FF14の二次創作置き場

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No.146

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補足自機の匂い観の話題がみすきーで話題になったので。それで即興SS。蒼天辺りの関…

蒼天

#シド光♀ #即興SS

蒼天

"あなたの匂い"
補足
自機の匂い観の話題がみすきーで話題になったので。それで即興SS。
蒼天辺りの関係性なのでお互い自覚ない頃。
 
「皆さんお疲れ様。休憩室にサンドイッチ置いてるから食べてから寝てね」

 アンナ・サリスは気まぐれである。ふらりとガーロンドイ・アイアンワークス社に現れては"差し入れ"を置き、シドと数言交わして帰って行く。手伝ってほしいと言えばいつの間にか現れ、何でもこなした。
 しかし納期のデーモンが暴れる時期には決して現れない。どうやらピリピリとした空気は嫌いらしい。

 今回はほぼ案件終了後、げっそりと疲れ切った社員らの前に満面の笑顔で現れた。現場にいた彼らには天使のように映ったと後に語る。ワイワイと休憩室へ歩いて行く社員たちの波を避け、キョロキョロと見回すアンナはまずジェシーを発見した。

 相当疲れているのかため息を吐いていた。ふと気配を感じたのか振り向き、アンナを見る。

「あらアンナじゃない」
「お疲れ様、ジェシー」
「相変わらずいいタイミングで現れるわね、って結構疲れてる?」
「そりゃサンドイッチいっぱい作ってきたからね。休憩室、今ゾンビーみたいな人らが集ってるから落ち着いてからどうぞ」
「いつもありがとね。またお礼いっぱいしなきゃ」
「ちゃんとシドから貰ってるよ。大丈夫」

 奥の扉が開き、白色の男がため息を吐きながら現れる。同じくギリギリな仕事で寝ずに労働していたようで、酷く眠そうだ。

「あら会長お疲れさまでした」
「ああ今回も中々苦戦したな……ってアンナじゃないか」
「ん」

 シドは必死に目をこすり両頬を叩いた後ニィと笑顔を見せる。ジェシーは相変わらず分かりやすいと苦笑した。
 アンナも手を振りながらシドの方へフラフラと歩く。少しだけ考える姿勢を見せた。

「―――アンナ?」

 次の瞬間アンナはシドの首元に顔を沈める。ジェシーをはじめとした残っていた社員らは目を点にし、シドは固まる。そしてどんどん頬が高揚していった。

「懐かしいにおいがする」

 ボソリと呟いた瞬間アンナも自分が何をしたのかに気が付いたらしく素早く離れた。咳払いをする。

「疲れてるかも。ごめんなさい」
「あ、ああ」
「流石に新鮮なうちにとサンドイッチ一気に作ったのが響いたかなあ。私もう帰るね。……あ、今日付けてる香水、今のシドのニオイと相性悪いから残ってるって思ったらクリーニングに出す方がいいかも」
「そ、そうなのか?」

 アンナは笑顔を見せた。

「とにかくしっかりシャワー浴びて、ご飯食べて、歯磨きしてからしっかり寝るんだよ。健康なのが大事だからね」
「それは当然だな」
「でしょ?」

 しかし、シドの少しだけ嬉しそうな表情を見てアンナは少しだけ考える仕草を見せた後、恐る恐る口を開く。

「あの……本当に申し訳ないんだけど今表に出るのはあまりよろしくないと思う。だからサンドイッチ置いてる。なるべく社内で用事を済ませて。旅人の私は気にしないけどとにかく配慮は必要」
「アンナそれ超遠回しに臭いって言ってない?」
「ジェシー。そりゃずっと寝ずに働き詰めだったから当然でしょう? 流石に『5日位村に立ち寄らず色々誤魔化しながら旅してたヒゲのおじさまみたいだね』とかそんな理不尽な罵倒はできないよ。まあ純粋に休息大事ってことで。いやそれは今ここにいる人大体そうだけど。じゃ、シド。お疲れさまでした。おやすみなさい」

 苦笑しながらシドの鼻を軽く摘まんだ後、頭をグシャリと撫で小走りで去って行った。当のシドは何も言わず固まっている。

「親方の心がアンナが現れることで急速に修復されたと思ったら光速でバキバキに折られてるッス……」
「最速記録じゃないかしらあれ」
「欠片も残ってなさそうだな」
「そこうるさいぞ!」

 後に知ることになるが。アンナが例えとして使っていた事例はリンドウのことだったらしい。懐かしいにおいとはそういうことだったのかとシドは歯ぎしりをした。
 しかし時々風呂に入れと言いながらも、笑顔でくっついて来ることがあるのでリンドウに感謝する姿も見せ、アンナはもっと気を引き締めようと決心するのであった―――。


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