FF14の二次創作置き場

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No.120

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注意旅人、猫を拾うと同じ頃に起こったお話。少しだけその複製体は聞き記すと繋がって…

漆黒,ネタバレ有り

漆黒,ネタバレ有り

"ボトルレター"
注意
旅人、猫を拾うと同じ頃に起こったお話。少しだけその複製体は聞き記すと繋がっている話でもある。
 
―――アンナがリテイナーア・リスを認知した一方その頃ガーロンド・アイアンワークス社。

「会長、手紙が届いてますよ」
「俺にか?」
「いえ会長というよりかは会社にって感じでしょうか」

 会長代理であるジェシーは少し怪訝な顔でボトルを差し出す。ボトルレターかと呟きながらそれを観察する。確かに中に入っている紙には『ガーロンド・アイアンワークス社に届くことを願って』と書かれていた。

「新生祭の実行委員会から受け取りました。勝手ながら中身を確認したがこちらでは理解が出来なかったのでと」
「えらく古びた手紙じゃねェか」

 偶然通りかかったネロはニィと笑いながらボトルを凝視する。

「開けねェのか?」
「いや今から取り出そうとは思ったが」

 シドはボトルの蓋を開き手紙を取り出す。非常に質の悪い紙に文字が刻まれていた。

「何々、―――は?」

 シドは目を丸くし手紙を凝視している。ジェシーとネロも覗き込むと同じく眉間に皴を寄せた。

『目覚めた猫に愛しの女を盗られるなよ シド・ガーロンド』

 手紙の陰で見えなかったがウサギを模すように巻かれた針金に白と金の塗料を塗ったものが転がり落ちる。それを拾いながらシドは首を傾げた。

「よく分からん」
「全然分かりませんね」
「イタズラにしちゃ年季が入ってンな……ア」

 ネロは少しだけ悩む素振りを見せた直後シドが持っていた手紙とウサギを分捕る。

「おいネロ!」
「貰ってくぜ」
「いや何でお前が持って行くんだ!?」

 そそくさとその場を後にする姿をシドは呆れた目で見送った。



『"最高傑作"を完成させる永い旅の準備を終わらせた』

 先日あるミコッテが遺したトームストーンに入っていた映像で確かにその単語が入っていた。最高傑作というのは明言はしていなかったがあの英雄のことだろう。命を捧げ何らかを施した―――らしい。シドはその場に居合わせなかったからこの言葉を知らない。知っているのは一度しか再生されないビデオレターを見たネロとエルファーだけだ。

「エルに言うべきかねェ」

 不思議なウサギの物体を指で遊びながらため息を吐く。普通のミコッテ相手ならばもう死んでいるだろう存在について心配することはない。しかし相手は話を聞いた限りでは普通というカテゴリに収まれない。しかもソイツはかつてのエルファーと共に何かをやらかした友人だ。"第八霊災を防ぐことが出来なかった世界"という話を以前暁やアンナが口にしている。もしもこの忠告が本当に時間と次元を越え流された手紙ならば何かが起こってからでは遅い。ありえないと思いたいが問題の英雄周辺では"絶対にありえない"ことが起こり続けている。やはり一言だけ伝えておく方がいいのかもしれないと判断した。次に酒が入った時に言っておこうと1人頷き歩み出す。
 ふと窓の外から視線を感じた。思わず振り向き確認するが気配は消えている。

―――それから彼らの周りで奇妙な現象が起こるようになる。視界の端に何やら細長い尻尾を捉えたりアンナが不思議な装置や錬金薬を見せるようになるとか、だ。

『こういう面倒事に巻き込まれンのはガーロンドだけでいいじゃねェか』

 そうネロは怪訝な目をするエルファーの隣でため息を吐いた。


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漆黒以降のメインストーリーネタバレ要素があるものはちゃんと記載しています。