る行為に使うつもりかい?」

 ボクはもう疲れてるんだよとアンナはジトッとした目で見つめる男に対しため息を吐く。リップ音を立てながら第三の眼付近に口付けを落とし、ボソリと喋り目を閉じた。シドは目を丸くしながら飛び起きる。

「本当か?」

 アンナは寝返りを打ち、何も言わない。そんな彼女を後ろから抱きしめ「おやすみ」と囁いた。


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漆黒以降のメインストーリーネタバレ要素があるものはちゃんと記載しています。